日南線の旅〜踏切の風景
山王踏切
山王踏切
油津駅から大堂津駅へ向かう日南線は、大堂津に着く直前、山王の集落を抜けてゆく。山王地区は猪崎鼻の北側に位置する入江で、小さな浜辺を抱えている。「山王」の名は少し内陸部に入ったところに山王神社が鎮座することに由来するのだろう。行政上の住所では「隈谷甲」なのだが、地元の人は「山王」と呼んでいる。「山王」は正しくは「さんおう」らしいが、「さんのう」と発音することが常だ。この山王地区に設けられた日南線の踏切が「山王踏切」である。山王の集落は線路によって東西に分断された形であるため、線路より東側、すなわち海側の家々の人たちにとってはなくてはならない踏切である。
山王踏切
山王踏切 山王踏切
警報機と遮断機の設けられた踏切だが、道幅は決して広くはない。ほとんど線路の東側の家々の人たちが使用するだけだからそれでよいのだろう。普段は踏切を通ってゆく人も車もなく、静かな佇まいだ。
山王踏切
山王の集落を通る日南線の線路はほぼ直線を描いて延び、踏切からもその様子がよくわかる。踏切のすぐ南側にはトンネルがあり、猪崎鼻の“根元”をくぐって、その先は大堂津の町である。山王の集落の北側で、線路は隈谷川を跨いでいる。この橋梁を西側から見ると背景には「七ツ八重」の島影が見えて興趣に富んだ風景を見せる。鉄道趣味の人たちにはよく知られた撮影スポットである。
隈谷川橋梁
INFORMATION
山王(さんおう)踏切
【所】日南市隈谷甲
このWEBページは「日南海岸散歩」内「日南線の旅」カテゴリーのコンテンツです。
ページ内の写真は2013年春に撮影したものです。本文は2014年12月に作成しました。