横浜線沿線散歩公園探訪
八王子市台町
富士森公園
November 1999
現況と異なる内容を含んでいます
富士森公園
富士森公園は八王子市の公園で最も古く、そしておそらく最も有名な公園だろう。開園は明治29年のことだという。このあたりは台町という住所からも推察できるように緩やかな丘陵を成しており、古くから「富士森の丘」と呼ばれていたといい、それが公園の名の由来となっている。
富士森公園
富士森公園は規模も大きく、園内には陸上競技場や野球場、体育館、市民プール、テニスコートなどが併設されている。夏には市民プールに子どもたちの歓声が響き、秋の運動会シーズンには陸上競技場で近隣の学校や町内会などの運動会が開催されて賑わう。野球場は高校野球の地区予選が行われることでも知られている。

各種運動施設の利用だけでなく、四季折々に市民を楽しませてくれる公園でもある。春の桜は古くから有名で、八王子屈指の桜の名所と言ってよく、市内だけでなく近隣からも多くの花見客が訪れて賑わう。夏になれば花火大会の会場となって多くの見物客が詰めかけ、また公園の北側にある浅間神社では例祭である「だんご祭り」も催されて夏の夜を彩ってくれる。秋は園内の林の紅葉が美しく、特に浅間神社の傍らのイチョウなどは見事なものだ。モミジの木は目立たないながら公園の北側の外周に沿った舗道脇に植えられていて、晩秋から初冬にかけて美しい色に染まって道行く人の目を楽しませてくれる。
富士森公園
公園はかなりの面積があるのだが、各種の運動施設で大部分を占められているためか、それほど広大な公園とは感じられない。公園は緩やかな北向きの斜面に位置しており、北側に陸上競技場、プール、児童遊園、テニスコートなどがあり、南側部分には体育館、野球場、浅間神社などが位置している。それらの運動施設を除けば、園内はほぼ林で占められ、芝生の広場のようなものはない。林の木立はどれも大きく公園の歴史を感じさせる。

野球場の北、体育館の横あたりには戦没者慰霊塔があり、その一角は花壇が整備されて季節ごとに花々が目を楽しませてくれる。その一角の北の端、野球場を見下ろす位置には藤棚があって、地元の人たちの間では藤の花の見事さはよく知られている。公園のほぼ西北側、市民プールの横には、砂場や各種の遊具の置かれた富士森児童遊園があり、近所のお母さんたちが小さな子どもたちを連れてきて賑わっている。
富士森公園はその歴史が古いためか、公園としての在り方自体に多少古くささを感じさせる部分もあるが、そこがまた考え方を変えれば真新しい公園には無い趣を感じさせるところでもある。産業祭りやフリーマーケットなど、さまざまなイベントの会場となる公園でもあり、名実ともに八王子市を代表する公園と言ってよいだろう。また、富士森公園の近辺には広園寺や信松院といった有名な寺院もある。足を延ばして訪ねてみるのもよいだろう。

体育館横と、野球場とプールの間に、それぞれの施設利用者のための駐車場が用意されており、また花見の時期や各種イベント開催時には臨時駐車場も解放されるが、それでも駐車スペースは足りないようで、周囲の道路に路上駐車の列が並ぶことも少なくない。花見の時期などに訪れる際にはバスを利用するのが賢明だろう。
追記 富士森公園の市民プールは老朽化と利用者減少のため、2004年9月5日を最後に閉鎖された。跡地にはフットサルコートが整備され、2006年3月25日にオープンしている。八王子市では公園内に初めて設けられた民設民営の施設であるという。
富士森公園