横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市中区元町
−元町公園−
桜咲く元町公園
April 2005
桜咲く元町公園
春の元町公園はお花見の名所と言っていいだろう。横浜山手の桜の名所として広く知られ、観光を兼ねてお花見に訪れた人たちで賑わっている。公園の歴史が古いからか、桜は大きなものが多く、緑濃い公園の中に咲き誇る桜の景観は見事な美しさだ。
桜咲く元町公園
山手本通りに面したエリスマン邸横の広場、山手234番館の正面の辺りが、最も賑わいを見せるところかもしれない。この付近は横浜山手観光の中心になるところで、四季を通じて観光客の多いところだが、桜の時期にはさらにお花見の人たちが訪れていつにも増して行き交う人の姿が多い。広場を覆うように咲く桜はあたり一面を桜色に染め上げている印象で、春の空気に浸りながらの散策は楽しい。そぞろ歩きを楽しむ人、広場に腰を据えてお花見を楽しむ人、みなそれぞれに穏やかな時間を過ごしている。

エリスマン邸の横を抜けて奧へと進むと山手80番館遺跡があるが、この付近の桜も美しい。遺跡の上に覆い被さるように桜が咲き誇り、その景観の美しさに見とれてしまう。遺跡に設けられた展望デッキから公園中心部の窪地となった辺りを見下ろせるが、そこからの眺めも常緑樹の緑に混じって咲く桜が美しい。

桜咲く元町公園
山手80番館遺跡の横の小径を辿ってウォーターガーデンへと降りてゆけば、その小径が桜に覆われて素晴らしい。坂道となった小径は、降りてゆくときの景観も上ってゆくときの景観もそれぞれに美しいが、上ってゆくときの、あるいは降りてゆきながらふとふりむいたときの、逆光に輝く桜を見上げる瞬間などは感嘆の声を上げてしまいそうな美しさだ。元町公園の中心部は窪地となってプールや弓道場が置かれているが、その周囲を巡るように斜面の中ほどに散策路が設けられている。その散策路も桜のトンネルのようになったところがあって見事な美しさを見せてくれる。

桜咲く元町公園
ウォーターガーデンの周辺は普段は観光客の姿も少なく、ひっそりと落ち着いたところだが、この季節はお花見を楽しむ人たちで賑わっている。ウォーターガーデン周辺は、東側の池の周辺が特に素晴らしい。池のある広場の一角を取り囲むように桜が並ぶ。池の周囲ではシートを広げてくつろぐ家族連れやグループの姿がある。こうしてのんびりとお弁当でも食べながらお花見を楽しむのであれば、元町公園の中ではここが最適な場所と言えるだろう。窪地になった地形だから周囲を囲まれていて、それが落ち着いた印象に繋がり、腰を落ち着けてお花見を楽しむには向いているように思える。
桜咲く元町公園
ベーリックホールにはあまり桜はないが、庭の隅に印象的に桜が咲いている。この桜はソメイヨシノではないようだ。オオシマザクラだろうか。白い花が美しい。その桜とベーリックホールの建物との組み合わせも景観として美しく、見応えのあるものだが、ベーリックホールの館内に入り、部屋の窓越しに見るとまた格別の味わいがある。ベーリックホールの館内の元町公園本園側の部屋からは、山手80番館遺跡とその横手に咲く桜を窓外に見下ろすことができる。これがなかなか美しい。桜の季節に元町公園に訪れた際は、ベーリックホールの見学を兼ねて、その窓越しに見える桜を楽しむのも一興だろう。
桜咲く元町公園
緑濃く、常緑樹も多く茂る元町公園だから、桜の季節にも辺り一面が桜色に染まるという印象ではない。しかし木々の緑の中に咲く桜はかえってその淡い色彩が引き立ち、なおいっそうの美しさを見せてくれる。桜一色に染まる景観というのはどこか現実離れした幻想的な美しさを伴うものだが、元町公園の景観はそうではなく、明るく爽やかな印象がある。元町公園の桜は園内から楽しむのももちろんよいものだが、山手本通りの外国人墓地の横から見下ろすのも美しい。常緑樹の緑の中にぽっと姿を現すように咲く桜の景観は見事としか言いようがない。訪れるのは、できれば快晴の人を選びたい。淡い桜色と常緑樹の緑、そして空の蒼とが織りなす色彩のコントラストがとても美しい。
桜咲く元町公園