横浜市都筑区茅ヶ崎中央
茅ヶ崎中央
Visited in May 2005
横浜市都筑区茅ヶ崎中央の町は、横浜市営地下鉄「センター南」駅周辺を中心に商業施設も多く、都筑区役所も置かれており、都筑区の、そして港北ニュータウンの中心になる街と言ってよいのではないかと思う。その茅ヶ崎中央の町を、「センター南」駅前を中心に歩いてみた。
広場は爽快な開放感に富み、現代的な洗練を感じさせながらも穏やかな空気感を保っている。人工的な空間だが、随所に植栽された木々の緑が潤いを与え、晴れた日には色彩のコントラストがたいへんに美しい。
「すきっぷ広場」の周辺には商業施設などのさまざまな建物が建っているが、それらの建物には造形的に凝ったものも少なくなく、そうした建物の意匠を楽しみながら歩くのも悪くない。
普段の広場はのんびりとしたもので、階段状の部分の思い思いのところに腰を下ろしてくつろぐ人の姿がある。お昼時にはアウトドアランチを楽しむ人たちの姿も多い。「駅前」という喧噪の中でありながら、穏やかな公園としての空気感に満たされているのが素敵だ。
都筑区内で最も広い(2005年5月現在)公園という都筑中央公園は、港北ニュータウンとして造成される以前の雑木林をそのまま利用した公園で、尾根と谷戸との入り組む里山の風景を色濃く残している。園内は池や芝生の広場といった一般的な公園としての佇まいと昔ながらの里山としての野趣溢れる佇まいとが同居していて散策も楽しい。「センター南」駅から至近ということもあり、休日にお弁当を持ってピクニック気分で訪れるのに好適な公園だ。
さらに南へ向かうと「開成歩道橋」や「はなやぎ歩道橋」といった人道橋が茅ヶ崎南へと繋いでいる。美しい舗道がそのまま茅ヶ崎南四丁目と五丁目の境に沿うようにさらに南へと延びている。舗道は樹木に囲まれた緑道という佇まいで、道脇の住宅街も美しく、小公園などもあり、穏やかな空気に満ちている。周辺は住宅街だが散策は楽しい。
舗道を道なりに進んでゆくと目の前にこんもりと木々を抱える丘が見えてくる。葛ヶ谷公園の雑木林だ。葛ヶ谷公園の手前には「ささぶねのみち」という名の緑道があり、これを東へ辿ると鬱蒼と木々の茂る中を抜けて大原みねみち公園へも近い。これらの緑道と公園とを繋いでひととき緑の中に散策の足を延ばすのもいい。
「センター南」駅前から特に南へ向けて、街の佇まいそのものがたいへんに美しい。そうした街の表情を味わいつつ、周辺の公園や緑道を巡っての散策はとても楽しいものだ。「センター南」駅の北側には早渕川が近く、河岸へと散策の足を延ばすのも悪くない。のんびりと散策を楽しんだ後は、駅前に並ぶレストランで食事やティータイムを楽しむのがいい。地元に暮らす人たちにとってはもちろん、来訪者の立場であっても充分に楽しいひとときではないかという気がする。