春の桜ヶ丘公園は桜の名所と言ってよいだろう。知名度も高く、散策を楽しむ地元の人に加えて近隣からも多くの花見客が訪れて賑わっている。まさに「桜ヶ丘」というその名に相応しいもののように思える。

桜は旧多摩聖蹟記念館の周辺から「丘の上広場」にかけてが特に素晴らしい。大きく枝を張った桜が広場を取り囲み、春の陽射しが桜の色に染まったような印象を与えてくれる。桜を見上げながら散策を楽しむのもよく、ベンチに腰を下ろして桜の咲く風景をのんびりと眺めて時を過ごすのもいい。お花見に訪れた人々が口々に感嘆の声を上げる様子も見ていて楽しい。

お花見を楽しみながらのんびりとお弁当を広げるのならば、公園の南端付近の、その名も「お花見坂」の付近がよいだろう。かつての谷戸部の地形を利用した広場に桜が点在し、のんびりと穏やかな風景の中でのお花見が楽しめる。散策を楽しむ人たちに混じって、広場にはシートを広げてくつろぐ家族連れの姿などもある。谷戸の地形であるために適度な閉塞感があり、それが落ち着いた雰囲気につながっているようでもある。

お花見のついでに雑木林の中の小径を辿って芽吹き始めた新緑を楽しんだり、旧多摩聖蹟記念館を見学するなどして、春の休日をゆったりと過ごすとよいだろう。