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冬の夜の横浜2001
December 2001
現況と異なる内容を含んでいます
冬の夜の横浜
今年(2001年)もまた初冬の夜の横浜を訪ねた。根岸線石川町駅を降り、夕暮れの元町を歩き、山下公園通りへと辿った後は伊勢佐木町へも足を延ばした。伊勢佐木町からは馬車道を抜けて万国橋を渡り、新港地区を経由してみなとみらい地区へ向かうルートだった。
元町
今年もまた夕暮れの元町から始めよう。暗くなるのも早い12月の宵、頭上を飾るイルミネーションと、通り沿いの店先に飾られたクリスマスのディスプレイを眺めながらの散策は楽しい。通りを飾るイルミネーションは基本的に昨年と同様のデザインで、街灯に設置されたツリー型のイルミネーションも昨年と同じもののようだが、ところどころに敬宮さまのご誕生を祝う横断幕などが掲げられているところは2001年の暮れらしいところか。

この季節の元町は「Twinkle Christmas」を開催中で、その期間中の土曜、日曜、祝日の午後にはストリートライブなどの各種イベントも行われているようだ。人工雪を降らせる装置もいくつか設置され、時間を決めて元町に雪を降らせるという。お休みの日の午後あたりに元町を訪ねて、イルミネーションの輝きはじめる宵闇迫る時刻まで、クリスマス気分を楽しむというのもよいかもしれない。
元町元町
氷川丸
元町を歩いた後は、山下公園通りへと歩を進めた。恒例となっている氷川丸のイルミネーションを見るだけでも、この季節の山下公園周辺は魅力あるもののように思える。氷川丸のメインポストを使用してのクリスマスツリーのイルミネーションは例年通りのもので、背後に輝く「2001」の文字だけが今シーズンであることを示しているようでもある。毎年違った趣向で楽しませてくれるのも良いものだが、この季節の横浜の風物として毎年変わらぬデザインで飾られるのもとても良いものだ。

マリンタワー
マリンタワーのライトアップはクリスマスの時期に限ったものではないが、やはり街が光に溢れるこの季節には相乗効果でさらに美しく見えるような気もする。通りに面した下層部分の飾り付けも毎年の恒例だが、今年は「ビッグサンタ」の姿は無く、クリスマスツリーを象ったイルミネーションが施されていた。イルミネーションで造られたツリーにサンタやトナカイなどが輝いている。「ビッグサンタ」に比べると少々地味な気もするが、より繊細な印象で美しい。頂点部分の星は一定間隔で色を変える。

ザ ホテル ヨコハマ
山下公園通りに面したホテルもそれぞれに趣向を凝らしたイルミネーションで楽しませてくれる。ほとんどは例年通りのデザインでそれぞれのホテルの特徴を出しているが、今年は「ザ ホテル ヨコハマ」の玄関前のイルミネーションが目を引いた。植え込み部分を使用したイルミネーションは光に溢れ、幻惑的な風景を見せている。傍らのヒマラヤ杉もイルミネーションで飾られ、アクセントを添える。今年の「ザ ホテル ヨコハマ」のクリスマスイルミネーションのテーマは「天使」だそうで、イルミネーションの中の随所に天使のオーナメントが置かれている。ヒマラヤ杉の枝々からも天使が下げられていて、光に浮かび上がる様は天使が空中を舞っているようにも見えて幻想的だ。「ホテルニューグランド」は中庭の飾り付けが美しいが、通りに面した外部はいたってシンプル。華やかなイルミネーションを中庭に施し、外部は地味なほどに抑制の効いた飾り付けというのが、歴史のあるホテルの風格のようなものを感じさせて楽しい。
山下公園通り
横浜開港記念会館
山下公園通りを歩いた後は、帰路を急ぐ人々に混じって関内駅方面へとのんびりと歩いた。このあたりは神奈川県庁や横浜開港記念会館などの歴史的建造物が並ぶところだが、日が暮れてからの時間、それらの建物のライトアップされた姿を見ることができる。これらはクリスマスとは特に関係ないが、空気が澄んでいるためか、ひときわ美しく見えるような気もする。暗くなるのが早い冬の日はこうした夜景を楽しむのに最適だ。クリスマスのイルミネーションを楽しみに出かけた際には併せて見ておきたい。
関内駅前の雑踏を抜けて伊勢佐木町へと進む。やはり横浜を代表する繁華街のひとつだけあって、日が暮れてからの伊勢佐木町は昼とは違った表情を見せて賑わっている。

イセザキモール
ライトアップされた「ウェルカムゲート」をくぐってイセザキモールへと入ると、頭上に「光の横断幕」とでも言えそうなイルミネーションが輝いている。「光の横断幕」は通りに一定の間隔を置いていくつも設置されていて、直線で延びる通りの奥に向かって光が凝縮されてゆく景観が美しい。伊勢佐木町商店街ではクリスマスセールを開催中で、立ち並ぶ商店もそれぞれに装飾を施し、訪れる買い物客で賑わっている。店々のネオンや随所に施されたクリスマスのイルミネーションが華やかさを競い合っているようでもあり、どこからか流れてくるクリスマスソングを聴きながらの散策は楽しい。

イセザキモール
メインのストリートを少し外れると「夜の盛り場」と呼ぶに相応しいところも多く、その佇まいにふと「伊勢佐木町ブルース」の一節などを思い出したりもする。派手なネオンで客を誘う風俗店なども並ぶあたりも「盛り場」の猥雑さを感じさせるところか。日が落ちてしばらくは街の「昼の顔」と「夜の顔」が同居し、家路を急ぐ人とこれからの時間を楽しもうという人とが交錯し、そんな様子も見ていて楽しい。

クリスマスイルミネーションを楽しむために訪れると少々物足りないかもしれないが、夜の伊勢佐木町が持っている「大人の街」としての空気に、それらのイルミネーションの輝きが彩りを添えているといった印象だ。そもそも伊勢佐木町は夜の表情にこそ、その魅力の多くを持っているとも言えるだろう。歌にも唄われた「伊勢佐木の灯り」は今も街を照らしている。
伊勢佐木町
伊勢佐木町の商店街をのんびりと往復した後は、馬車道を抜けて万国橋を目指す。この万国橋からのみなとみらい方面への景観も光が水面に映り込んで美しい。普段はあまり人の通りも多くはないようだが、それもかえって「隠れた穴場」的な楽しさがある。万国橋を渡ればナビオス横浜とワールドポーターズが並んで建つ場所の東側の交差点だ。

ナビオス横浜
ナビオス横浜には今年も美しいイルミネーションが施されている。今年は昨年に増して趣向が凝らされているようだ。建物の特徴的な空洞部分は昨年も光のラインが吊されていたが、今年のものは離れてみるとクロスを描く形状に設置され、シンプルで繊細、幾何学的な美しさを感じさせる。この空洞部分に毎年形状を変えて光のラインが吊されるという趣向だろうか。来年はどのような形状になるのか、今から楽しみだ。建物の傍らに設置されている錨のモニュメントにもイルミネーションが施され、光に包まれて輝いている。汽車道を望む一階部分に設けられたレストランのテラス席を囲むフェンスにもイルミネーションが施されていて、色とりどりの光に溢れて美しい景観を見せていた。レストランを利用する際にはぜひ汽車道側の窓辺に席を取りたいものだ。

ナビオス横浜
ナビオス横浜の建物の空洞部分は、西側から見るとその向こうに少し遠く赤レンガ倉庫を、東から見るとランドマークタワーをはじめとするみなとみらいのビル群を、まるで額縁に納まったような形で見ることが出来る。この額縁に納まった風景に、この季節はイルミネーションがきらびやかな魅力を添えていっそう素晴らしい。やはり東側から汽車道の向こうにみなとみらいの夜景を見る眺めは光の織りなす幻惑的な美しさが圧倒的で、この構図を写真に収めようと三脚を立ててカメラを構える人の姿も少なくなかった。

ワールドポーターズ
ワールドポーターズはオープンから三回目の冬を迎える。毎年趣向を凝らしたイルミネーションで楽しませてくれるが、運河パーク側に面したエントランスのイルミネーションが最も美しい。今年のものはワールドポーターズのマークの両側に翼を象ったイルミネーションが施されている。昨年のものと比べると少々シンプルなようでもあるが、かえって抑制の効いた上品なデザインであるように思える。国際橋側のエントランス上部のイルミネーションはガラス細工を思わせるような、光で描いた線画のような繊細な美しさが目を引く。万国橋側のエントランスには今年もクリスマスツリーが飾られ、これも煌めくばかりの光に覆われて美しい。
ワールドポーターズワールドポーターズ

汽車道からコスモクロックを見る
汽車道や運河パークあたりから見るみなとみらい地区の夜景は素晴らしい。みらとみらいのビル群の灯火が水面に映り込む様子がとても美しく、コスモワールドのひときわ明るい光やコスモクロックの姿が水面に映る様子もいい。ゆらゆらと静かに揺れる様子は幻想的な美しさを感じさせてくれる。それらの光の反射を遮ってひっそりと舟影が浮かぶ様子も風情があって楽しい。汽車道に設置された花火を象ったイルミネーションなどは特にクリスマスシーズンに限ったものではないが、冬の冴え渡った空気の中でいっそう輝きを増しているようにも思える。このあたりはすでに「夜景の名所」としてよく知られるようになったが、街がクリスマスイルミネーションに輝く季節はなおいっそう魅力を増し、カメラと三脚を携えた写真趣味の人たちも多く訪れるようになった。光の競演とも言える景色はカップルでのデートコースにはもちろん、冬の夜の気ままな散策コースとしても充分に楽しめる。外の見える店の窓辺の席を選んで、ひとときのんびりと過ごすのもお薦めだ。
万国橋から見るみなとみらいビル群
新港地区の夜景を楽しんだ後は国際橋を渡ってみなとみらい地区へと歩を進めた。クリスマス気分で賑わうランドマークプラザやクイーンズスクエアを歩くのが楽しい。各施設のクリスマスイルミネーションも毎年恒例のことになり、この季節の横浜散策の定番となっているとも言えるだろう。洗練されてお洒落な雰囲気が人気で、特に若いカップルのデートコースとして定着した観もある。

シンギングツリー
クイーンズスクエアのイルミネーションはほぼ例年通りといった印象で、クイーンズモール2Fの巨大な「シンギングツリー」が今年も設置されている。10メートルを越える高さ、2万個の電球に飾られ、パイプオルガンの演奏に合わせてイルミネーションが変化するというのも昨年同様。これもすっかりこの時期のみなとみらいの名物になった観があり、ツリーを背景に記念撮影をするカップルの姿が後を絶たない。

ステーションコアの吹き抜け部分には赤と白の巨大なリボンによる飾り付けがなされている。そこにミラーボールの光が流れ、周囲の雰囲気とも調和して、少し近未来的で幻想的な空間だ。女子美術大学助教授のヤマザキミノリ氏によるデザインなのだそうだ。

クイーンズパークのイルミネーションも恒例のものとして定着した観がある。パークの木立に施された電球は3万個、その向こう正面にコスモクロックを見る景観はすっかり横浜の冬の夜の景観の象徴のひとつになったようにも思える。階段のステップ部分にもイルミネーションが施され、今年は昨年以上に華やかで幻惑的な光景を現出しているような気がする。
クイーンズパーク

ドックヤードガーデン
ドックヤードガーデンは毎年さまざまなアイデアのクリスマスイルミネーションで楽しませてくれるが、今年はドック上部に架けられた橋にイルミネーションが施されている。光のアーチをくぐって足を踏み入れるとファンタジーの世界に誘う通路を進むようで楽しい。ドック周囲の木立にもイルミネーションが付けられ、辺りは「光の回廊」といった趣で、ロマンティックな雰囲気に包まれている。

今年はドック低床部にはイルミネーションが設置されていなかった。昨年の「Labyrinth Grove」、一昨年の巨大なクリスマスツリーなど、例年趣向を凝らしたイルミネーションが楽しく、淡い光に照らされたドックの岩壁の様子などが幻想的で良いものだったのだが、ちょっと残念な気もする。ランドマークプラザの中央の吹き抜け部分も、今年はフロアにクリスマスツリーが置かれ、天井部には二基のミラーボールが設置されているだけというシンプルなものだった。
今年は少し足を延ばして伊勢佐木町も歩いてみたが、やはり少々距離がありすぎた気もする。あまり欲張らず、のんびりと夜景を楽しみながらの散策が良いように思える。特にカップルや家族連れなどで訪れた時などには、さまざまなクリスマスの飾り付けを楽しみながらのショッピングや食事に訪れるのがお薦めと言えるだろう
追記 氷川丸とマリンタワーは氷川丸マリンタワー株式会社が45年間に渡って運営してきたが、2006年12月25日で営業を終了、同社も2006年12月31日付けで解散となった。その後、マリンタワーは横浜市へ、氷川丸は日本郵船株式会社へ、それぞれ譲渡され、氷川丸は2008年4月25日に、マリンタワーは2009年5月23日にリニューアルオープンを迎えている。
冬の夜の横浜