横浜市港北区小机町〜綱島
鶴見川河畔
(小机〜大曽根)
Visited in November 2002
(本頁の内容には現況と異なる部分があります)
日毎に秋が深まってゆく11月の上旬、鶴見川河畔の散策にでかけた。今回は横浜線小机駅を降り、横浜国際総合競技場の横を抜けて鳥山川との合流点を目指し、そこから太尾町を経て大綱橋のあたりまで歩いてみた。
【追記】
太尾町は2007年(平成19年)から2009年(平成21年)にかけて住居表示の変更が行われ、現在は「大倉山(一丁目〜七丁目)」となっている。堤防道に「河口まで12.5km」を示した距離標が立っている。その傍らから右手に延びる小径がある。小径を進むと、木立に囲まれた遊歩道に出た。港北合同庁舎付近から新羽橋近くの「太尾堤」交差点付近まで、太尾新道に沿って南北に延びる「太尾堤緑道」だ。緑道の脇に「大倉山さんぽ道」と記した案内標があった。大倉山公園や太尾堤緑道などを巡る散策コースが設定されているのだろう。
木漏れ日の美しい緑道の佇まいに惹かれて、港北合同庁舎付近まで少し引き返してみて、そこから緑道を再び北へ向けて辿ってみた。すでに紅葉に染まった樹木もあり、緑道は素敵な散歩道の表情を見せる。横を通る太尾新道は交通量が少なくないが、並木によって隔てられているために緑道は穏やかな雰囲気を保っている。
緑道を北へ少しばかり進むと、港北下水処理場の脇を通る。この下水処理場の施設の屋上部分を利用して太尾公園が設けられており、緑道からアプローチの道路で入ってゆくことができる。この公園は「屋上に人口基盤を作り、公園にした」ものであるという。公園内は樹木などが植栽された中に広場が設けられ、中にいるときにはとても建物の屋上であるとは思えない。公園の西側には鶴見川の堤防道とを繋ぐアプローチが設けられ、鶴見川河畔から新横浜方面への眺望が開けている。
太尾公園から再び太尾堤緑道へと戻り、さらに北へ辿る。緑道にはところどころ広場のような場所も設けられ、遊具が置かれて子どもたちの遊ぶ姿があった。やがて小さな郵便局の横を過ぎて「太尾堤」交差点へ達する。都筑区南部から港北区新羽町を抜けて新羽橋を渡って延びてきた産業道路が太尾新道と交わる交差点で、広い道路ではないのだが交通量は多い。交差点は十字路で、東へ向かえば大倉山駅付近へ達し、北へ辿れば鶴見川河岸を抜けて大綱橋の袂へ至る。
交差点から西へ向かい、新羽橋へ出て、新羽橋の袂から鶴見川右岸の堤防道を進む。堤防道は未舗装の砂利道だが、下の河川敷には舗装された遊歩道もある。それらの双方を人々が行き交っている。自転車で行き過ぎる人、犬の散歩でのんびりと歩く人、買い物帰りらしき人、さまざまな人の姿がある。やがて鶴見川は右手に大きく曲がり、北へ向かっていた流れが再び東へ向かうようになる。堤防道も川の流れの描く大きな曲線に沿って曲がってゆく。その様子がなかなか美しい。
やがて前方には綱島付近の市街地が見え始める。綱島街道が鶴見川を越える大綱橋や、東急東横線の鉄橋なども小さく見えている。河川敷は広くなり、広場のようなものが設けられている。川面には鳥の姿がある。羽ばたいて飛び去ったのはコサギだろう。ここにも仮設橋が架かっている。これも工事用車両のためのもののようだ。工事用車両は仮設橋を渡って河川敷をさらに下流側と行き来している。
大綱橋を渡り、綱島街道の「綱島」交差点から西へ入り込んでゆくと綱島駅前だ。駅前は人通りも多く、決して広いとは言えない道路に車が入り込んで混雑している。綱島駅付近も歩いてみたいが、それはまた次の機会ということにして、綱島駅から帰路を辿ることにしたい。
鶴見川沿いの小机町は昔はのどかな田園地帯だったが、新横浜元石川線が通り、横浜国際総合競技場が造られて、すっかり様変わりしてしまった。今は工事の進む新横浜公園が完成すればさらに違った表情を見せることになるのだろう。太尾堤緑道は桜並木となった部分もあり、桜の名所として知られている。次は桜の季節を選んで訪れてみたい。