横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市都筑区荏田東〜荏田南
鴨池公園
May 2005
鴨池公園
横浜市都筑区荏田東三丁目から荏田南一丁目に跨って鴨池公園がある。公園は「新横浜・元石川線」の広い道路によって北東側と南西側とに二分されている形で、北東側が荏田東三丁目、南西側が荏田南一丁目に位置している。荏田東三丁目に位置する北東側は広場と雑木林によって構成され、荏田南一丁目の南西側には、公園の名からも推測できるように、池を置いている。北東側と南西側とは「鴨池公園橋」によって繋がれてはいるが、隣接した二つの公園であるかのような印象もある。
鴨池公園こどもログハウス
荏田東一丁目に位置する北東側の部分の東端は「ささぶねのみち」と名付けられた緑道に接しており、この緑道から鴨池公園へと入ってゆくと眼前に雑木林の丘陵が横たわる。その丘を背負うようにしてログハウス風の建物が建っている。これは「鴨池公園こどもログハウス」というもので、要するに子どもたちのための遊び場だ。「かもいけランド」という愛称が付けられた施設内には滑り台や登り棒などの遊具類を備え、かくれんぼや鬼ごっこができるように造られた「地下迷路」などもあるらしい。対象年齢は小中学生と付添人のいる幼児とのことで、平日は主にお母さんに連れられた小さな子どもたちで賑わっているようだ。休日には多くの子どもたちの歓声が響くことだろう。
鴨池公園−まんまる広場
こどもログハウスの横を抜けて、「ささぶねのみち」から分岐してきた広い散策路が南へ延びている。これを南へ辿ると左手に芝生の広場がある。「まんまる広場」と名付けられた広場は、その名が示すようにほぼ円形に横たわっている。中央に樹木を配した広場は木々に囲まれ、適度な閉塞感と開放感とが同居して落ち着いた佇まいだ。すぐ横を「新横浜・元石川線」が通っているために広場の西側のベンチで休んでいると車の騒音も届いてくるが、全体的には気になるほどではない。広場を取り囲むように随所にベンチも置かれ、ログハウス寄りの東側の隅には水飲み場も設置されている。休日に家族でのんびりと過ごすのには良いところだろう。訪れた日、何かのサークルだろうか、小さな子どもを連れたお母さんたちのグループの姿があった。ちょうどお昼時で、木陰にシートを広げてランチタイムを楽しんでいるところだった。
鴨池公園−よびかける子供達像
「こどもログハウス」の裏手に当たる雑木林の丘の上には小さな広場があり、その片隅に子どもを象った像がある。「よびかける子供達像」という名で、公園完成記念として1986年(昭和61年)に設置されたものである旨が、「港北ニュータウン事業推進連絡協議会」と「横浜市」、「住宅・都市整備公団」の名で記されている。その名が示しているように、広場を前にして立つ子どもたちの像は口元に手を添えて何者かに呼びかけている。友だちを呼んでいるのだろうか。いや、きっと子どもたちにしか見えない木々の精霊へ呼びかけているのだ。なかなか素敵な像だ。
鴨池公園−雑木林
「こどもログハウス」や「まんまる広場」のある一角の北側には鬱蒼とした雑木林が広がっている。雑木林はこの辺りが住宅地として造成される以前の、里山の面影を色濃く残している。林の中を辿る散策路は、昔ながらの山道にわずかに整備の手を加えたような小径で、鬱蒼とした雑木林の中を抜け、見事な竹林を抜けてゆく。新興の住宅街の中に位置する公園の中であることを忘れて、どこか山深いところへ迷い込んだような錯覚さえ感じられ、なかなか野趣溢れる散策が楽しめる。
鴨池公園−かきのき広場
雑木林の中の小径を北へ辿ると、公園の北端に当たる部分に「かきのき広場」という広場がある。尾根に挟まれた谷戸の地形を利用した広場で、周囲を鬱蒼と茂る木々に囲まれている。そのためか広場はひっそりと静かで、野鳥の声と風にそよぐ木々の音が聞こえるばかりだ。広場は北側の住宅地への出入り口も兼ねており、住宅地を抜ける舗道に面しているが、通り過ぎる人も姿もそれほど多くはないようだ。
鴨池公園鴨池公園
「まんまる広場」の横から「鴨池公園橋」で「新横浜・元石川線」を渡れば荏田南一丁目に位置する鴨池公園の南西側の部分だ。こちら側の部分には公園名の由来となった鴨池を抱えている。「鴨池公園橋」から入ってゆくと左手に小さな広場があり、その一角にトイレが置かれ、その奧に池が横たわっている。

鴨池公園−鴨池
池の東側の岸辺にスロープとなった芝生の広場がある。その隅には木製のデッキが設けられ、池の水面を間近に見下ろすこともできる。訪れたとき、このデッキに大きなレンズを付けたカメラを構えた女性の姿があった。レンズが指し示す方向に目を向けると、対岸の木々の間にアオサギが身を隠し、池の小魚を狙っているところだった。カメラを構えている女性に話を聞いてみた。女性は近くに住んでいる方のようだ。アオサギはこの池でよく姿を見かけるそうで、かねてから捕食する瞬間や飛び立つ瞬間を写真に撮りたいと思っているのだがなかなかうまくいかないとおっしゃっていた。

鴨池公園−鴨池
鴨池公園の横を抜けてゆく舗道とは別に、池のほとりに沿って散策路が奧へ延びている。木立に囲まれた水辺の小径は歩いていても気分がいい。水辺の小径は奧まったところで行き止まりだが、そこから見る池の風情がとてもいい。岸辺には水辺の植物が茂り、対岸は水面を覆うように木々が枝を広げている。北側のスロープから見る池の佇まいとはまた違って、素朴な山間の池の佇まいを見せている。池はかつて農耕用の溜め池だったものだろうか。緑濃い丘に囲まれてひっそりと横たわる様子に、時を忘れてぼんやりと眺めていたくなる。訪れたときにも、岸辺の小径に設置されたベンチでのんびりとくつろぐ人の姿が少なくなかった。
鴨池公園鴨池公園
鴨池公園は「新横浜・元石川線」によって二つに分断されているために、広場と雑木林からなる北東側と、池を抱える南西側と、それぞれ二つの公園が融合して一つの公園として成り立っているようにも思える。「こどもログハウス」から「まんまる広場」、そして橋を渡って鴨池の周辺は、いかにも住宅街の中の公園としての佇まいだが、北側の雑木林の中に足を踏み入れると印象は一変し、山深く野趣溢れる佇まいを見せる。近辺に暮らす人たちの憩いの場所としても、手軽な里山歩きを楽しめる場所としても、なかなか魅力的な公園であるように思える。

「こどもログハウス」以外には特に子どもたちのための遊具は設置されておらず、子どものいる家族にはその点が少し物足りないかもしれない。トイレは南西側の池の脇に備えられているのみで、少し不便を感じることもあるかもしれない。「まんまる広場」の傍らにも置いて欲しかった気がする。周辺は住宅街だが、公園を二分する「新横浜・元石川線」に降りればすぐ近くにコンビニエンスストアもあり、飲み物などの調達にも困らない。「新横浜・元石川線」を少し歩けばファミリーレストランなどもあるが、やはりお弁当を持参して「まんまる広場」や鴨池のほとりでアウトドアランチを楽しむのがお薦めだ。

鴨池の東側を通る舗道はそのまま大丸の町へと延び、「ゆうばえのみち」という名の緑道となって南へ延びている。だから鴨池公園は北側の「ささぶねのみち」と南側の「ゆうばえのみち」を繋ぐ役割を果たしている。あるいは鴨池公園の中の舗道もすでに「ゆうばえのみち」の一部であるのかもしれない。鴨池の西にはグラウンドを抱えた牛ヶ谷公園が近く、北側の「ささぶねのみち」を辿って北へ向かうと都筑中央公園へも遠くはない。緑道から近辺の公園を巡って散策の足を延ばすのも楽しい。
鴨池公園