多摩市諏訪〜聖ヶ丘
冬の多摩東公園から市境の尾根道へ
Visited in January 2021
寒さの厳しい一月半ば、多摩東公園へ出かけた。冬景色の多摩東公園を一回りして、弓の橋を渡って川崎市麻生区との都県境の尾根へと歩いてみたいと思ったのだった。風が冷たくあまり散策に好適な季節とは言い難いが、落葉樹の葉が落ちて見晴らしが良く、眺望を楽しむにはいい時期だ。
のんびりと園内を一巡りしていこう。葉の落ちた落葉樹のシルエットが冬空に映えている。この季節にも青々と葉を茂らせたクスノキの姿も印象的だ。
弓の橋は1985年(昭和60年)に架橋の人道橋で、橋長82.3m、鋼中路式ニールセン橋と呼ばれる構造のアーチ橋だ。アーチを形作る部材が上部で狭くなっている、いわゆる“バスケットハンドル型”のアーチ橋である。
「丘の上広場」から南南西の方角に向かって「多摩よこやまの道」の遊歩道が延びる。遊歩道は、この辺りではちょうど多摩市と川崎市麻生区との都県境に沿っている。遊歩道の、すなわち尾根の北西側は東京都多摩市の多摩ニュータウン、南東側は神奈川県川崎市麻生区の「はるひ野」の住宅地である。
「多摩よこやまの道」は冬枯れの風景だ。引く角度で差す冬の日射しが美しい。
都道137号はすぐに東京都道・神奈川県道19号町田調布線を天王橋という橋で跨ぐ。天王橋の上から北を見ると、道路の右側に電波塔らしき建造物が建っているのが見える。
「連光寺給水所」という名だが、現在の住所は聖ヶ丘である。二基の配水塔が並ぶ様を間近に見るとなかなか圧巻である。二基合わせて11,000立方メートルの貯水容量があるそうである。
この辺りはちょうど都道137号が多摩市と稲城市の市境になっていて、道路の東側、すなわち東京都防災行政無線多摩稲城中継所が建っているのは稲城市若葉台である。
「みはらし緑地」は、その名の通り、園内から素晴らしい眺望が楽しめる。特に東の方向に視界が開け、眼下にはるひ野の住宅地を見下ろす。木々の葉も落ちて視界を妨げないから、開放感も倍増だ。備えられたベンチに腰を下ろし、しばらくその眺めを楽しむのもいい。
「みはらし緑地」からの眺めを堪能したら、そろそろ多摩東公園へと戻って今回の冬散歩を終えることにしたい。
以前から丘の上に建つ東京都水道局連光寺給水所や東京都防災行政無線多摩稲城中継所の姿を間近から見てみたいと思っていたのだが、ようやく機会を設けることができた。風の冷たい季節だが、澄んだ冬空の下の散策は楽しいひとときだった。