横浜線沿線散歩街角散歩
八王子市元本郷町〜大和田町
春の浅川
(水無瀬橋〜浅川大橋)
April 2004
春の浅川
桜が咲き誇る四月の初め、春の風景を求めて浅川の河岸を歩いた。以前桜並木の続く南浅川の河岸を歩いたことがあったから、その続きのような意味合いで水無瀬橋から下流側へと辿った。目指す終着点は小さいながらも桜の名所と知られる元横山公園だ。
バスを「水無瀬橋」で降りた。水無瀬橋の歩道から南浅川の上流側に目を向ける。前回歩いた時には水無瀬橋に着いたのは夕方に近く、ここからの景色は逆光の中に見えたのだが、今日はまだお昼過ぎで明るい日差しを浴びて河畔の桜が輝いている。その様子がとても美しい。今日も大勢の人たちがお花見を兼ねて散策を楽しんでいるようだ。
春の浅川

河岸のサイクリングロードを兼ねた舗道に降り、南浅川の右岸を下流側へと歩く。河岸に広場がある。広場の脇には数本の桜がある。まだ八分咲きといったところのようだが、その姿は充分に美しい。快晴の空の下、広々とした河畔の風景の中に立つ桜の姿が素晴らしい。広場の脇には遊具が置かれており、子どもたちの遊ぶ姿があった。ベンチに腰を下ろしてくつろぐ人の姿もあり、のんびりとした春の日の表情を見せてくれている。
春の浅川

広場を過ぎ、横川橋が近くなったところで、今度は河岸の広場に花壇があり、菜の花やチューリップなどの花々が植えられている。今が花の盛りのようで、遠目に見ると色とりどりの花の絨毯のような様子が美しい。この辺りから東へ元本郷四丁目の町中へ歩を進めれば多賀神社が近いはずだが、多賀神社を訪ねるのはまた次の機会にして先を急ぐことにしよう。
春の浅川春の浅川
横川橋を過ぎると、河岸の舗道が桜並木になった。河岸に位置する多賀公園の桜で、それが河岸の舗道の上に大きく枝を伸ばしている。その桜を眺めながら河岸を歩くのも楽しそうだが、少し寄り道をして公園内を歩いてみる。公園は広場があるだけの小さなものだが、南浅川に沿った脇のほうが小高くなって樹木が植えられている。そこに多くの桜があり、なかなか見事な景観を見せている。桜の下ではシートを広げてお花見を楽しむグループの姿もあった。
春の浅川

春の浅川

多賀公園を通り抜けて河岸の舗道に戻ると、南浅川と北浅川の合流点だ。この辺りから鶴巻橋の袂にかけて広々とした河畔の風景が広がり、川面を渡る春の風も爽快だ。多賀公園の延長なのか、舗道脇には桜の並木が少し続いている。河川敷には広場があり、シートを広げてくつろぐ人たちやのんびりと散歩を楽しむ人たちの姿がある。北浅川の上流側へ視線を向けると、少し遠く、中央高速の橋梁を背景に川の左岸に桜が咲いているのが見える。その辺りの河原にメタセコイアの化石が多数露出した場所があり、「メタセコイア化石林」として知られている。これも訪ねてみると楽しい。
春の浅川春の浅川

歩きながらふと空を見上げると、鳥の形をした西洋凧がずいぶんと高く上がっている。よく見れば凧はふたつ上がっている。舗道の父子が上げているのだ。「ずいぶん高くあがるものですね」などと、声をかける人もある。息子さんの凧の方が高く上がっており、それを誇らしげに父親に告げる姿が可愛らしい。
春の浅川
そうした様子を見ながら進むとすぐに鶴巻橋だ。鶴巻橋は昭和58年3月竣工とある。橋の袂に彫像が置かれている。上流側のギターを抱える少女の像が「乙女」という名で、下流側の女性と鶴を象ったものは「鶴舞」という名であるようだ。この他にも鶴巻橋には歩道脇などに幾つかの彫像が設置してあり、「松姫」などの八王子に因んだものもあるから、興味のある人ならそれぞれを見てゆくのも楽しいだろう。
春の浅川春の浅川

鶴巻橋の傍らには八王子市役所がある。この八王子市役所の庁舎は1983年(昭和58年)に完成したもので、以前は本町にあった。鶴巻橋の竣工が昭和58年であるのも、この新庁舎の完成に合わせてのものだったのだろう。八王子市役所がここに移ってくる以前、このあたりは水道浄水場のあった場所であるらしい。現在では市役所駐車場と多賀公園との間に「元本郷浄水場」がある。市役所が完成して現在の様相となるまでは、このあたりは広々とした浅川の河川敷であったという。きっとのどかな風景が広がっていたのだろう。

八王子市役所の庁舎脇に桜の並木がある。それほど規模の大きな並木ではないが、広々とした河畔に整然と並ぶ姿は美しい。桜を見上げながら歩道を歩くのもいいし、河川敷の広場に降りて少し離れて見るのも悪くない。日差しを浴びて輝く桜はなかなか見事で、カメラを構える人の姿も少なくなかった。
春の浅川

河川敷の広場から河原へと降りて水辺の風情を楽しんでみる。水の流れにもそろそろ春の気配が感じられる。石の上で羽を休める野鳥の姿が間近に見えたりもして楽しい。
春の浅川
河岸の道をさらに下流側へと向かう。歩道脇に「浅川右岸 多摩川から12K」と書かれた距離標があった。鶴巻橋を過ぎてからは、河岸の道は日曜祝日の昼間以外は車両も通行するから歩くときには注意が必要だ。道脇にぽつりと咲く桜などを眺めながらのんびりと歩く。
春の浅川春の浅川

やがて萩原橋に至る。萩原橋を渡って市街地から西方へと伸びる道路は秋川街道だ。ここまでは浅川右岸は元本郷町四丁目から一丁目だったが、秋川街道を超えると平岡町になる。その平岡町側の橋の袂に、ほんの小さな公園のようなスペースがあり、小ぶりながらも桜が美しく咲いていた。興味を覚えて見てみると、何やら石碑がある。石碑には「明治40年5月」の日付がある。石碑はどうやら橋の建設の際に土地を提供した地元の人々を顕彰したものであるようだ。

萩原橋からさらに浅川の右岸を下流側に辿る。平岡町から大横町になり、その辺りを南側へ少し入り込んでゆくと八王子子ども科学館がある。川の様子を眺めながら歩いてゆくと、やがて浅川橋、国道16号が浅川を渡っている。国道16号は浅川の南側の市街地では片側2車線の広い道路なのだが、浅川を越えた北側では片側1車線になってしまい、交差点が多いこともあってしばしば渋滞する。
春の浅川春の浅川
国道16号を横断すると元横山町だ。道脇に「浅川右岸 多摩川から11K」の距離標があった。鶴巻橋からおよそ1キロということか。少し進んだところで、河川敷に広場があった。「元横山2号河川敷広場」という名であるようだ。ちょうど市役所の職員らしき人たちと土木施工業者らしき人たちとが数人、何やら打ち合わせを行っている。広場の一部に整備工事が行われる予定であるのかもしれない。広場では親子の遊ぶ姿があるが、他にはあまり人の姿はない。広場からさらに川べりへと進み、河原へ降りてみた。河原にふたりほど、釣り人の姿があった。釣りに興味が無いのでよく知らないのだが、この時期浅川では何が釣れるのだろう。
春の浅川春の浅川

広場を過ぎると暁橋だ。暁橋は比較的狭い橋で、橋の南側の道路も狭いのだが、道をよく知る地元の人たちがよく抜け道として利用する。暁橋から下流側の右岸はどうやら河川工事の最中のようだ。工事中の脇を歩くのはあまり楽しくないから、暁橋を渡って左岸に渡ることにする。目指す元横山公園も左岸にあるから、ちょうど良いような気がする。暁橋から下流側を見ると、目の前に浅川大橋が見え、その左岸側の袂にすでに元横山公園の桜が見えている。
春の浅川
暁橋の左岸の袂にも、印象的に桜が咲いている。大きく張り出した桜の枝の下をくぐって、河岸の舗道を歩く。やがて浅川大橋に着く。浅川大橋の上を通るのは「大和田北通り」という名の道で、八王子駅北口から真っ直ぐに北に延びる「桑並木通り」の延長として北へ辿り、浅川大橋で浅川を渡り、さらに今では「ひよどり山有料道路」へと繋がり、小宮公園の下をトンネルで抜けて滝山町へと至っている

河岸の舗道から「大和田北通り」へと出ると、目の前に元横山公園の桜が見えている。通りを横断しようと思えば、少し北へ迂回して、郵便局の角の交差点の横断歩道を渡らなくてはならないのだが、実は「大和田北通り」の下をくぐって西側と東側を繋ぐ狭い道があり、そこを通れば元横山公園のすぐ脇に出られる。

元横山公園は河岸の広場に遊具などを配した小規模の公園だが、「名所」として知られるだけあって桜は見事だ。公園の河岸側に桜の大木が並び、その枝が大きく公園全体を覆っている印象だ。その桜は河岸から見ても美しく、公園より少し高くなった河岸の舗道からは桜の枝が眼前に間近に見えて楽しい。浅川大橋から見る景観も素晴らしい。公園内では多くの人たちがお花見に訪れ、子どもたちが遊んでいる。カメラを携えている人も多かった。元横山公園の脇に、「浅川左岸 多摩川から10K」の距離標があった。浅川橋からさらに1キロを歩いたことになる。ひととき元横山公園の見事な桜を楽しんだ後、帰路を辿った。
春の浅川
水無瀬橋へは八王子駅から「53」〜「59」のバス路線を使うといい。「陣馬高原下」行きや、「恩方車庫」行きなどのバスに乗れば、水無瀬橋を経由する。八王子駅北口の「マルベリーブリッジ」の一角に、利用したいバス停からバス路線とバス停の場所を探せる案内板があるから、初めての人は参考にするとよいだろう。

浅川大橋はバス路線も通っており、元横山公園からは「郵便局」バス停が至近だが、南へ真っ直ぐに歩けば八王子駅まで1.5キロ足らずで、歩いてもそれほど遠い距離ではない。浅川大橋からさらに浅川下流側に足を延ばすのも楽しそうだ。
春の浅川