横沢入の里山保全地域は48.6haほどの面積で、「東京における自然の保護と回復に関する条例」によって2006年(平成18年)に「横沢入里山保全地域及び野生動植物保護地区」として東京都の指定を受けている。その谷戸は七つの小谷戸から構成されており、小谷戸には「草堂ノ入」、「富田ノ入」、「荒田ノ入」、「宮田西沢」、「宮田東沢」などの名がある。それぞれの小谷戸の奥部からは湧水が流れを作り、それらが集まって小川となって秋川に注いでいる。谷戸には耕作地や池があり、そこではホトケドジョウやゲンジボタル、キンランやエビネなどの、今では貴重となった動植物の姿を見ることができるという。「野生動植物保護地区」であるから、もちろんそれらの採取、捕獲などは禁止されている。
谷戸には「横沢入里山保全地域及び野生動植物保護地区」の範囲を示した地図が案内図を兼ねて設けられており、これとは別に「横沢入マップ」と題した絵地図も設置されていた。この絵地図は「制作 アトリエFUKU あきる野市立増戸小学校」と記されていたから小学校の子どもたちが制作に携わっているのだろう。横沢入を散策する際にはこれらのマップを見て、横沢入の全体像を把握してからの方がいいかもしれない。谷戸の中を辿る道には随所に道標が設けられ、それぞれの小谷戸の入口には谷戸の名と簡単な説明を記した案内板も設置されており、散策に訪れた人の利便が図られている。