町田市本町田〜高ヶ坂
芹ヶ谷公園
Visited in May 2024

町田市の中心市街の東方に芹ヶ谷公園という公園がある。“特殊公園”に位置づけられる町田市立の公園で、1982年(昭和57年)に開園、その後何度かの改修や拡充などが行われて現在に至っている。公園は14ha近い面積を有しており、町田市の中心市街近くという立地を考えれば充分に広い。園内は緑に溢れ、市民の憩いの場、子どもたちの遊び場として親しまれている公園だ。

そうした立地、地形のため、町田市の中心市街のすぐ近くでありながら緑に溢れ、静かで穏やかな空気感に包まれた公園だ。

版画美術館の西側、版画美術館側から入ってくると美術館の裏手のような印象の一角は「日本庭園」と名付けられ、池を取り囲む林の中に散策路が設けられている。
この「日本庭園」の東側の上方に公園の南口が設けられており、花壇を施したアプローチの舗道が整備されている。この南口が公園のメインエントランスと考えて良さそうだ。

この噴水のオブジェは、塔の先端部分から水が出る仕組みのようだが、自在に向きを変える二本の金属のバーが翼を思わせるように取り付けられている。見ていると動きはランダムで、何かの動力によって動かされているのではなく、落ちる水と風とによって形を変えているようだ。中央部の円柱も両翼部分のバーも表面の金属光沢が周囲の景色や空の色を映し、形を変えればまた映り込む景色も変わって、見ていて飽きない。

この広場は春の「さくら祭り」など、さまざまなイベントの会場にも利用されるようだ。「虹と水の広場」から「多目的広場」にかけてのエリアが芹ヶ谷公園の中心部と考えて良いのだろう。

階段を上がった先には「芝生広場」やグラウンドなどが置かれている。ここには以前から広場があったのだが、芹ヶ谷公園の再整備に伴って公園の一部となったようだ。

「せりがや冒険遊び場」は「NPO法人子ども広場あそべこどもたち」のリーフレットによれば“子どものやってみたいという思いを大切にするために、できる限り規則を無くした自然の中の遊び場”だ。林の中に造られた遊び場で、子どもたちは自由に遊び、工具を使って工作したり、本物のかまどで火を使ったり、様々な体験をすることができる(もちろんスタッフの見守りはある)。本来、子どもの遊びというものは、自然の中にあった。木の枝を何かに見立てて遊んだり、穴を掘ったり、木に登ったりして遊んだものだ。この「せりがや冒険遊び場」は、そうした子ども本来の“遊び”というものを体験できる施設だといっていい。
「せりがや冒険遊び場」は毎週水曜日〜日曜日に開園している。詳細は公式サイト(頁末「関連する外部ウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

道路をくぐる「連絡通路」を北に抜けてすぐ左手の部分は「冒険広場」と名付けられた子どもたちの遊び場で、フィールドアスレチック風の遊具などが設置されており、近所の若いお母さんたちが子どもたちを遊ばせている姿を見ることが多い。

そうした静かさを好んでか、散策を楽しむ人の姿も少なくなく、ベンチに腰を下ろしてくつろぐ人やスケッチを楽しむ人を見ることもある。滴るような緑に包まれてしっとりとした時間を過ごすことのできる空間だと言っていい。

「カキツバタ園」は湿地となった区画に湿性植物が植えられたもののようだが、五月の終わり、キショウブやカラーの花を見ることができた。

芹ヶ谷公園は特に花の名所として知られる公園ではなく、行楽地的性格も薄いから、その知名度はそれほど高くはないように思える。しかし町田市の中心市街地から至近距離にあって緑に包まれた静かな佇まいというのは特筆すべきことだと言っていい。のんびりと散策を楽しむ公園としてお勧めだ。
公園はJR横浜線町田駅(中央口)からも小田急線町田駅からも徒歩で十数分の距離だ。複数の入口があるが、初めて訪れるときには南口から版画美術館脇へ降りてゆくのが順当か。版画美術館脇と「せりがや冒険遊び場」東側に来園者用有料駐車場が設けられている。公園の開園時間や駐車料金等、詳細は町田市の公式サイト(頁末「関連する外部ウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。
公園はJR横浜線町田駅(中央口)からも小田急線町田駅からも徒歩で十数分の距離だ。複数の入口があるが、初めて訪れるときには南口から版画美術館脇へ降りてゆくのが順当か。版画美術館脇と「せりがや冒険遊び場」東側に来園者用有料駐車場が設けられている。公園の開園時間や駐車料金等、詳細は町田市の公式サイト(頁末「関連する外部ウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。





