多摩市連光寺の都立桜ヶ丘公園は多摩丘陵の自然を残した公園で、春の桜や秋の紅葉の名所としてよく知られているが、六月になると紫陽花の花が緑濃い園内を彩ってくれる。

桜ヶ丘公園には特に紫陽花を集めた「紫陽花園」のような施設はない。紫陽花は園内随所で花を咲かせ、散策の目を楽しませてくれる。特に公園西側の沢沿い、西中央口周辺、公園中央部の旧多摩聖蹟記念館脇、駐車場脇などで紫陽花を見ることができる。南側には「あじさいの道」と名付けられた散策路があり、道沿いに紫陽花が植栽されているのだが、今回（2008年6月）訪れたときには残念ながらあまり咲いていなかった。この「あじさいの道」の紫陽花が咲き揃えばなかなか美しい景観になることだろう。

桜ヶ丘公園の紫陽花は、数も種類も特筆するほどの規模ではない。紫陽花を目当てに訪れると少し期待外れな思いをするかもしれない。しかし、園内の木々がすっかり緑濃くなった六月、ところどころで咲く紫陽花を眺めながらの散策は十分に楽しい。