横浜線沿線散歩公園探訪
多摩市南野
−一本杉公園−
夏の一本杉公園
Visited in August 2023
夏の一本杉公園
多摩市南野の一本杉公園には「流れ」と名付けられた施設があり、夏になれば水遊びが可能だ。静かな公園の中に水遊びを楽しむ子どもたちの歓声が響く。園内を巡れば百日紅の花を楽しむこともできる。のんびりと身近な行楽地感覚で楽しみたい、夏の一本杉公園である。
夏の一本杉公園 一本杉公園の中央部、駐車場から入ってすぐのところに「流れ」と名付けられた施設がある。普段は殺風景な姿を晒しているが、夏になるとその名のように水が流されて子どもたちの水遊びの場として親しまれている。

公園内に設けられた水遊び施設としては規模の大きい方だと言っていい。川の流れを模したと思われる設計も楽しく、子どもたちの年齢に合わせてさまざまな遊び方ができそうだ。流れの横には木々が茂り、景観が美しいのもいい。「流れ」横の園路脇には木陰もあるから、一休みの際にも強い日差しを避けることができる。素晴らしい水遊び施設だと思える。

夏の一本杉公園 「流れ」は球場東側の園路脇、木立の中に“源流”が設けられ、山深いところの渓流を思わせる様相で木立の間を下っていく。木立の中を抜け出ると幅は少し広くなり、水の流れもゆったりとしたものになって、やがて最下流部分の池に至っている。流れの途中に適度な段差が設けられているのも楽しい。子どもたちにとっては川遊びのシミュレーションといったところか。

小さな子どもたちには最下流部の池が人気のようだが、小学生くらいになれば“探検”気分で上流側へとさかのぼってみるのも楽しいだろう。子どもの年齢や興味に合わせて遊べるのは嬉しい。
夏の一本杉公園 「流れ」の横から園路を少し北側に行った辺り、園路脇に百日紅の木が並んでいる。寺の植栽や街路樹などで見る一般的な百日紅とは違って、他の木々に負けまいとするかのように上へ上へと枝を伸ばし、その高みで花を咲かせている。そのために漫然と歩いていると見落としてしまいかねない。

園路から上を見上げると、上へと伸ばした枝の先で花を咲かせる百日紅を見つけることができる。樹木としての生命力を感じさせる、野趣溢れる姿だ。間近に花を楽しめないのが少し残念だが、このような百日紅もとても魅力的だ。

夏の一本杉公園 「流れ」の最下流部横から一本杉公園通りをくぐって公園南東側の区域へと歩を進めると、梅林や古民家などのあるエリアだ。梅林の南側に「観察園」と名付けられた畑が設けられている。「一本杉公園みどりの会」が保全管理をされている畑だ。この畑の横手で百日紅が花を咲かせている。

幹が細いところを見ると、まだ若木なのかもしれない。こちらの百日紅は周囲に他の木々がないからか、大らかに枝を広げ、その枝先にピンクの花を咲かせている。夏の日差しを浴びた百日紅が美しい。やはり目の高さで花を眺めることができるのは嬉しい。
夏の一本杉公園
夏の一本杉公園は、子どものいるファミリーには身近な行楽地感覚で楽しめる場所だろう。お弁当を持って、家族で出かけるといい。「流れ」が水遊び施設として運用されるのは、基本的に子どもたちの夏休みに合わせて七月下旬から八月にかけての期間のみだ。途中、清掃などのために運用が休止されることもあるから、出かける際には公式サイト(頁末「関連する外部ウェブサイト」欄のリンク先)等で確かめた方がいい。

散策目的で訪れるには少し物足りないが、蝉の声を聴きながら百日紅の花を楽しむのもいいものである。
夏の一本杉公園
夏の一本杉公園
夏の一本杉公園