横浜市神奈川区三ツ沢西町
三ツ沢公園
Visited in April 2004
(本頁の内容には現況と異なる部分があります)
横浜市神奈川区の西端、三ツ沢西町の丘の上に各種競技場やテニスコートなどが集まった一角がある。一帯は周辺の緑地なども含めて「三ツ沢公園」として整備されているが、「公園」としてより、今はJリーグの試合会場として知る人も多いかもしれない。競技場やテニスコートをメインに据えた運動公園ではのんびりと散策を楽しむには不向きなことが少なくないのだが、この三ツ沢公園は意外にそうでもなく、周辺部の緑地などを巡って散策するのもなかなか楽しめる。
三ツ沢公園のメインエントランスと呼べるのは、やはり「三ツ沢総合グラウンド入口」バス停付近だろう。片側3車線の広い「新横浜通り」が抜けており、バス停付近は交差点になっている。三ツ沢公園はこの「新横浜通り」で南北に二分される形になっており、南側で球技場や陸上競技場、テニスコートを抱え、北側にはバレーコートや馬術練習場、戦没者慰霊塔などが置かれている。南側と北側とはバス停近くの歩道橋によって結ばれている。歩道橋からは一段低くなったテニスコートがよく見える。また南側に目を向けると、建ち並ぶビルの向こうにランドマークタワーの上部が見える。
まず「新横浜通り」の南側の部分へと歩を進めてみよう。バス停近くの「メインエントランス」から、西へ広いプロムナードが延びている。左手(南側)には野球場が、その東側には道路で隔てられて平沼記念体育館がある。戦後に横浜市長を務め、横浜の復興に尽力した平沼亮三氏が、アマチュアスポーツの振興にも深く貢献したことから、その名を冠した体育館を建設し、功績を讃えたものという。野球場の脇には、「横浜市基準水準点」というものがあった。横浜市内の高さの基準となるもので、東京湾平均海水面上47.76m、東経139°36′32.93″、北緯35°28′0.25″であるそうだ。
野球場を左に見ながらプロムナードを進む。右手は木立の向こうに少し低地となってテニスコートがある。このプロムナードがなかなか美しい。わずかな起伏を伴って緩やかに曲がってゆく。道脇の樹木は新緑に輝き、野球場脇の花壇ではチューリップが咲いて彩りを添える。運動公園の中の単なる通路と呼ぶには惜しいような佇まいだ。テニスラケットを小脇に抱えて歩きすぎるグループや、ベビーカーを押しながら歩く若いお母さん、散策途中のようなお年寄り、さまざまな人がこの通路を行き交っている。
やがて左手には球技場を、右手には補助運動場を見ながら進むと、正面には陸上競技場が見えてくる。球技場と陸上競技場、補助運動場に囲まれたこの一角が三ツ沢公園のほぼ中央と言ってよく、広場のように造られて隅にはベンチなども置かれている。陸上競技場と補助運動場の間を北へ進むと第一レストハウスがある。第一レストハウスは更衣室やシャワー室、会議室などを備え、一階にはレストランもあるから食事も可能だ。レストランには売店もあり、弁当なども販売している。第一レストハウスの二階は北部公園緑地事務所だ。
第一レストハウスの横から陸上競技場の北側へ回り込むように進むと、「青少年野外活動センター」がある。その名が示すように青少年のための野外活動施設で、野外炊事やキャンプファイヤーといった野外活動を行っている。利用には事前の申し込みが必要で、一般の公園利用者は使用できない。「青少年野外活動センター」の横手に広がる林が桜山という一角で、桜の名所として知られている。桜の林の中を散策路が辿り、すでに花期を過ぎた四月の下旬では新緑の中に木洩れ日が揺れている。運動公園としての三ツ沢公園の中にあって、この一角だけは緑濃く、のんびりとくつろいだ表情を見せる。
桜山をさらに北へ入り込むと池や水路を配した一角があり、穏やかな佇まいを見せている。随所に置かれたベンチに腰を下ろしてくつろぐ人の姿もあり、ここでお弁当を広げてランチタイムのひとときを過ごす人もある。すぐ北側を「新横浜通り」と首都高神奈川2号三ツ沢線が通っているために、そこを通行する車の音が大きく響いているのが少々難点だが、逆に周囲がそのような環境だからこそ、こうした緑濃い一角の存在は貴重だと言えるかもしれない。
桜山から東へ回ると、フェンスで囲まれた更地の広場がある。「自由広場」と名がある。訪れたときには広場に人の姿はなかった。「自由広場」の横をさらに東へ辿るとテニスコートがある。テニスコートは二カ所設けられ、その間に第二レストハウスがある。第二レストハウスは主にテニスコート利用者のための施設のようだ。テニスコートと補助運動場の間を辿って南へ進むと、競技場横へと抜け出て、園内の主要部分をほぼ一周した形だ。
野球場を左に見ながらプロムナードを進む。右手は木立の向こうに少し低地となってテニスコートがある。このプロムナードがなかなか美しい。わずかな起伏を伴って緩やかに曲がってゆく。道脇の樹木は新緑に輝き、野球場脇の花壇ではチューリップが咲いて彩りを添える。運動公園の中の単なる通路と呼ぶには惜しいような佇まいだ。テニスラケットを小脇に抱えて歩きすぎるグループや、ベビーカーを押しながら歩く若いお母さん、散策途中のようなお年寄り、さまざまな人がこの通路を行き交っている。
やがて左手には球技場を、右手には補助運動場を見ながら進むと、正面には陸上競技場が見えてくる。球技場と陸上競技場、補助運動場に囲まれたこの一角が三ツ沢公園のほぼ中央と言ってよく、広場のように造られて隅にはベンチなども置かれている。陸上競技場と補助運動場の間を北へ進むと第一レストハウスがある。第一レストハウスは更衣室やシャワー室、会議室などを備え、一階にはレストランもあるから食事も可能だ。レストランには売店もあり、弁当なども販売している。第一レストハウスの二階は北部公園緑地事務所だ。
第一レストハウスの横から陸上競技場の北側へ回り込むように進むと、「青少年野外活動センター」がある。その名が示すように青少年のための野外活動施設で、野外炊事やキャンプファイヤーといった野外活動を行っている。利用には事前の申し込みが必要で、一般の公園利用者は使用できない。「青少年野外活動センター」の横手に広がる林が桜山という一角で、桜の名所として知られている。桜の林の中を散策路が辿り、すでに花期を過ぎた四月の下旬では新緑の中に木洩れ日が揺れている。運動公園としての三ツ沢公園の中にあって、この一角だけは緑濃く、のんびりとくつろいだ表情を見せる。
桜山をさらに北へ入り込むと池や水路を配した一角があり、穏やかな佇まいを見せている。随所に置かれたベンチに腰を下ろしてくつろぐ人の姿もあり、ここでお弁当を広げてランチタイムのひとときを過ごす人もある。すぐ北側を「新横浜通り」と首都高神奈川2号三ツ沢線が通っているために、そこを通行する車の音が大きく響いているのが少々難点だが、逆に周囲がそのような環境だからこそ、こうした緑濃い一角の存在は貴重だと言えるかもしれない。
桜山から東へ回ると、フェンスで囲まれた更地の広場がある。「自由広場」と名がある。訪れたときには広場に人の姿はなかった。「自由広場」の横をさらに東へ辿るとテニスコートがある。テニスコートは二カ所設けられ、その間に第二レストハウスがある。第二レストハウスは主にテニスコート利用者のための施設のようだ。テニスコートと補助運動場の間を辿って南へ進むと、競技場横へと抜け出て、園内の主要部分をほぼ一周した形だ。
球技場と陸上競技場との間に第一駐車場があるのだが、その駐車場入口付近から道路を隔てて南側に緑地があり、斜面林の中を散策路が辿っている。この緑地も三ツ沢公園の一部であるようだ。散策路は斜面の中ほどを辿って木立の中を抜けてゆく。途中には八重桜が咲く場所もあって、ほとんど散ってしまった花弁によって地面が白く染まっていた。散策路の随所にはベンチも設けられている。近所の人なのか、散策を楽しむ人の姿もあった。
散策路を西へ辿ってゆくと、斜面を降りる道路によって分断されているがさらにその向こうにも緑地が続いている。道路脇には広場もあり、ブランコや滑り台などを設けた一角もあったが、子どもたちの遊ぶ姿はなかった。少し荒れた印象もあり、普段からあまり利用されていないのかもしれない。尾根を越える形でさらに道路を越えてゆくと、そちらにも広場があった。広場は西向きの斜面に上下二段に設けられており、シーソーや滑り台、ブランコ、鉄棒といった遊具が置かれ、トイレも設置されている。訪れた時には人の姿はなかったが、普段は近所の子どもたちの遊び場になっているのだろう。
第一駐車場入口付近から陸上競技場の南側にかけて広がるこの斜面林の緑地は、三ツ沢公園の一部を成しているらしいが、この一角だけで独立したひとつの小公園のような佇まいを見せる。三ツ沢公園自体は運動施設を中心にした運動公園であるから、雑木林の中の散策などを楽しみたい人にはこの斜面林の中を辿る散策路は魅力的なものに違いない。
散策路を西へ辿ってゆくと、斜面を降りる道路によって分断されているがさらにその向こうにも緑地が続いている。道路脇には広場もあり、ブランコや滑り台などを設けた一角もあったが、子どもたちの遊ぶ姿はなかった。少し荒れた印象もあり、普段からあまり利用されていないのかもしれない。尾根を越える形でさらに道路を越えてゆくと、そちらにも広場があった。広場は西向きの斜面に上下二段に設けられており、シーソーや滑り台、ブランコ、鉄棒といった遊具が置かれ、トイレも設置されている。訪れた時には人の姿はなかったが、普段は近所の子どもたちの遊び場になっているのだろう。
第一駐車場入口付近から陸上競技場の南側にかけて広がるこの斜面林の緑地は、三ツ沢公園の一部を成しているらしいが、この一角だけで独立したひとつの小公園のような佇まいを見せる。三ツ沢公園自体は運動施設を中心にした運動公園であるから、雑木林の中の散策などを楽しみたい人にはこの斜面林の中を辿る散策路は魅力的なものに違いない。
「三ツ沢総合グラウンド入口」バス停の付近から、歩道橋を渡って「新横浜通り」を越えると、三ツ沢公園の北東側の一角がある。道路脇に第三駐車場があり、規模は小さいながらテニスとバレー用のコートが置かれている。そのコートの西側には相撲場と馬術練習場があると案内板には記されているが、訪れたときにはちょうど改良工事中だった。
この一角の奥まったところに横浜市戦没者慰霊塔がある。開放感のある広場を前にして立つ慰霊塔の姿はなかなか印象的だ。横浜市戦没者慰霊塔も三ツ沢公園とは別に「神奈川区ビューポイント36景」のひとつに名を連ねている。戦没者慰霊塔の右手にはちょっとした林があり、その中に遊具の置かれた広場もあった。
そこからさらに北へ道路を隔てて、北向きの斜面を利用した小公園のようなスペースがあった。開放感のある斜面にうまく木立が配され、斜面を利用してローラースライダーが設置されている。このローラースライダーはなかなか長く、途中でループを描きながら斜面を降りる。また斜面途中には「ターザンロープ」も設置されており、子どもたちの遊び場として魅力的なもののように思える。斜面を北に降りると広場があり、複合遊具が設置され、近所の人たちなのだろうか、小さな子どもたちを遊ばせる若いお母さんたちの姿があった。
この一角は最近になって整備されたもののようで、新しく造られた公園のような印象がある。おそらくここも三ツ沢公園の一部という位置づけなのだと思うが、トイレも設置されており、この一角だけで充分にひとつの小公園として成立する。斜面の南側が高みとなっており、展望所のような四阿が設けられている。そこからは北側に眺望が開け、眼下に北方の街並みを一望する。吹き渡る風も爽快で、なかなか魅力的な場所だ。
その一角の東側には木々が鬱蒼と茂っているが、そこは「豊顕寺市民の森」で、寺林を一般に開放して市民の憩いの場となっているものだ。雑木林の中を散策路が辿り、春の桜や秋の紅葉などが美しいという。「豊顕寺市民の森」の北側には「三ツ沢せせらぎ緑道」が東西に延びている。三ツ沢公園から「豊顕寺市民の森」、さらに「三ツ沢せせらぎ緑道」なども併せて散策を楽しむとさらに魅力が増すように思える。
この一角の奥まったところに横浜市戦没者慰霊塔がある。開放感のある広場を前にして立つ慰霊塔の姿はなかなか印象的だ。横浜市戦没者慰霊塔も三ツ沢公園とは別に「神奈川区ビューポイント36景」のひとつに名を連ねている。戦没者慰霊塔の右手にはちょっとした林があり、その中に遊具の置かれた広場もあった。
そこからさらに北へ道路を隔てて、北向きの斜面を利用した小公園のようなスペースがあった。開放感のある斜面にうまく木立が配され、斜面を利用してローラースライダーが設置されている。このローラースライダーはなかなか長く、途中でループを描きながら斜面を降りる。また斜面途中には「ターザンロープ」も設置されており、子どもたちの遊び場として魅力的なもののように思える。斜面を北に降りると広場があり、複合遊具が設置され、近所の人たちなのだろうか、小さな子どもたちを遊ばせる若いお母さんたちの姿があった。
この一角は最近になって整備されたもののようで、新しく造られた公園のような印象がある。おそらくここも三ツ沢公園の一部という位置づけなのだと思うが、トイレも設置されており、この一角だけで充分にひとつの小公園として成立する。斜面の南側が高みとなっており、展望所のような四阿が設けられている。そこからは北側に眺望が開け、眼下に北方の街並みを一望する。吹き渡る風も爽快で、なかなか魅力的な場所だ。
その一角の東側には木々が鬱蒼と茂っているが、そこは「豊顕寺市民の森」で、寺林を一般に開放して市民の憩いの場となっているものだ。雑木林の中を散策路が辿り、春の桜や秋の紅葉などが美しいという。「豊顕寺市民の森」の北側には「三ツ沢せせらぎ緑道」が東西に延びている。三ツ沢公園から「豊顕寺市民の森」、さらに「三ツ沢せせらぎ緑道」なども併せて散策を楽しむとさらに魅力が増すように思える。
横浜駅から歩けないことはないが、横浜駅から三ツ沢公園に至る道は歩くには快適とは言えない。横浜駅から訪れるときにはバスを利用するのが良いだろう。また横浜市営地下鉄の三ツ沢上町駅を降りると「豊顕寺市民の森」へ至近だ。そちらから「豊顕寺市民の森」の散策を兼ねて訪ねるのもお薦めだ。駐車場は球技場横に第一駐車場が、陸上競技場の西側に第二駐車場が、「新横浜通り」沿いの戦没者慰霊塔入口脇に第三駐車場が用意されており、全体で600台ほどが有料で駐車可能だ。
【追記】
平成2年(1990年)に選定された「神奈川区ビューポイント36景」は、平成18年(2006年)4月、「わが町かながわ50選」にリニューアル、さらに平成21年(2009年)、横浜開港150周年に合わせて「わが町 かながわ とっておき」にリニューアルされている。