約9.2ヘクタールほどの面積の園内は「フラワーゾーン」、「アグリゾーン」、「めぐみの研究棟ゾーン」の三つのエリアに分けられている。もちろん明確に分割されているわけではなく、園内の区画にそれぞれの役割が与えられているといった方が正しい。「フラワーゾーン」はバラやサクラ、クレマチス、ハナモモなど、四季折々の花々が楽しめるゾーン。「アグリゾーン」は設けられた田圃での田植えや稲刈り、畑での野菜の植え付けや収穫を体験できるゾーン。「めぐみの研究棟ゾーン」は展示室や図書室、調理室などを設けたゾーンだ。
中でも「フラワーゾーン」は園内半分ほどの面積を占め、花菜ガーデンの中心的存在だと言っていい。ほとんどの来園者のお目当ても「フラワーゾーン」で見られる花々だろう。特に「薔薇の轍」と名付けられたバラ園は見事なもので、バラの名所として広く知られるようになった。他にもハナモモなどが植えられた「春告げの小道」やムクゲやアジサイを植栽した「槿花の小径」(「槿」はムクゲのこと)、カエデの仲間が植えられた「紅葉重ねのほとり」など、さまざまな区画が設けられている。それぞれに凝ったネーミングがなされているのも楽しい。
「アグリゾーン」には畑や田圃が設けられ、野菜の植え付け、収穫、田植え、稲刈りといった農作業を体験することができる。梨や梅、柑橘類の樹木を植えた一角も設けられている。
「めぐみの研究棟ゾーン」は「ひらきの棟」と「つどいの棟」、「みのりの棟」という三棟の建物から構成されている。「ひらきの棟」にはギャラリーや図書室、体験ルームが、「つどいの棟」には会議室や講習会用の教室、実験室や工房などが設けられている。「みのりの棟」はショップとレストランを設けた建物だ。
「学ぶ」という言葉には少し堅苦しいイメージがあるが、それほど気構える必要は無い。四季の花々を楽しむことができ、農作業体験も可能な公園として気軽に利用し、その中で園芸や農業を身近に感じ、より深く知ることに繋がればいいのだ。