多摩市諏訪六丁目の北端部、多摩東公園から「弓の橋」を渡って尾根幹線（南多摩尾根幹線道路）を越えた先は「多摩よこやまの道」の東端部で、「丘の上広場」という小公園が整備されている。展望台からの眺望が魅力的な広場だが、広場には桜が多く植えられており、春には圧巻の景色を見せてくれる。

多摩東公園から「弓の橋」を渡ると、「丘の上広場」の斜面下の広場だ。美しい枝垂れ桜が咲いている。斜面を登る階段状の坂道の入口脇に咲く姿が、訪れた人を出迎えてくれているかのようだ。

その上には濃いピンクの枝垂れ桜（ヤエベニシダレか）も植えられているが、開花期が少し異なっているようでまだ満開を迎えていなかった。うまく時期を選べば、あるいはその年の気候によっては紅白の枝垂れ桜の競演を楽しめるだろう。

「弓の橋」の袂から階段状に作られた園路を上っていくと、尾根の高みに作られた、まさに「丘の上広場」だ。

広場は展望所も兼ねているのだろう。北西側に視界が開け、眼下には「弓の橋」と多摩東公園を見下ろし、その向こうに多摩市東部の市街地が広がる。爽快な眺めだ。春にはその眺めを桜が彩り、風景が春色に染まった印象だ。ひととき腰を下ろしてのんびりと眺めを楽しむのもお勧めだ。

「丘の上広場」には桜が数多く植えられており、春には広場全体が桜に覆われる。「弓の橋」の袂にはシダレザクラの姿もあったが、上の広場の桜はすべてソメイヨシノのようだ。

尾根上の広場は「広場」とは言うもののそれほど広くはなく、尾根の高みに設けられた展望所といった様相だから、広場のあちこちから桜の景観を楽しんでもそれほど時間はかからない。場所を変えながら美しい桜景色を写真に収めていくのも楽しい。

「丘の上広場」は「多摩よこやまの道」の東側の始点（終点）に当たり、ここから西へ、町田市と多摩市の市境の尾根に沿うように「多摩よこやまの道」が延びている。「丘の上広場」から「多摩よこやまの道」へ歩を進めてすぐ、「弓の橋」の袂からスロープで上がってきた道が合流するところに、一本の桜が印象的に立っている。

この桜の姿がたいへんに美しい。坂の上から見下ろすように眺めたり、スロープから見上げるように眺めたり、あるいは西側から「弓の橋」を背景に眺めたり、そのそれぞれが美しい。春の「丘の上広場」を訪ねたら、ぜひこの景観を楽しんでおこう。お勧めである。

「丘の上広場」は尾根の上に設けられた小さな広場だが、春の桜の美しさは特筆するものがある。“桜の名所”と呼べるほどではないが、身近なお花見スポットとして充分に魅力的だ。「丘の上広場」から西へ「多摩よこやまの道」が延びているが、「多摩よこやまの道」の途中にもたくさんの素敵なお花見スポットが点在している。足を延ばして花見散歩を楽しむのもお勧めだ。