恒例となった「八王子いちょう祭り」も1998年で第19回を数える。有名な
甲州街道のイチョウ並木の黄葉の時期に併せて、毎年11月の下旬に行われるものだ。今年(1998年)は11月22日と振替休日となった23日の両日に実施された。その22日、黄葉を楽しみつつ、いちょう祭りの様子を覗いてみた。残念ながらイチョウ並木の黄葉は今一つといった感があったが、人出は多く、終日賑わっていたようだ。
いちょう祭りの会場となるのはもちろんイチョウ並木の甲州街道沿いで、祭りの中心となるのは陵南会館跡地の本部と
陵南公園だが、他にもいくつかの特設会場が設けられて賑わっている。各会場では飲食店の屋台が並んでいたり、各種のイベントが行われていてお祭り気分を盛り上げてくれる。甲州街道のイチョウ並木は追分交差点から高尾駅前までの区間だが、どちらかと言えば追分町側から歩くのが楽しめるだろう。
甲州街道沿いにはイベント会場とは別に何ヶ所かの「関所」が設けられている。「関所オリエンテーリング」のためのもので、八王子八福神の図案をあしらった木製の「通行手形」にそれぞれの「関所」で焼き印を押してもらい、焼き印が一定数以上たまると
陵南公園の会場での福引きに参加することができる。福引きの賞品は協賛する地元企業などから提供されたもので、さまざまなものが並んでいる。せっかくいちょう祭りを歩くのなら、この「関所オリエンテーリング」に挑戦して福引きの賞品を狙ってみるもの楽しいだろう。
22日のお昼時には甲州街道では「クラシックカーパレード」も行われ、地元学校などのバトントワラーやブラスバンドが祭りに華をそえたようだ。他にも各会場では和太鼓の生演奏や地元農場の収穫祭、「ふるさとバザール」、漫画展など、さまざまな催しが行われてそれぞれに賑わっている。陵南公園の分園では子どもたちのための「手作り遊園地」が作られていて子どもたちの歓声が響き、陵南公園本園にはステージが用意されてバンドコンテストなども行われていたようだ。
陵南公園はまさに祭りの中心といった様子で人出も多い。
のんびりとイチョウ並木の黄葉を楽しむには賑やかすぎるかもしれないが、秋の日のお祭りとして楽しめば良いのだろう。お祭りの賑わいを横目に見ながら南浅川の川岸に腰を下ろしてひとときくつろぐのも良いものだし、各会場に並ぶ商品の掘り出し物を目当てに出かけてみるのもそれはそれで楽しいものだろう。