横浜市都筑区に仲町台という地区がある。横浜市営地下鉄ブルーラインにも仲町台駅があるから、よく知られた地名だろう。駅の周辺は港北ニュータウンの住宅街で、整然と整備された美しい街並みが広がっている。10月の良く晴れた日、仲町台駅の周辺を歩いた。
横浜市営地下鉄ブルーラインは横浜市都筑区あざみ野の「あざみ野駅」から藤沢市湘南台の「湘南台駅」までの約40kmを走っている(2013年10月現在)。“地下鉄”であるから、路線のほとんどは地下を走っているわけだが、ところどころで地上に顔を出している。港北区から都筑区にかけての区間もそのひとつだ。新横浜から北上してきたブルーラインは北新横浜を過ぎて地上に出て、高架の軌道を走る。新羽を過ぎるといったん丘陵地をトンネルでくぐるが、再び地上に出て仲町台の駅に到着する。仲町台を過ぎると地下へ戻り、センター南、センター北と経由して日吉へと向かうわけだ。
だから仲町台駅は地下鉄の駅であるにも関わらず、高架の軌道上に設けられている。階段を下りて改札を出ると、高架の軌道下に設けられた広場だ。いかにもニュータウンの中の駅といった佇まいの、整然として美しい広場が広がっている。広場には印象的にモニュメントが配され、街路樹が並び、花壇が設けられている。広場の西側にはバスの発着所が設けられ、周辺にはスーパーやコンビニエンスストアなどの店舗が並んでいる。
駅前の広場から延びる舗道を南へ辿ってゆくと、陽光歩道橋という人道橋が広い道路を跨いでいる。陽光歩道橋を渡って南側へ歩を進めてゆくと、眼前に広大な畑地が広がる。丘の上に広がる畑地は折本町の農業地帯で、横浜市の農業を支える地域のひとつだ。以前、その畑地の中を歩いたことがある。
折本町から池辺町へ、あるいは
東方町から池辺町へ、長閑な田園風景の中の散策が楽しめるところだ。そうした風景の好きな人にはお勧めの散策コースである。
駅前広場から北へ舗道が延びている。街路樹の美しい舗道を100メートルほど辿ると、建物に囲まれて小さな広場があり、駅前から続く舗道からは少し西にずれた位置からまた舗道が北へ延びる。この舗道もカツラの並木が美しく、道脇にはレストランなどがあってなかなかお洒落な雰囲気を漂わせている。この舗道を北へ出ると
せせらぎ公園だ。せせらぎ公園の中を東西に抜ける緑道は「
せきれいのみち」といい、近隣の公園を繋いで港北ニュータウンの中を辿っている。「せきれいのみち」を辿っての散策へ足を延ばすのもいい。
仲町台は港北ニュータウンの中の住宅街に過ぎないが、
せせらぎ公園や「
せきれいのみち」が至近で、さらに南へ向かえば折本町の農業地帯へも近い。散策の拠点として便利なところなのだ。そしてもちろん、駅周辺の美しい街並みはそれ自体が魅力だと言っていい。横浜市営地下鉄ブルーラインを仲町台で降り、
せせらぎ公園で散策を楽しみ、公園近くのレストランで食事やお茶を楽しむ。そんな休日の過ごし方もお勧めだ。