相模原市大島
彼岸花の咲く相模川自然の村
Visited in September 2023

相模原市大島の相模川河岸、「上大島キャンプ場」や「相模川自然の村公園」などを設けた「相模川自然の村」は、身近な行楽地として人気を集めている。桜の名所としても知られているが、初秋には彼岸花が川辺を彩り、写真趣味の人たちなどが多く訪れる。彼岸花が咲き始めた九月の下旬、「相模川自然の村」を訪ねた。

散策路からは木立の向こうに相模川の流れが見え隠れし、のんびりとした初秋の散策を楽しむことができる。カメラを携えて訪れた人の姿もちらほらとあるが、桜の頃のように賑わうわけではなく、静かなひとときを過ごすことができるのが嬉しい。

「諏訪森下橋」の袂、南側には小公園のような緑地スペースが設けられているのだが、ここに数多くの彼岸花が咲いている。彼岸花は特に道路横の斜面に密集して咲いており、たいへんに美しい景観を見せる。下の方から見上げれば彼岸花の背景に秋空が広がる。この季節ならではの、美しい風景だ。

その中に、真ん丸の頭に「へのへのもへじ」で顔を描き(正確には「へのへのもへ」までしか描かれていないが)、帽子を被せた案山子があった。やはりこれが案山子の王道か。単なる「へのへのもへじ」なのに妙に愛嬌のある表情なのが楽しい。

青柳寺庫裡の横を通る散策路脇、ナツメの木にたくさんの実がついていた。ナツメはクロウメモドキ科の落葉樹、古い時代に中国から渡来した樹木らしい。夏に芽がでるので「夏芽(棗)」の名がある。6月頃に花を咲かせ、9〜11月にかけて実をつける。熟した実は古くから食用にされてきた。栄養豊富で薬効もあるようである。

初秋の「相模川自然の村」は彼岸花の名所と言っても差し支えないだろう。特に「諏訪森下」の田園風景の中に咲く彼岸花はとても良い風情があり、景観としても美しく、初秋の散策路としてお薦めだ。この時期、相模川の鮎釣りの解禁期間もそろそろ終わりに近づいている。相模川には鮎釣りを楽しむ人たちの姿が少なくなかった。



