八王子市北野町
北野天満社
Visited in March 2022
八王子市北野町の南部、国道16号バイパスの脇に北野天満社が鎮座している。その名が示すように菅原道真を祭り、北野町の地名の由来となった神社である。当然のことながら境内には梅の木が多く植えられており、早春には紅白の梅が季節を告げる。
八王子市北野町の南部、京王線北野駅から北へ300mほどのところに北野天満社が鎮座している。一説には横山党の一族が京都の北野天満宮を勧請して建立し、「北野」の地名の起こりになったものというが、創建の年代についてはよくわかっていないらしい。古くから北野村の鎮守として人々に信仰されてきた神社である。
境内には鹽竃神社(塩釜神社)も祀られている。鹽竃神社の祭神である塩椎神(しおつちのかみ)は安産守護で信仰を集める神である。
境内には鹽竃神社(塩釜神社)も祀られている。鹽竃神社の祭神である塩椎神(しおつちのかみ)は安産守護で信仰を集める神である。
境内地の隅に御神木のケヤキが聳えている。一説には樹齢四百年を超えるともいう。老木らしい姿だが、樹勢はまだまだ衰えていないらしい。この他にも境内には見事な樹木が多数有り、住宅地の中にこんもりと存在感を放っている。
今の北野町は北野駅の北側に広がる住宅地だが、昔は水田の広がる長閑なところだった。かつての農村の鎮守としての佇まいは境内の木々に面影を残すのみである。
今の北野町は北野駅の北側に広がる住宅地だが、昔は水田の広がる長閑なところだった。かつての農村の鎮守としての佇まいは境内の木々に面影を残すのみである。
北野天満社はいわゆる“天神様”である。菅原道真を祀っている。菅原道真は梅をこよなく愛していたといい、“飛び梅”の伝説などは広く知られている。そうしたことから、各地の“天神様”は境内に梅を植えている。北野天満社も例外ではなく、境内地の随所に梅があり、早春には紅白の梅が咲いて参拝者の目を楽しませてくれる。ケヤキもイチョウも葉を落とした冬枯れの境内に咲く梅が殊更に色鮮やかである。
北野天満社には梅を集めた“梅林”のような場所はなく、鳥居脇や社殿脇など、随所に植えられている。外の道路からしか見えない場所もあるので、梅を目当てに訪ねた際には神社の周囲を回ってみるといい。
北野天満社には梅を集めた“梅林”のような場所はなく、鳥居脇や社殿脇など、随所に植えられている。外の道路からしか見えない場所もあるので、梅を目当てに訪ねた際には神社の周囲を回ってみるといい。
北野天満社は北野の地名の起こりとなった神社であることに面白みがある。横山党関連の歴史に興味のある人も参拝しておきたい神社だろう。残念ながら“梅の名所”と呼べるほどではないが、寒さが緩む頃、早い春を探しての散策で参拝してみるのがお勧めだろうか。