横浜市中区山手町
−港の見える丘公園−
紫陽花の咲く港の見える丘公園
Visited in June 2018
港の見える丘公園はバラの名所として名高い。初夏の陽光を浴びて咲く色とりどりのバラが園内を彩る景観はたいへんに美しい。六月も半ばになればバラの見頃も過ぎるが、今度はバラに代わって紫陽花が園内を彩る。洋風庭園の雰囲気漂う公園に紫陽花が咲く景観もなかなか興趣のあるものだ。
港の見える丘公園には特に「紫陽花園」のような場所は設けられていない。港の見える丘公園の紫陽花はあちこちの園路脇に植えられており、のんびりと園内を巡っていると、随所で紫陽花の咲く風景に出会う。
横浜市イギリス館の周辺では東側の沈床花壇との間の園路脇に紫陽花が植えられている。西洋アジサイが多いがガクアジサイもあり、カシワバアジサイの姿もある。場所によっては紫陽花の花の向こうにベイブリッジが見えたり、あるいは大佛次郎記念館の建物が見えたりする。その構図がなかなかフォトジェニックだ。横浜市イギリス館前にはアナベルが植えられた一角があり、こちらは横浜市イギリス館の建物を背景に見る構図が素敵だ。
山手111番館下から霧笛橋へと向かう園路脇にも紫陽花が植えられている。ちょうど大佛次郎記念館の裏手に当たるところで、園路脇の斜面を彩る紫陽花が美しい。うまく場所を選べば紫陽花の花の向こうに霧笛橋の姿を見るような構図も見つけることができるだろう。霧笛橋の上から紫陽花の咲く風景を見下ろすのも、なかなか悪くない。それほど数は多くないが、港の見える丘公園に於ける“紫陽花の穴場”的なスポットだと言うことができるだろう。
港の見える丘公園で紫陽花を見るなら、フランス山へも足を運んでおきたい。フランス山の中を抜けて辿る園路脇には随所に紫陽花が植栽されており、あちこちで美しい紫陽花を見ることができる。西洋アジサイからガクアジサイ、アナベルなど、さまざまな紫陽花が取り混ぜて植えられており、バラエティに富んでいるのもいい。決して“辺り一面を埋め尽くすような”規模ではないが、緑濃いフランス山が梅雨の季節の色彩を纏って味わい深い。
六月になればバラも見頃を過ぎるが、それでも場所によってはまだまだ美しく咲いているものを見つけることができるかもしれない。沈床花壇には紫陽花は植えられていない(2018年現在)ようだが、ユリの花を見つけることができる。その他にも園内ではこの季節ならではの花々を見ることができる。併せて楽しんでおきたい。
港の見える丘公園の紫陽花は、どちらかと言えば“脇役”的な印象で、“紫陽花の名所”と呼べるほどの規模ではない。しかしバラが見頃を過ぎた園内を彩り、公園を美しく演出してくれる。六月の港の見える丘公園、紫陽花の咲く風景を探しながらのんびりと園内の散策を楽しむのがお勧めだ。