横浜線沿線散歩公園探訪
八王子市南大沢
南大沢中郷公園
Visited in August 2021
南大沢中郷公園
京王線相模原線南大沢駅のすぐ南側に「南大沢中郷公園」という公園がある。公園は南北に細長く、「憩いの広場」、「石の広場」、「草の広場」の三つのエリアから構成された形だ。小さな公園のような印象を受けるが、1.5haほどの面積を有し、「近隣公園」に分類される、比較的規模の大きな公園である。
南大沢中郷公園
駅前から道路を渡ったところには円形のモチーフでタイルを敷き詰めた広場があり、「憩いの広場」の名が付けられている。駅前に近いこともあり、公園の一部でありつつ“駅前広場”の役割も担っていると言っていい。

広場の東側には孤を描いて石壁風の施設がある。本来は上部から水が流され、下部には池が設けられていた施設だが、この施設に水が流れなくなって久しい。排水を処理した「中水」を使用した施設だったのだが、設備の調子が悪く、また漏水もあるために運転を中止されている状態らしい。

「憩いの広場」から南へ緩やかな石段を上がって「石の広場」だ。「憩いの広場」の延長のようにほぼ一体化した印象で「草の広場」へと繋いでいる。

南大沢中郷公園
公園南側のほぼ半分を占めているのが「草の広場」だ。緩やかなスロープを描く草はらの広場で、ところどころ樹木が立って木陰を落とし、ベンチも置かれている。ベンチに腰を落としてのんびりと時を過ごす人の姿を見ることも少なくない。広場の北寄りの一角には巨大な石のオブジェが置かれており、印象的な景観を見せている。

「草の広場」の両脇には舗道が辿り、南端部では中郷歩道橋がカツラ並木の美しい道路を跨いで南大沢三丁目〜四丁目の街へと繋いでいる。普段はその街に暮らす人たちが駅との行き来に、この公園の横を抜けてゆく。
南大沢中郷公園
公園内には百日紅が植えられており、例年、夏になると美しい花を咲かせる。百日紅はその名が示すように七月末から十月初め頃までの長い期間、花を見ることができるが、八月中旬から下旬にかけての頃が花数も多く、夏の光を浴びた姿も美しく、いちばんの見頃だろう。

南大沢中郷公園の百日紅は数は少なく、百日紅の花を目当てに訪れると少し期待外れな思いをするかもしれないが、夏に公園を訪れる機会があれば百日紅を探してみるといい。
南大沢中郷公園
南大沢中郷公園は“公園”としての存在感は薄く、“駅前広場”や広い舗道としての印象も強い。公園巡りの好きな人なら南大沢駅周辺に訪れた際に立ち寄ってみるといい。南大沢中郷公園から中郷歩道橋から南大沢三丁目〜四丁目の街へと散策の足を延ばし、点在する公園などを巡ってみるのも楽しい。
南大沢中郷公園