多喜窪通りの北側に位置する「泉地区」はほぼ正方形を成した平坦な敷地で、その中央部に円形の広場を置く。その名も「円形広場」だ。「円形広場」は案内マップで見るとほぼ完全な円形で、その円周上に「ぎんなん通り」と名付けられた散策路が設けられている。「円形広場」は直径160メートル、従って「ぎんなん通り」は一周500メートルだそうだ。「円形広場」の外側にはサービスセンターをはじめ、池や休憩所などが設けられている。
「円形広場」は草はらの広場で、開放感に富んでおり、随所で樹木が枝を広げて木陰を落としてくれるのもいい。外縁部にはさらに樹木が多く、公園の外部と内部を程良く隔て、園内の穏やかな空気感を保ってくれている印象だ。イチョウ、サクラ、ユリノキ、トウカエデ、ケヤキなど、さまざまな樹木があり、桜の花期や紅葉の時期の景観も楽しめるだろう。見事なサクラの大木の姿もあって目を引くが、これらの大木は中央鉄道学園時代からのものという。今回訪れたのは四月の下旬、オオカナメモチの木が花を咲かせ、「円形広場」の中央部ではこいのぼりが揚げられ、快晴の空に泳いでいた。