相模原市下溝〜麻溝台
−相模原公園−
百日紅の咲く相模原公園
Visited in August 2023

八月半ば、暦の上では秋だが、厳しい残暑の続く季節だ。相模原公園は強い日差しの下で緑濃く、その中に百日紅が夏の色彩を添える。特に百日紅の名所として知られる公園ではないが、緑濃い園内の随所で百日紅を見つけることができる。

数は少ないが、樹高もほどよく、他の木々に遮られていないので観賞しやすいのが嬉しい。青い夏空を背景に見上げれば、百日紅の魅力を堪能できる。公園に植栽された百日紅として一般的な姿だろう。

観賞するにも写真を撮るにもほぼ真上を見上げなくてはならないが、“園芸”とは無縁の、樹木としての百日紅の野趣溢れる姿を楽しむことができる。青い空と白い雲を背景に、百日紅の紅色と木々の葉の緑が鮮やかな色彩のコントラストを見せる。季節を象徴する景観と言っていい。

同じ園路脇、少し東側へ行くと白い花を咲かせる百日紅がある。こちらの百日紅は園路脇の他の樹木と競うように枝を上へ上へと伸ばし、その高みに花を咲かせている。木々の緑を背景に、白い花がよく目立って美しい。

管理事務所脇から南へ辿って水無月橋を渡れば、花菖蒲の名所として知られる「水無月園」だ。水無月園の東側外縁部に茂る木々の中にも百日紅がある。他の木々の中から顔を覗かせるように花を咲かせる百日紅の姿に、何となく可愛らしさを感じてしまう。「ちょっと私も日を浴びたいから場所空けてくれる?」と百日紅が言っているようである。

噴き上がる水は一瞬も同じ姿を留めることなく、絶えず表情が変わり続けていく。ただそれだけだが、眺めていると飽きることがない。厳しい残暑の続く季節、ひととき何も考えずに噴水を眺めて過ごすのも一興かもしれない。

八月、まだまだ暑さは厳しく、散策に向く季節とは言い難いが、ゆったりと園内を巡り、強い日差しを浴びて咲く百日紅を楽しむのもいいものだ。この季節、ナツツバキやコノテガシワの実を見つけることもできる。体調に気をつけて、無理せず夏の公園散歩を楽しみたい。



