横浜市西区〜中区
冬の夜の横浜2000
Visited in December 2000
(本頁の内容には現況と異なる部分があります)
クリスマスムードも高まりつつある12月初め、横浜を訪ねた。まず元町を歩き、山下公園通りへと歩を進め、それから新港地区、みなとみらい地区へと足を延ばしてみよう。
クリスマスを待つ時期の山下公園通りも夕刻から夜にかけての散策がお勧めだ。通り沿いに並ぶ建物もクリスマスの飾り付けを施しているところが多く、大がかりなイルミネーションやウインドウの中に飾られた小物を眺めながらの散策は楽しい。
山下公園周辺のクリスマスイルミネーションでもっとも有名なのは氷川丸のクリスマスツリーだろう。高さ35メートルのメインポストにクリスマスツリーを象ったイルミネーションが付けられ、氷川丸のライトアップをさらに美しく見せている。約1,700個の電球が使われているのだそうで、すっかりこの時期の横浜港の名物となった観がある。今年は「2000」の文字がひときわ輝いているようにも見えた。クリスマスの飾り付けを施した客室も用意されているらしく、のんびりと船上のクリスマスの雰囲気を味わうのもよいものだろう。ライトアップされた氷川丸は少しばかり遠景に見るのも美しく、大桟橋の付近から眺めてみるのもお勧めだ。
山下公園通り沿いではマリンタワーのビッグサンタが今年もお目見えしていた。これもすっかりクリスマスの時期の名物になったようだ。通りを隔てて三脚を据えてカメラのレンズを向ける人の姿もあった。 ホテルニューグランドも毎年お洒落な飾り付けで楽しませてくれる。あまり大がかりなイルミネーションなどは無いのだが、ウインドウの中の飾り付けや窓際を飾る電球など、抑制の利いた飾り付けが上品な印象だ。 クリスマスの飾り付けを楽しみながらの散策の後は、通り沿いのお店でしばらくゆったりと時を過ごすのもよいかもしれない。
桜木町駅から汽車道を経てワールドポーターズの付近へと向かうルートは対岸のみなとみらい地区の景観が美しく、特にその夜景は水面に反射する光も加わっていっそう素晴らしい。クリスマスも近くなればクリスマスイルミネーションも景観に華を添え、夜の散策が楽しい時期だ。
ワールドポーターズは今年も華やかなクリスマスイルミネーションで散策の目を楽しませてくれる。特に運河パークに面したゲートはきらびやかなイルミネーションで飾られ、光の織りなす景観はひときわ目を引く。ワールドポーターズは今年で二度目のクリスマスだが、そのイルミネーションは昨年よりいっそう素晴らしいものになっている印象だ。 ゲート正面には昨年はイルミネーションで象られた鐘があったが、今年は光の帯の上に赤く「Merry Christmas」の文字が輝いている。通路の天井も光に覆われて幻想的な雰囲気だ。建物の上部には星が輝き、その両側にはイルミネーションで造られたリボンが飾られている。建物全体がひとつのクリスマスプレゼントだという趣向だろうか。国際橋側のゲートにも上部にクリスマスツリーと光でできたトナカイが飾られている。 ワールドポーターズではクリスマスにあわせてさまざまなイベントも予定されているようだ。ショッピングを兼ねてクリスマスの雰囲気を味わいに出かけてみるのも楽しいだろう。
ランドマークプラザやクイーンズスクエアのクリスマスイルミネーションも年末の横浜の風物として定着したように思える。
クイーンズモール2Fには高さ12メートルというクリスマスツリーが飾られている。2万個の電球に飾られ、毎正時にはパイプオルガンの演奏に合わせてイルミネーションが変化するという趣向だ。ツリーが歌っているように見えるというので、「シンギングツリー」と名付けられている。ツリーの前では記念撮影をする人の姿も少なくないが、ツリーがあまりに高く、全景を写真に収めるのにちょっと苦労する。 クイーンズモールから外へ出るとクイーンズパークの木々が今年もイルミネーションを施されて輝いている。3万個の電球が使われているそうでなかなか美しいが、基本的に昨年とあまりかわらないのがちょっと残念なところだ。
ランドマークプラザの吹き抜けのスペースには毎年華やかなイルミネーションが飾られる。週末にはコンサートなどのイベントも開催され、そのフィナーレには雪が降り注ぐという趣向で有名だ。吹き抜けのスペースの天井から下がるイルミネーションは、昨年はクリスマスツリーとトナカイに引かれたそりを象った繊細な印象のものだったが、今年はかなり絢爛な印象のオブジェだ。個人的には昨年のものの方が好きだが、「見栄え」という点では今年のものの方が上かもしれない。
ドックヤードガーデンの今年のクリスマスイルミネーションは「Labyrinth Grove」と名付けられたもので、もみの木とポインセチアの植えられたボックスが「ラビリンス」の名の通り、迷路状に並べられている。それらのそれぞれに電球が設置され、電球の総数は今年も約3万個を数える。電球は赤と白とがあり、赤い電球は常時点灯して上部から見ると巨大なクリスマスツリーを形作っている。その隙間を埋めるように白い電球が明滅し、幻想的な世界を造り出している。惜しいのは赤い電球の光量があまり大きくなく、全体的な印象が少しばかり地味になってしまったことだろうか。しかしイルミネーションの直中に立てば、赤い電球だけが点った時のちょっと薄暗い印象と、白い電球も点った時の華やかな印象とのコントラストが幻惑的で、なかなか楽しいものだった。
この季節の横浜を歩くと大がかりなイルミネーションにばかり目が行ってしまうが、お店の飾り付けや商品として並べられているクリスマスグッズなども楽しい。やはりカップルや家族連れなどで、お店を覗きながらのんびりと散策を楽しむのがお薦めと言えるだろう。
【追記】
氷川丸とマリンタワーは氷川丸マリンタワー株式会社が45年間に渡って運営してきたが、2006年12月25日で営業を終了、同社も2006年12月31日付けで解散となった。その後、マリンタワーは横浜市へ、氷川丸は日本郵船株式会社へ、それぞれ譲渡され、氷川丸は2008年4月25日に、マリンタワーは2009年5月23日にリニューアルオープンを迎えている。