横浜線沿線散歩街角散歩
町田市図師町〜野津田町
鶴見川河畔
(図師)
September 2001
図師
町田市上小山田町の谷戸の源流に端を発する鶴見川は上小山田町から下小山田町へと南へ流れ、図師町で東に向かう。図師町と下小山田町との境に近い坂下橋のあたりから、鶴見川に沿って図師町を歩いてみた。
坂下橋は町田市リサイクルセンターの前から東に降りてきた道路が鶴見川を越える橋で、図師から上小山田へ南北に抜ける県道との交差点が近い。すぐ東の丘の上には日大三高があり、交差点の名も「日大三高入口」となっている。町田市リサイクルセンターから坂下橋を経て日大三高前へ至る道路は桜並木で、四月上旬には美しい景観を見せてくれる。

坂下橋の袂からは鶴見川に沿って歩けるような道路は無く、交差点から県道を南に向かうことにした。県道と鶴見川との間には少しばかり水田も残っているが、真新しい住宅なども多く建ち、県道からはなかなか鶴見川の姿を見ることはできない。しばらく行くと「日影橋」というバス停があり、近くに川の方へ向かう道路があった。そこを進むと鶴見川の河畔に至り、橋が架かっている。この橋が「日影橋」なのだろうか。それほど古いようにも見えない橋には名も見あたらなかった。

図師町の鶴見川河畔
橋から鶴見川の西岸に沿って道がある。鶴見川は護岸が固められ、道路は舗装道路で、河岸にはしっかりとフェンスが設けられている。何とも風情の無い風景だが、西には雑木林の丘が横たわり、かつて静かな農村であっただろう古い時代の名残を感じることはできる。鶴見川の対岸には水田が残り、耕耘機がぽつりと置かれていたりする。川面を覗き込むと鯉の泳ぐ姿があった。数も多く、時折水面に身体を出しながらゆったりと泳いでいる。しばらく行くと西の丘の上に長慶禅寺という寺があった。

長慶禅寺の前を過ぎると道路は鶴見川から離れ、住宅が並ぶ中を辿って芝溝街道へと出る。芝溝街道を少しばかり東に進むと図師大橋だ。鶴見川は図師大橋の下を流れてやがて丘陵の裾野に沿うように流れの方向を東に向けるが、このあたりも川に沿って歩ける道は無いように見えた。芝溝街道を少し東に歩き、住宅が並ぶ中の小道に入り込んでみると、車両の通行のできない狭い橋で鶴見川を越えた。近くにテニスクラブがあり、ボールの音とテニスを楽しむ人たちの声が聞こえてくる。テニスクラブは個人の運営であるようだ。テニスコートの横の小道を東に進む。

図師町の鶴見川河畔
やがて宮川橋、芝溝街道と山崎町とを繋ぐ道路で通行量は多いが、宮川橋は狭く、車でここを通行するときには対向車との離合に気を遣うところだ。宮川橋から北へ芝溝街道に出れば熊野神社があるのだが、神社に立ち寄るのは次の機会にして川に沿って行くことにする。このあたりも鶴見川近くは歩けず、仕方なく芝溝街道の並木交差点へと繋ぐ道路へと歩を進める。住宅が並ぶ中にところどころ畑が残るという風景で、特に散策が楽しい風景ではない。山並橋を過ぎ、並木交差点に出る手前で左手に折れて、鶴見橋。鶴見橋が架かる場所はちょうど町の境で、鶴見川の南岸は山崎町、北岸の西側が図師町、東岸はすでに野津田町になる。

山崎町の稲荷大明神
鶴見橋を渡って山崎町の北の端を東に進む。道路脇には団地などが並ぶが、「七国山」を示す案内板などもあってすでに七国山が近いことを窺わせる。しばらく進むとやがて稲荷大明神の社の下へ着く。横の小道を登ってゆけば七国山の周辺に広がる丘陵地帯で、美しい里山の風景が広がっている。このあたりで鶴見川に沿って東に辿るルートは途切れてしまう。地図で確認しても、丘陵を越えて丸山橋へ降りるか、あるいは芝溝街道へと戻るしかないように見える。よろい橋という名の橋で鶴見川を越えて芝溝街道に戻ると「神学校前」というバス停が近い。ここで帰路を辿ってもよかったのだが、芝溝街道を東に進んでみた。丸山橋近くの「野津田町小川の広場」に設けられたビオトープを見てみたいと思ったからだった。

「野津田町小川の広場」のビオトープ
小田急と神奈川中央交通の営業所の横を過ぎて丸山橋へと至る道路との交差点に着く。行程が長く感じるのは交通量の多い芝溝街道の歩道をひたすら歩くからだろうか。「野津田町小川の広場」を覗いてみた。ビオトープは昨年とあまり変わっていないように見えた。水辺にわずかにジュズダマが生えている。水の中には生き物の姿は見あたらない。やはり一年が経過した程度では特筆するほどの変化は現れないのだろう。

下流側から丸山橋を見る
架け替え工事の終わった丸山橋にも立ち寄ってみる。新しい橋の架かる鶴見川の上流側は護岸工事が施されて味気ない風景だが、下流側は自然の河原を再現する試みがなされているように見えた。草の茂ったスロープを河原まで降りてゆくこともできるようで、随所に「雨の日は危険なので降りないように」との旨の注意書きが立てられている。河岸を巡る歩道や人道橋も整備され、河原へ降りる階段なども設けられていた。鶴見川の水は意外にきれいで、夏は水遊びも可能かもしれない。夏休み、水遊びに興じる子どもたちの姿が見られたらきっと楽しいだろうと思いつつ、鶴見川を後にした。
鶴見川に沿う形で図師町のあたりを歩いてみたが、川に沿う遊歩道があるわけでもなく、周辺は田畑が残る中に住宅も多く建ち、のどかな風景が広がっているというわけでもない。行楽を兼ねた散策のルートとしてはあまりお薦めできるところではないかもしれないが、普段通り慣れたバス通りから外れて小道に入り込んでみたりするのも散策の楽しみのひとつだ。この季節、ところどころに残る水田には黄金に稲穂が実り、秋晴れの陽射しに美しく輝いている。その中を歩くだけでも散策の楽しみといったものを味わうことはできるだろう。
山崎町にて