埼玉県狭山市中心市街のやや北西側、新富士見橋と昭代橋と間の入間川河岸に「入間川にこにこテラス」という公園が設けられている。「入間川にこにこテラス」という名はもちろん愛称で、正式には「河川敷中央公園」という。2021年(令和3年)3月に整備が完了し、オープンしたものだ。
公園は入間川に沿って延びる「入間川サイクリングロード」を活用しつつ、広場や桜の林などを設けて構成されている。河岸という立地を充分に活かした、開放感溢れる公園だ。園内にスターバックスが出店していることも特徴で、行楽シーズンの休日には大勢の家族連れで賑わう。また園内には数多くの桜が植えられており、満開の時期には見事な景観を見せてくれる。花見スポットとしても大人気の公園だ。
「入間川にこにこテラス」の園内にスターバックスが出店している。公園内に民間のレストランやカフェが出店している例は他にもあるが、スターバックスの出店は珍しい。“全国初”との記述も目にするが、確かにそうかもしれない。ちなみにスターバックスの埼玉県内の出店はここが初らしい。スターバックス・ファンには嬉しいものだろうし、公園利用者の利便性も高まるだろう。
スターバックス前は公園の中心部で広場が設けられており、子どもたちのための遊具類が置かれている。大型の複合遊具と、いわゆる“ザイルクライミング”、さらに幼児向けの遊具が設置されており、子どもたちに大人気だ。
広場の南側は桜の林だ。桜の木は規則正しく並んでおり、“林”というより、幾層にも並んだ桜並木といった趣だ。林の中を歩けばどこも“桜のトンネル”、桜に包まれたような感覚で、春爛漫のひとときを過ごすことができる。桜を眺めながらのんびりと散策するのもよし、どこかにシートを敷いてお花見ランチを楽しむのもいい。お花見の人たちで賑わう様子も春の休日らしくて素敵だ。
「入間川にこにこテラス」の桜は「入間川サイクリングロード」に沿って上流側の新富士見橋まで並ぶ。この桜並木が圧巻の景観だ。この辺りでは入間川はほぼ南北に流れており、上流側から眺めれば桜並木は順光を弾いて輝き、下流側から眺めれば逆光の中に霞むように浮かぶ。どちらも素晴らしい景観だ。広場脇から新富士見橋まで、のんびりと往復して桜並木の景観を楽しむのがお勧めだ。
「入間川サイクリングロード」の桜並木は河川敷に下りて見上げるように眺めるのもお勧めだ。春の青空を背景に日を浴びて輝く桜はたいへんに美しく、桜並木の下を歩くときとはまた違った魅力が感じられる。場所を変えて見上げる角度が変われば桜並木の表情も変わり、その見事な景観に飽きることがない。存分に春爛漫の景色を楽しもう。
「入間川サイクリングロード」の東側、河川敷部分の広場も「入間川にこにこテラス」の一部であるようだ。河川敷だけあって開放感に溢れ、のんびりと川風を感じながら散策するのも楽しい。桜の時期でも河川敷の広場には人の姿は多くなく、穏やかな時間を過ごせるのも嬉しい。
「入間川にこにこテラス」に植えられている桜は約120本ということだが、体感的にはもっと多いように感じる。すべてソメイヨシノのようだ。桜は園内随所に植えられており、のんびりと園内を巡ればさまざまに美しい桜の咲く景色に出会える。ゆっくりと時間をかけて楽しみたい、お花見には絶好の、春の「入間川にこにこテラス」である。