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冬の夜の横浜2003
December 2003
現況と異なる内容を含んでいます
冬の夜の横浜
すっかり冬の気配となった12月の中旬、今年もまたイルミネーションの輝く街の風景を求めて横浜を訪ねた。それぞれに趣向を凝らしたイルミネーションを見てゆくのが、この季節の「恒例」のようになってしまった。今年は桜木町駅を降り、みなとみらい地区から新港地区へ、さらに「山下臨港線プロムナード」を辿って山下公園方面へ向かうコースで歩いた。
ドックヤードガーデン
ドックヤードガーデンは、周辺の樹木や中央部を横切るブリッジにイルミネーションが施されている。意匠としては昨年のものを踏襲した形だが、ブリッジのイルミネーションは「青」を基調としたもので、そのせいかとても幻想的な雰囲気がある。歩いてみると青い光に包まれたようでなかなか美しい。隣接するランドマークプラザの建物の壁面には巨大なクリスマスツリーを象ったイルミネーションが提げられている。この「ツリー」には随所に星、あるいは雪の結晶のようにも見える意匠のイルミネーションが取り付けられている。これらも「青」を基調としたもので、冬の冴えた空気感に似合って凛とした風情を漂わせている。低床部には今年も特に飾り付けがなされていないが、壁面に投影された光の上から下へと動いてゆく様子が雪を思わせる。周囲に光の雪が降り、頭上に青い光のブリッジが横たわり、なかなかロマンティックな雰囲気だ。その中をのんびりと歩くカップルの姿も少なくなかった。
ドックヤードガーデンドックヤードガーデン

ランドマークプラザ内の吹き抜け部分では恒例となった「メリースノークリスマス」が今年も開催される。中央部には大きなクリスマスツリーが設置されているが、これは12メートルの高さがあり、ランドマークプラザでは過去最大のものだという。天井からは「光のカーテン」を思わせるイルミネーションが提げられ、その意匠がオーロラを彷彿とさせる。
クイーンズクスクエア
クイーンズクスクエアは、これも恒例となった「シンギングツリー」が置かれている。最初に見たときには昨年のものとずいぶん意匠が異なっているように見えたのだが、実は表面の部分にダイヤ形のアクリル板を取り付け、従来のものに幾何学的な美しさを付加したものという。このアクリル板に内部の光が乱反射する様子もなかなか幻想的で美しい。

このツリーは16時以降の毎正時になると音楽に合わせてイルミネーションが変化するショーが行われる。「シンギングツリー」の名の所以だ。このショータイムを、実は今年初めて見た。ショータイムになるとフロアの照明が落とされ、薄暗くなった中でショーが始まる。オルガンの演奏に合わせて「シンギングツリー」の光がさまざまに変化し、まさにツリーが歌っているような錯覚を覚える。演奏と完璧に同調して変化するイルミネーションに引き込まれ、幻惑されるような思いがする。この感覚はその場で体感しなくてはとても理解できないものだろう。制御された機械仕掛けのショーではあるが、ショーが終わったときには取り巻いて鑑賞していた人々から拍手が起こった。
シンギングツリーシンギングツリーシンギングツリーシンギングツリー

シンギングツリーシンギングツリーシンギングツリーシンギングツリー

音楽は「惑星」「G線上のアリア」、「くるみ割り人形」の中の「金平糖の踊り」といったクラシックの楽曲に加え、「サンタが町にやってくる」、「ジングルベル」、「聖夜」といったクリスマス曲なども加えて構成されたメドレーで、なかなか楽しい。今年の「シンギングツリー」はアートディレクターの小池正夫氏、オルガニストの田代ユリ氏、システムプランナーの松永健太氏の三氏による作品という。

クイーンズパークは今年も例年通りにイルミネーションが施され、「光の海」と化している。今年は4万個のイルミネーションが使用されているという。このクイーンズパーク越しにコスモクロックを見る夜景がやはり美しく、初めて見る人にはとても印象的なものだろう。
クイーンズパーク
ナビオス横浜は建物空洞部分に提げられるイルミネーションが恒例となったようだ。昨年はクリスマスツリーを象ったデザインが楽しく、一昨年以前は幾何学的なデザインのイルミネーションが美しかった。今年はどのようなデザインなのだろうかと期待してしまう。

ナビオス横浜
今年のナビオス横浜のイルミネーションは、「光のリボン」だ。中央上部にリボンの「結び目」があり、そこから4本の光のリボンがそれぞれ2本ずつ左右の壁面へと垂れている。何となく可愛らしくもあり、優雅さも感じさせるデザインだ。ナビオス横浜の空洞部分というのは、汽車道側からはその向こうに赤レンガ倉庫を、赤レンガ倉庫側からはみなとみらいのビル群をそれぞれに見て、その額縁のような役割として考えられたものだそうだが、その額縁に今年は光のリボンが掛けられた印象だ。みなとみらいのビル群や赤レンガ倉庫の夜景に、光のリボンが掛けられている。とても美しい。ナビオス横浜のイルミネーションは、空洞部分に提げられているから、空中に浮かんでいるような印象があり、なおいっそう美しく見えるのかもしれない。
ワールドポーターズ
ワールドポーターズの正面エントランス部分のイルミネーションも、毎年趣向を凝らしたもので楽しませてくれる。今年のデザインは昨年のものの改良型といったところだ。「円」を基調にした繊細で緻密なデザインのアーチがエントランス上部を飾っている。その下部には昨年はイルミネーションで作られた「光の球」が下がっていたが、今年は巨大な「光のベル」が下がっている。赤を基調にした色彩の「光のベル」はとても艶やかな印象がある。ベルの下部に下がる「光の球」は昨年のものを流用したもののようだ。国際橋側のエントランスに施されたイルミネーションは昨年のものと同じもののようだった。
ワールドポーターズワールドポーターズ
新港地区から「山下臨港線プロムナード」を辿って山下公園付近を目指す。氷川丸のイルミネーションは例年通りのデザインだと思うが、それはそれで「恒例」となった観があり、年末の横浜の風物詩といった趣がある。やはり見ておきたい。

クイーンの塔
「山下臨港線プロムナード」を歩くとライトアップされた「クイーンの塔」、横浜税関旧庁舎の塔が間近に見える。昼間に見る塔の姿も美しいが、こうして夜空に浮かび上がる姿も幻想的な雰囲気を漂わせていてとても素敵だ。

税関庁舎を通り過ぎてふりかえると、緩やかな孤を描くプロムナードの向こうにみなとみらいのビル群が見える。この風景がとても美しい。今の横浜の夜景を象徴するもののひとつであるような気がする。
山下臨港線プロムナードからみなとみらいを見る

やがて開港広場横の交差点から大さん橋へと続く道路を越える。街路樹にイルミネーションが施され、その向こうに大さん橋のエントランスに掲げられたイルミネーションが小さく見えている。大さん橋には客船が停泊している。
氷川丸
「山下臨港線プロムナード」を降りると山下公園だ。氷川丸には例年通りにマストに巨大なクリスマスツリーを象ったイルミネーションが施されており、すっかりこの季節の風景として定着しているという気がする。今年も同じデザインだが、実は12月13日から新型電球を使用したイルミネーションになったという。新電球は直径が約6cmと従来のものより大きくなり、2本のメインマストを繋ぐイルミネーションは電球の間隔が100cmから50cmに変更されているらしい。イルミネーションの総延長は約750m、電球の数は約1,800個という。

山下公園の中を歩きながら山下公園通り側を見ると、通り沿いに並ぶホテルのイルミネーションとライトアップされたマリンタワーの姿が視界に収まり、なかなか素敵な風景だ。山下公園通り沿いではホテルニューグランドなどが例年通りの飾り付けで楽しませてくれる。
マリンタワーは昨年、一昨年と同様のものだ。タワー基部にクリスマスツリー形状のイルミネーションが施され、随所に取り付けられたオーナメントが明滅する。マリンタワー前の道脇の樹木にイルミネーションが施されており、その傍らからマリンタワーを見上げると星空の中にタワーが浮かんでいるようで楽しい。
マリンタワー基部のイルミネーションマリンタワーを見上げる

山下公園通りを歩いた後は元町や中華街へと歩を進めるのもいい。今年の元町では歩道脇にキャンドルを灯すという演出がなされているようだ。
横浜のクリスマスイルミネーションは毎年それぞれの演出で楽しませてくれる。ドックヤードガーデンやナビオス横浜、ワールドポーターズなどは「今年はどんな演出だろうか」と思いながら訪ねるのが楽しい。クイーンズスクエアのシンギングツリーも年によって少しずつ異なっているのが楽しい。氷川丸のクリスマスツリーはほぼ毎年同じ趣向だが、それはそれで「恒例の」という形容の相応しい、横浜の風物詩として楽しめるものであるような気がする。
追記 氷川丸とマリンタワーは氷川丸マリンタワー株式会社が45年間に渡って運営してきたが、2006年12月25日で営業を終了、同社も2006年12月31日付けで解散となった。その後、マリンタワーは横浜市へ、氷川丸は日本郵船株式会社へ、それぞれ譲渡され、氷川丸は2008年4月25日に、マリンタワーは2009年5月23日にリニューアルオープンを迎えている。
冬の夜の横浜