「お鷹の道」は国分寺崖線の南側を東西に延びる。遊歩道として整備されているのは350メートルほどだ。地図にも載らないほどの細道で、湧水を集めた小川に沿って続いている。小径の北側は崖線に沿った緑地で、「真姿の池」もその緑地内に位置している。南側は基本的に住宅街で、区間によっては家々のすぐ脇を抜けてゆくところもあるが、一帯は木々が茂って緑濃く、静かな佇まいを見せている。「真姿の池」から東側は家々の隙間を縫うように抜けてゆき、西側は周辺に緑地などが多くなるようだ。西側の一角にはベンチなどを設けた部分もあり、近くの人なのか、ベンチでお弁当を食べている人の姿もあった。
今回「お鷹の道」を訪れたのは四月の下旬だったが、小径沿いではシャガやカラーの花が咲いていた。シャガは西側で、カラーは東側で、多く見ることができるようだ。シャガはアヤメ科の植物で、四月下旬から五月上旬に薄紫の花を咲かせる。カラーはサトイモ科の植物で、四月下旬から六月頃にかけて花を咲かせる。花の形が「襟(カラー)」に似ているのでこの名があるが、実は「襟」のように見える部分は花弁ではなく、中央部の黄色い軸のようなところが花である。このカラーの花は「お鷹の道」の“名物”のひとつであるらしい。