日南線の旅〜駅の横側
福島今町駅
福島今町駅
大堂津の駅を過ぎて海岸を離れた日南線は山間部を抜けて串間市に入り、日向大束日向北方の駅を辿って串間駅へと南下してくる。串間駅を過ぎると大きく西に進路を変え、福島今町の駅に到着する。駅から海は見えないが、すでに志布志湾岸と言ってよく、駅の南東側に福島港が近い。駅名の「福島今町」は、串間市が誕生する以前のこの辺りの町名「福島町」と、福島港近くの字名「今町」に由来している。
福島今町駅
駅は国道220号沿いだが、道路から少し北へ奥まっており、駅と国道の間には広場が設けられている。広場の一角には駐車スペースがあるが、停まっている車はあまりない。広場の奥に白い駅舎が建っている。もちろん今は無人駅だ。駅舎の傍らには蘇鉄が植えられており、夏空を背負った駅舎は南国の風情を漂わせている。駅舎の西側には自転車置き場があり、数台の自転車が停められている。自宅から駅まで自転車でやってきた人のものだろう。駅舎の中には「ようこそ!! 串間市へ おかえりなさい!!」と書かれたパネルが設置され、駅に降り立った人を迎えている。
福島今町駅
福島今町駅
福島今町駅 福島今町駅
駅は相対式ホームの間に二本の軌道を備えた交換可能駅で、さらに引き込みの軌道も備えている。日南線の駅の中では比較的規模の大きな方だと言っていいだろう。もちろん跨線橋などはないから、駅舎から北側のホームへは二本の軌道を横切って行かなくてはならない。
福島今町駅
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駅の周辺は何本もの川が集まって志布志湾に注ぐ河口部の平地で、山々へは少し距離がある。周辺には民家が点在しているが緑濃い長閑な風景が広がっている。山々の稜線はその向こうに遠く見え、頭上には夏空が広がるばかりだ。駅前の道路に出てみても駅前としての繁華な佇まいはない。古そうな民家が道沿いに建ち、家々を抱くように木々が葉を茂らせる。長閑な風景だ。駅前の国道を1kmほど東へ行くと福島港周辺の集落の中心で、鄙びた港町の佇まいが残っている。特に観光名所のようなものはないが、今町の集落から志布志湾を望む海岸を散策してみるのも楽しい。
福島今町駅
福島今町駅から西へ、日南線は国道220号と寄り添いながら志布志湾岸を辿る。次の福島高松駅を過ぎると間もなく県境を越えて鹿児島県だ。
福島今町駅
INFORMATION
福島今町駅
【所】宮崎県串間市西方
【開】1935年(昭和10年)4月15日
このWEBページは「日南海岸散歩」内「日南線の旅」カテゴリーのコンテンツです。
ページ内の写真は2007年夏に撮影したものです。本文は2010年4月に改稿しました。