横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市都筑区中川
山崎公園
Visited in May 2014
山崎公園
横浜市都筑区、横浜市営地下鉄ブルーライン中川駅の南に、山崎公園という規模の大きな公園がある。7ha近い面積の園内には池があり、広場があり、雑木林も残り、プールも設けられている。子どもたちの遊び場として、あるいは緑の中の散策を楽しむ場として、地域の人たちに親しまれている公園だ。
山崎公園は「地区公園」に分類される、規模の大きな公園だ。面積は6.7haほどと広く、(地図を見て推測すれば)公園の位置する中川四丁目の町の三分の一ほどを占めているのではないかと思える。公園の西側部分は木々の茂った小高い丘を成しており、東側部分は住宅街の中に長方形の区画を設けて広場やプール、池などが置かれている。東端部は中川駅南側を通る道路に接しているが、その下をくぐる通路が設けられて、道路東側の「くさぶえのみち」という緑道に繋がっている。

山崎公園
中川駅から「くさぶえのみち」を辿り、道路下の通路をくぐって山崎公園へと入ると、「山崎の池」という池が横たわっている。港北ニュータウンの造成に伴って公園が整備される以前の姿を寡聞にして知らないが、昔から池か、あるいは湿地があったのかもしれない。今は公園の一部として端正に整備され、親水空間として親しまれているようだ。池は周囲を木立に囲まれ、駅近くの住宅街の中であることを忘れてしまうような景観だ。池の北側には橋が架けられ、その袂には四阿が置かれている。岸辺には散策路が辿り、子どもたちが遊んでいる。

山崎公園
「山崎の池」は釣りを楽しむこともできるようで、池の岸辺には釣りを楽しむ人たちの姿がある。地元の人はもちろん、少し遠方からも訪れる人があるという。池の岸辺には「山崎の池使用ルール」として、利用者に向けた注意書きが設置されている。指定区域外での釣り禁止、釣り座は先着順で場所取りは禁止、投げ釣り禁止、ルアーの使用禁止、撒き餌の禁止、夜間の釣り禁止などなど、主に釣りを楽しむ人たちに向けての注意が記されている。釣りの「大会」のようなイベントも行われることがあるようだ。

山崎公園
「山崎の池」の西側には広場が設けられている。広場は円形をしており、外周部は小さな堤状になっていて、そこに桜が植えられている。開放感というものには少し欠けるが、木々に包まれて適度な“囲まれ感”が快適だ。木陰にシートを敷いてお弁当を広げるのも楽しいひとときだろう。小さな子どものいる家族には手軽なピクニック感覚で楽しめる空間だ。広場の外側には舗道が辿っている。舗道は木漏れ日が美しく、のんびりと散策するのもいい。春には桜が咲き誇り、花見客で賑わうようだ。

山崎公園
円形の広場の西側には山崎公園プールが設置されている。25mプールと滑り台を設けた子供用プールがあるらしい。プールの横には水遊びのための施設が設けられている。施設はなかなか凝った造形で、遊ぶ子どもたちにとっても楽しいものに違いない。今回訪れたのは五月、プールは閉鎖中で、水遊びの施設にも水はなく、遊ぶ子どもたちの姿もない。人の姿の無い水遊びの施設がまるでオブジェのように不思議な存在感を放っている。夏になれば子どもたちの歓声が響き、景観の印象も一変するのだろう。

山崎公園
山崎公園の西側は公園全体の半分ほどの面積を占めて雑木林の丘が広がっている。おそらく港北ニュータウンが整備される以前から雑木林の丘があったのだろう。その一部を公園として残したものに違いない。鬱蒼と茂る木々の中を縫って散策路が辿り、ところどころに四阿や広場、展望所などが設けられている。林の中を辿る散策路は未舗装の小径で、巡って行けば雑木林散策の楽しみを存分に味わうことができる。

山崎公園
雑木林の西側外縁部は舗装された園路が辿っている。その一角に小さな池のような湿地があり、四阿も設けられている。池には「あさざ池」の名がある。「アサザ」はいわゆる絶滅危惧種の水草だ。そのアサザをこの池で保護育成しているようだ。保護に協力を求める注意書きが立てられていた。アサザは水面の上に茎を伸ばして小さな黄色い花を咲かせる。可憐な花だ。花期は夏、訪れた時(五月半ば)にはまだ花を見ることはできなかった。

山崎公園
「アサザ池」の傍らから北へ延びる園路は緩やかな坂道になっている。「柿の木坂」という名があるようで、坂の下にはその名を記した石標が設置されていた。「柿の木坂」とは公園が整備される以前から、すなわち港北ニュータウンが整備される以前からあった名なのだろうか。興味を覚える。

この付近から南に辿れば早渕川が近い。山崎公園から中崎橋で早渕川を渡って都筑中央公園へと至る「しらさぎのみち」という散策ルートが設定されており、そのルートを示す案内板も設置されていた。山崎公園から都筑中央公園の西端部まで、早渕川の河岸を辿って1kmほど、散策の足を延ばしてみるのも楽しい。

園路を北へ辿って行けばそのまま公園の区域外へと出て、中川西小学校の脇を経て美しい舗道を抜けて夕映歩道橋へ至っている。こちらも散策の楽しいところだ。
山崎公園は近隣に暮らす人たちの憩いの場として、子どもたちの遊び場として魅力的な公園だ。“行楽地”的な性格は薄いが、雑木林散策の好きな人は訪れてみたいところだろう。山崎公園からさらに「くさぶえのみち」や「しらさぎのみち」などを辿って周辺へと散策の足を延ばすのもお勧めだ。

山崎公園は横浜市営地下鉄中川駅の南側に位置しているが、駅からは東へ辿って「くさぶえのみち」を経由して向かうのが便利だ。駅から300mほどの距離しかない。公園には来訪者用の駐車場は用意されていないようだ。車で来園する場合は横浜市営地下鉄中川駅周辺に点在する民間駐車場を利用するといい。
山崎公園
山崎公園
山崎公園