日南海岸追想
懐旧の手書きバス停標識
串間市−都井方面
串間市中心部のJR串間駅脇の交差点から国道448号が東へ延びている。国道448号は都井岬の“付け根”の辺りまで延び、そこから今度は海岸部を北へと辿ってJR南郷駅前の交差点までを繋いでいる。この国道448号をほぼ辿って、串間市コミュニティバスの“都井方面”の路線が通っている。都井方面への路線には都井岬へと向かう「都井岬線」、都井の集落から志布志湾岸を西へ、「黒井」の集落へ向かう「黒井線」、都井の集落から太平洋岸へと峠を越えて、大納地区の「名谷」の集落へ向かう「名谷線」の三路線があるが、本頁ではほぼ「名谷線」のルートに沿って宮崎交通時代の旧バス停を掲載している。
上千野バス停標識
串間市中心部から国道448号を東へ、数km辿ったところに「上千野」バス停がある。「上千野」はこの辺りの小字名だ。写真は道路の北側に立つ標識を西から東に向かって撮影したもの。山々を縫うように抜けてゆく道路の様子がよくわかる。
(撮影:2008年夏)
自衛隊官舎前バス停標識 自衛隊官舎前バス停標識
「上千野」バス停から東へ、旧本城村の中心部に向かって国道は丘を越えてゆく。その丘の途中に「自衛隊官舎前」バス停が設けられている。その名が示すように、近くに自衛隊の官舎がある。バス停標識では「自衛隊」の「衛」の文字が略字になっている。写真はどちらも道路の北側に立つ標識を撮影したもので、上のものは西から東へ向かって、下のものは東から西へ向かって撮影したものだ。畑地の広がる丘の風景が少し写り込んでいる。「よかバス」では単に「自衛隊官舎」というバス停名になっている。
(撮影:2008年夏)
小幡バス停標識
旧本城村の中心部をやや過ぎたところに、かつては「小幡」バス停があったが、「よかバス」にはこの名のバス停は無い。道路脇に家々が建ち、小集落を成しているのがわかる。写真は道路北側の標識を西から東へ向けて撮影したものだ。
(撮影:2008年夏)
道場バス停標識
国道448号から北へ県道440号が分かれる辺りに「道場」バス停がある。県道440号は遍保ヶ野を経て、山間を抜けて市木地区へと辿る。「よかバス」にも「道場」バス停は設けられている。写真からは周辺の長閑な風景がよくわかる。
(撮影:2008年夏)
峠バス停標識 峠バス停標識
本城地区と都井地区とは山々に隔てられ、都井地区へ向かうには峠を越えなくてはならない。昔は曲がりくねった細道だったが、現在は広い道路が整備され、峠には「都井トンネル」が抜けている。そのトンネルの手前に設けられていたバス停が「峠」バス停だ。「○○峠」ではなく、ただ「峠」、何とも単刀直入な名が面白い。周辺には民家は見あたらず、このバス停を利用する人があるのだろうかと思っていたものだ。「よかバス」には「峠」バス停は設けられていない。上の写真はトンネルへ向かって、下の写真はトンネルの方から、同じ標識を撮影したものだ。
(撮影:2008年夏)
都井入口バス停標識 都井入口バス停標識
峠を越えると国道448号は都井地区へと南下してゆく。もう間もなく都井の集落という辺りに設けられているのが「都井入口」バス停だ。「よかバス」にも「都井入口」バス停がある。写真はどちらも道路の東側に立つ標識を撮影したもので、上のものは峠側から都井集落方面へ向かって、下のものはその逆方向から撮影した。下の写真では道路が遠くで上り坂になっている様子がわかる。周辺には山々の間に水田の横たわる長閑な風景が広がっている。
(撮影:2008年夏)
都井東口バス停標識
「都井入口」バス停からさらに集落側へ降りて「都井東口」バス停があった。この辺りの当方に「東」という小字名の地区があるから、そこへの入口という意味のバス停だったのだろう。「よかバス」には「都井東口」の名のバス停はない。
(撮影:2008年夏)
都井学校前バス停標識 都井学校前バス停標識
都井地区の中心部近くに「都井学校前」というバス停があった。その名が示すように都井小学校前に設けられていたのだが「よかバス」にはこの名のバス停は無い。他のバス停で代用されているのだろう。“小学校前”のバス停であるのに、バス停名は「都井学校前」、「都井小学校前」ではないところに少し興味を覚える。写真はどちらも道路西側に立つ標識を撮影したもので、上のものは南から北へ向かって、下のものは北から南に向かって撮影した。
(撮影:2008年夏)
都井中学校前バス停標識
都井中学校前バス停標識
都井地区の中心部から都井岬方面へ向かって東進してゆくと、「都井中学校前」バス停がある。その名のように都井中学校の前に設けられたバス停だ。「よかバス」では「都井中前」と、バス停名が短縮されている。都井中学校が建っている辺りは家々の並ぶ集落中心部からは少し離れており、山裾の長閑な風景が広がっている。上の写真でバス停標識の背後に見える広場は中学校の校庭である。
(撮影:2008年夏)
宮浦岐れバス停標識 宮浦岐れバス停標識
都井中学校前を過ぎてさらに東進すると、国道448号は都井岬へと連なる尾根へと登ってゆく。曲がりくねった坂道を登り詰めると三叉路がある。右手、南へ向かうのは県道36号で、都井岬へと至っている。左手、北へ向かうのは国道448号、宮之浦の集落へと尾根を降りてゆく。その三叉路近くに設けられていたのが「宮浦岐れ」のバス停だ。宮之浦の集落へ至る道との分岐点という意味だろう。「よかバス」には「宮浦岐れ」バス停は存在しない。上の写真の標識の背後に三叉路が写っている。下の写真は三叉路側から撮影したものだ。
(撮影:2008年夏)
恋ヶ浦バス停標識 恋ヶ浦バス停標識
宮之浦の集落から岬によって隔てられた北側の入り江を恋ヶ浦という。美しい砂浜があり、波乗りのポイントとして知られるところだ。その恋ヶ浦の南端付近に「恋ヶ浦」バス停が設けられている。写真はどちらも道路の西側、すなわち山側に立つ標識を撮影したもの。上の写真は南から北へ、下の写真は北から南へ向かって撮影した。どちらの写真にも恋ヶ浦の砂浜が少しだけ写り込んでいる。下の写真でバス停標識の左側背後に見えるのは小崎と呼ばれる岬で、その向こうに宮之浦の集落がある。
(撮影:2008年夏)
大納バス停標識 大納バス停標識 大納バス停標識
恋ヶ浦の入り江の北端付近には海岸部の僅かな平地に集落があり、小さな漁港もある。この付近の字名を「大納」という。「大納」はかなり広い地域を指す地名で、その中にはさまざまな小字名が存在するが、この付近は大納地区の中心地と考えていい。そこに設けられたバス停が「大納」バス停だ。上段の写真は2003年の夏に、中段と下段の写真は2008年の夏に撮影したものだ。上段写真の標識と中段写真の標識は同じものだと思うのだが、2008年の写真の標識はずいぶんと色が褪せ、傷んでいる。海岸という環境では傷みが激しいのだろう。5年の間にこれほど傷むのか、と思い、ふたつの写真を並べて掲載している。上段と中段の写真は南から北へ向けて、下段の写真は同じ標識を北から南へ向けて撮影したものだ。いちばん下の写真には背後に漁港の一部が写っている。
(撮影:2003年夏、2008年夏)
中河内バス停標識 中河内バス停標識
「大納」バス停からやや北に行ったところに「中河内」バス停があった。「よかバス」には「中河内」バス停は存在しない。この辺りでは国道448号がやや海岸から離れており、道路の両脇に木々が茂り、その中に家々が点在する。その様子が写真からもわかる。この辺りを通う「よかバス」の路線「名谷」線は、さらに北へ辿り、トンネルを抜けて大納地区の名谷の集落へと至っている。
(撮影:2008年夏)
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