横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市中区山下町
−山下公園−
薔薇の咲く山下公園
June 2010
薔薇の咲く山下公園
瑞々しい緑と輝く陽光に包まれる初夏、潮の匂いも爽やかな山下公園は鮮やかなバラの花に彩られる。横浜観光の中心地的存在の山下公園は普段から観光客の姿が多いが、観光シーズンを迎えてさらに賑わう。バラの花を目当てに訪れる人の姿も少なくないようだ。山下公園の美しい景観とバラの花との取り合わせは訪れる人の期待に充分に応えてくれる。
薔薇の咲く山下公園

薔薇の咲く山下公園

薔薇の咲く山下公園
山下公園の中でバラの花を楽しめるのは公園中央部の低床花壇だ。この低床花壇は西洋庭園風に幾何学的デザインで整備されており、その中に区画を設けてバラが植えられている。バラの数としては決して規模の大きなものではないが、山下公園内というロケーションが良く、“バラの咲く公園”としての魅力は充分に楽しめるものだ。

この低床花壇は海岸部に真っ直ぐに延びる山下公園に平行に造られており、東側から眺めると花壇の向こうには中央広場の噴水が見え、さらにその向こうに遠く、みなとみらい地区の高層ビル群のシルエットが見える。まるでみなとみらいのビル群のシルエットを“借景”としているかのようだ。造られたのは山下公園の方が遙かに先だから“みなとみらいのビル群のシルエットを借景とした”わけはないのだが、ただの偶然だろうか。ビルの姿が視界に入ってしまうことを“無粋”として嫌う人もあるかと思う(個人的には嫌いではない)が、その良し悪しは別として、現代の横浜を象徴するような景観だという気がする。

また花壇の海側はちょうど氷川丸が係留されているところで、南側から海側へと視線を向ければ咲き誇るバラの向こうに氷川丸の姿を眺めることができる。初夏の青空の下で見るその景色はまさに横浜を象徴するものであるかもしれない。あるいは花壇の西側に立って南東側を眺めれば、花壇のバラとマリンタワーとが視界に収まる。この景観もまた横浜の象徴的景観のひとつに数えてもいいものだろう。
海岸に造られた山下公園は周囲の視界が開け、開放感に富んでいる。その開放感の中で楽しむバラの花は、他とは違った味わいがあるような気がする。規模の点では特筆するほどではないが、その雰囲気の良さでは“バラの名所”と言ってもいいのではないだろうか。そしてまた、この季節の山下公園を訪れたなら、バラの花を観賞するだけでなく、のんびりと園内を巡って臨海公園の風情を存分に楽しむのがお薦めであることは言うまでもない。
薔薇の咲く山下公園