横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市中区山下町
−山下公園−
薔薇の咲く山下公園
May 2018
薔薇の咲く山下公園
瑞々しい緑と輝く陽光に包まれる初夏、山下公園は鮮やかなバラの花に彩られる。横浜観光の中心地的存在の山下公園は普段から観光客の姿が多いが、観光シーズンを迎えてさらに賑わう。バラの花を目当てに訪れる人の姿も少なくないようだ。山下公園の美しい景観とバラの花との取り合わせは訪れる人の期待に充分に応えてくれる見事さだ。
薔薇の咲く山下公園

薔薇の咲く山下公園

薔薇の咲く山下公園

薔薇の咲く山下公園

薔薇の咲く山下公園
山下公園の中でバラの花を楽しめるのは公園中央部の沈床花壇だ。この沈床花壇は1930年(昭和5年)に山下公園が開園した当初は船溜まりだったところで、後に埋め立てられて沈床花壇として親しまれてきた。近年はそこにバラが植栽され、臨港公園としての風情を感じながらバラを楽しめるとあって人気を集めていた。その後、2014年度(平成26年度)から2018年度(平成30年度)にかけて「都心臨海部の緑化による賑わいづくり」の取り組みの一環として再整備され、2016年(平成28年)4月1日に「未来のバラ園」と名付けられてリニューアルオープン、本格的なバラ園として生まれ変わった。

「未来のバラ園」はバラをメインに、さらに一年草と宿根草を混植し、四季折々に季節の花を楽しめるバラ園として造られている。園内はフランス式庭園を思わせる幾何学的なデザインでシンメトリックに花壇が配され、その花壇にさまざまな品種のバラが植栽されている。中央部は白バラを中心に、周辺部は鮮やかな色彩のバラが植えられ、ポールやアーチにつるバラを這わせ、立体的な景観でバラが楽しめるように工夫がなされている。

バラ園の面積は約5500平方メートル、決して広大と言える規模ではないが、植栽されたバラは約190種、2300株、園内に立てばバラに包み込まれた印象で圧巻の景観である。東側から眺めれば咲き誇るバラの向こうにはみなとみらい地区のビル群のシルエットが見え隠れする。その風景も横浜らしくていい。また沈床花壇の海側は氷川丸が係留されているところで、南側から海側へと視線を向けれバラの向こうに氷川丸の姿を見ることができる。バラと氷川丸との競演も横浜ならではの光景だろう。あるいは花壇の西側に立って南東側を眺めれば、花壇のバラとマリンタワーとが視界に収まる。この景観もまた横浜の象徴的景観のひとつに数えてもいいものだ。

沈床花壇の西側にはパーゴラが設けられており、ここもバラ園のエリア内として整備されている。パーゴラの支柱をバラが彩る景観も素晴らしいものだ。バラと並んで記念写真を撮るにもいいところだ。

色鮮やかなバラの花を間近に愛でながらのんびりと園内を巡り、ときおり視線を挙げて氷川丸やマリンタワー、あるいは少し離れたみなとみらい地区のビル群とバラとが織り成す風景の横浜らしい風情を楽しむのが、山下公園の「未来のバラ園」の楽しみ方の王道だろう。

バラは横浜市の「市の花」、初夏の青空の下で見るその景色はまさに横浜を象徴するものと言っていい。リニューアル以前の沈床花壇にバラ観賞に訪れたことのある人も再訪をお勧めする。素晴らしいバラ園に生まれ変わった山下公園の沈床花壇、バラの名所と言って差し支えない。
バラは初夏と秋の年二回、見頃を迎えるが、やはり初夏の陽光を浴びて咲き誇るバラには格別の魅力があるように感じる。風薫る季節、臨港公園としての山下公園が最も魅力的な季節かもしれない。その開放感の中で楽しむバラの花は、他とは違った味わいがあるような気もする。公園内ではバラ園以外の場所でもバラを見つけることができる。バラを楽しみながらのんびりと園内を巡って、臨海公園の風情を存分に楽しむのがお勧めだ。
薔薇の咲く山下公園