相模原市大島
桜咲く相模川自然の村
Visited in April 2024

相模原市大島の相模川河岸は一帯が「相模川自然の村」として整備され、「上大島キャンプ場」や「相模川自然の村公園」などを置き、行楽シーズンにはバーベキューを楽しむグループや家族連れで賑わうところだ。桜の名所としても知られ、桜の季節にはお花見の人が大勢訪れて、これもまたたいへんな賑わいを見せる。桜が満開となった四月上旬、「相模川自然の村」を訪ねた。

桜を眺めながらのんびりと散策を楽しむのももちろん良いものだが、上大島キャンプ場は桜の下にゆったりと腰を落ち着けてお花見を楽しむのに相応しい場所だと言えるかもしれない。

その横をのんびりと散策を楽しむ人たちの姿がある。中央辺りの道脇には露店もいくつか並び、まさに「お祭り」のような賑わいだ。

この辺りでは河岸は北西から南東に向かって延びており、お昼前後の時間帯では桜の並木が川側から日差しを受けることになる。河岸の舗道を歩きながら眺めれば日差しを浴びた桜が青空を背景に輝くように映える。その景観を眺めながらの散策は、河岸の開放感も手伝って爽快な気分が味わえる。

遊歩道を歩きながら東側から見れば、陰になった対岸の山肌を背景にして桜が逆光に浮かび、その向こうで相模川の水面がきらきらと日差しを弾く。順光を浴びて輝く桜はもちろん素晴らしいものだが、逆光に浮かぶ桜も興趣に富んでたいへんに美しい。

諏訪森下橋を渡った先、橋の袂付近の道脇に桜が咲いている。数はほんの数本程度だが、長閑な風景の中に咲く姿が興趣に富んでいる。橋から左手(南側)に進むと道脇にちょっとした緑地スペースがあるが、ここにも桜が咲いている。なかなか見事な枝振りで、美しい姿を見せている。

こちら側から見れば、日差しは斜光気味の逆光、背後の山肌は陰になって、それを背景に日を浴びた桜が鮮やかに浮かび上がる。“諏訪森下の一本桜”とでも名付けたくなるような、見事な景観だ。場所を変えれば背景の見え方も変わり、さまざまに情趣に富んだ桜景色を楽しむことができる。さまざまに構図を変えながら写真を撮るのも楽しい。

近寄ってみれば、それほどの“大木”というわけではない。しかし、周囲に他の木々がなく一本だけが立っているため、邪魔されること無く自由に周囲に枝を伸ばし、こんもりと大らかな姿に育っている。その姿がまさに満開の花に彩られている。堰の管理施設との取り合わせも良い風情だ。見事な桜だと言っていいが、ほとんど見る来る人もいないようだ。“知る人ぞ知る”的な景観だというのも楽しい。

この辺りはお花見の人の姿もほとんどなく、ひっそりと静かな空気感が魅力だ。

この眺望が、この季節は桜色に染まる。相模川と桜との取り合わせが風趣に富んだ景観を見せる。桜の季節に相模川自然の村を訪れたら、ぜひこの眺望を楽しんでおきたい。

規模の点でも景観の美しさでも、春の上大島キャンプ場周辺は花見の名所と言っていい。相模川河畔という立地は開放感もあり、自然豊かな周囲の景観と桜の組み合わせは素晴らしいものだ。家族連れや友人同士で、お弁当を持って、あるいはバーベキューの準備を整えて訪れると楽しめるだろう。散策好きの人なら諏訪森下まで足を延ばしてみるのもお勧めだ。平日に訪れたときにもずいぶん賑わっていたから、桜が満開の時期の週末にはかなりの人出があるに違いない。駐車場は比較的余裕があるが、そのようなときには足りなくなるかもしれない。余裕を持って出かけたい。




