横浜市中区山手町
−元町公園−
山手234番館
Visited in May 2003
元町公園のエリスマン邸の斜向かいに、山手本通りに面して山手234番館が建っている。この建物は関東大震災後の1927年(昭和2年)、外国人のための共同住宅として建てられたものという。戦後間もなくは米軍によって接収されていた時代もあったらしいが、時を経た1989年(平成元年)、歴史的建造物や景観の保全に積極的だった横浜市がこれを取得、その後、改修、整備を施して1999年(平成11年)に現在の「山手234番館」として開館した。元町公園からは山手本通りで隔てられているが、管理上は元町公園の付属施設となっている。
二階建ての建物は、中央部に玄関ポーチがあり、その左右に対称な形で二戸の住宅が配され、それが二層に重なるという構造になっている。この一戸の建物で本来は四世帯の住宅を収容していたわけだが、今ではひとつの建物として改修が施され、かつての「共同住宅」としての佇まいを探すのは難しいかもしれない。
玄関ポーチから中へ入ると、向かって左手の部屋に往時の面影を伝えるリビングルームが再現されており、抑制された照明と窓外から差し込む光とが趣のある佇まいを見せる。他の部分は山手の歴史を伝えるパネルの展示室や会議室としての使用のために改修され、市民のサークル活動などにも使用されているように思われる。内部を見学する観光客の姿も少なくないが、他の洋館のように往時の暮らしぶりを伝えるような復元はなされていないから、その意味では少々物足りなさを覚えるかもしれない。改修前の本来の間取りなどはパンフレットに記されており、それを片手に以前の姿を思い浮かべて見学してゆくとよいだろう。
玄関ポーチから中へ入ると、向かって左手の部屋に往時の面影を伝えるリビングルームが再現されており、抑制された照明と窓外から差し込む光とが趣のある佇まいを見せる。他の部分は山手の歴史を伝えるパネルの展示室や会議室としての使用のために改修され、市民のサークル活動などにも使用されているように思われる。内部を見学する観光客の姿も少なくないが、他の洋館のように往時の暮らしぶりを伝えるような復元はなされていないから、その意味では少々物足りなさを覚えるかもしれない。改修前の本来の間取りなどはパンフレットに記されており、それを片手に以前の姿を思い浮かべて見学してゆくとよいだろう。
山手234番館は、やはり山手本通り側から見た建物の意匠が美しく、緑の木々をまとって建つ姿は昭和初期の山手の風景を彷彿とさせて趣がある。山手234番館の東側には、観光客にも地元の人たちにも人気の「えの木てい」が隣接、さらに横浜山手聖公会が並ぶ。山手本通りを挟んだ北側には元町公園の本園部分が広がり、その敷地内にエリスマン邸が建つ。山手観光の中心地的な一角であろう。その穏やかな佇まいに浸りながら、ゆっくりと散策を楽しみたい。