横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市神奈川区栄町
神奈川公園
May 2002
神奈川公園
横浜市神奈川区栄町の一角、国道15号の横に神奈川公園がある。「神奈川」の名を冠する公園だが、意外にも特筆するほどの広さや設備を有するわけではない。規模としては市街地の中の標準的な公園だと言えるだろう。それにも関わらず「神奈川公園」の名が与えられているのは、この公園が昭和初期からの歴史を持っているからだ。
神奈川公園
神奈川公園は山下公園野毛山公園などとともに、関東大震災からの復興事業として整備された公園のひとつだった。復興事業を進めたのは第十代横浜市長に就任した有吉忠一で、道路の拡張・新設、学校・病院の建設などと共に公園整備も復興事業の緊急事項とされたのだという。

1927年(昭和2年)から工事は始まり、盛り土工事と埋め立てを行い、樹木を植樹し、中央には噴水のある池が設けられた。北側には鉄筋コンクリート三階建ての神奈川会館が建てられ、その中には食堂や集会室が設けられた。当時は神奈川方面では唯一の公園だったのだという。公園は1930年(昭和5年)の春に完成、公園開園式と神奈川会館の開館式、そして復興祝賀会を兼ねた式典が執り行われ、大勢の人出で賑わって公園の完成と震災からの復興を祝ったという。

戦後は米軍により接収されたが1952年(昭和27年)に接収解除され、翌年に改修して再び公園として利用されるようになる。神奈川会館は1983年(昭和58年)に老朽化のために取り壊され、今はその面影もない。
神奈川公園
神奈川の市街地の直中、国道15号脇に横たわる公園は、車の騒音に晒されてはいるが、樹木の多い緑の空間として街の喧噪からも少しだけ隔たっているようにも感じられる。その歴史の中で幾度かの改修を経てきた公園だが、2001年度にも一部改修工事が行われている。ケヤキやスダジイ、ヒマラヤスギなどの樹木は大きく育ったものが多く、公園の歴史を感じさせてくれる。桜もあり、春の景観も美しい。蘇鉄も植えられていたのが少しばかり珍しいところかもしれない。

公園の西側の一角は遊具を配した広場で、近所の子どもたちが親に連れられて遊んでいる。砂場や複合遊具などは小さな子どもたちのためのものだが、ロープによって作られたツリー状の遊具や、いわゆる「ターザンロープ」などは小学生くらいの子どもたちに人気だろうか。公園の規模と比較すれば、遊具類は充実しているのではないかと思える。
あくまで地元の人たちのための憩いの場として、子どもたちの遊び場としての公園であり、行楽地的な性格は皆無だが、木々の間を辿る散策路を歩きながらひととき公園の辿った歴史を思ってみるのもよいものかもしれない。国道15号を北へ渡れば旧東海道の宮前商店街にも近く、「神奈川宿歴史の道」の散策を兼ねて立ち寄るのもいい。トイレもあるので一休みにはよいし、公園のベンチでランチタイムを過ごすのも悪くない。
神奈川公園