八王子市高尾町
紅葉の高尾山頂
Visited in November 1998

1998年の紅葉は時期も遅れ、色もあまり良くなかった。例年なら素晴らしい紅葉を楽しめる場所でも、色づき方がまばらであったり、遠目にはきれいでも近づいてみると一枚一枚の葉の色があまり美しくはなかった。そんなあまり期待できない状況の中の11月半ば、紅葉の名所として知られる八王子市の高尾山に登ってみた。さすがに名所と言われるだけにモミジの数は多く、条件の悪い今シーズンにも充分に見事な景観を見せてくれていた。



山門の上あたりのモミジも紅葉に染まっており、しばし立ち止まって上を見上げる人の姿も少なくない。山門から入って休憩所の前付近にもモミジが多く、記念撮影をするグループの姿があちこちに見られる。休憩所前から上を見上げると、ちょうど鐘楼とモミジの組み合わせで美しい景色が楽しめる。三脚を立てて撮影に熱心な人も多い。薬王院の建造物と紅葉との組み合わせはやはり写真趣味の人にとっては絶好の被写体なのだ。




稲荷社から奥の院へと進み、さらに山頂に向かって散策を辿ると、しばらく沿道にモミジの姿を見なくなる。展望台近くになっていきなり眼前に紅葉の景観が広がるのだが、それがまたいっそう山頂付近の紅葉の景観を引き立てるのかもしれない。

山頂の展望台が近くなると、散策路沿いのモミジも多くなり、見事な景観を見せる。やはり例年と比べると紅葉の「質」が悪く、完全には紅く染まっていない樹もあって、景観が斑模様となってしまっているのが残念と言えば残念だ。条件の良いシーズンの紅葉であればさらに見事に深紅に染まった紅葉が見られるのだが、それでも数多くのモミジに彩られた景観は美しい。
山頂の広場にはすでに多くの観光客が思い思いの場所に陣取ってお弁当を広げたりしている。家族連れ、年配の人たちのグループ、若いカップルと、その姿はさまざまだ。広場の脇にはちょっとした飲食のできる店もあるが、お弁当持参の人が多いようだ。
山頂の広場は「十三州見晴台」とも呼ばれ、眺望の良さが有名だ。現在は樹木の伐採が禁じられているために木立によって少々視界が遮られているが、海抜600メートルの山頂からの眺めはやはり素晴らしいものだ。当日も少々霞んではいたが富士山の姿を見ることができた。

山頂の広場は「十三州見晴台」とも呼ばれ、眺望の良さが有名だ。現在は樹木の伐採が禁じられているために木立によって少々視界が遮られているが、海抜600メートルの山頂からの眺めはやはり素晴らしいものだ。当日も少々霞んではいたが富士山の姿を見ることができた。

広場の片隅に空いているベンチを見つけて一休み、のんびりと景観を楽しんでから山頂の展望台を後にした。今回は帰路もケーブルカーを使ったが、片道だけでも散策路を辿ってのんびりと歩くのもまた楽しいものだ。日差しもあったが、少々曇りがちな一日だった。紅葉はやはり一面が深紅に染まって逆光に映える姿がいちばん美しい。来シーズンの紅葉に期待しつつ晩秋の高尾山を後にしたのだった。
都心から日帰りで手軽な登山、ハイキングが楽しめる高尾山は特に紅葉の名所として知られているが、例年11月には「もみじ祭り」が開催され、日祝日にはさまざまな催し物があって賑わっている。紅葉の見頃はやはり11月中頃だ。
