八王子市
第41回八王子まつり
Visited in August 2001
第41回八王子まつりは2001年8月3日(金曜日)から5日(日曜日)にかけて開催された。例年の祭りとほぼ同じ内容だが、やはり市を挙げての祭りということもあって大いに盛り上がっていたようだ。今年の八王子まつりには、その初日の午後と最終日の午後に出かけてみた。
夕刻近くになって、放射線通りで「氷の彫刻展」が行われる。単に「氷で造られた彫刻の展示」というのではなく、全国の職人さんによる氷の彫刻のコンテストであるらしく、放送でそれぞれのプロフィールなどが紹介され、氷の彫刻の技術と出来映えを競う。周囲は見物の人々が取り囲み、大きな氷の固まりから次第に美しい形が削り出されてゆく様子を見守っている。係りの人から氷のかけらを貰って遊んでいる子どもたちの姿もある。
氷の彫刻の制作はなかなか時間のかかる作業で、猛暑の中の作業とあって制作中にも氷は次第に溶けてゆく。最初に削られた部分は最終の作業の頃にはかなり溶けてしまっているわけで、それを勘案しながらの作業なのだそうだ。数種類の道具を使い分けて氷を削ってゆく作業は、職人技というのか、そうしたことに素養の無い身にとっては驚嘆すべき技術であるような気がする。時に大胆に時に細心に氷の固まりを削ってゆく作業は見ていても飽きない。透き通る氷の固まりとそこから削り取られてゆく氷のかけらは、猛暑の中に涼しげな風情を与えてくれるものだった。
最終日は甲州街道が車両通行止めとなり、夕方近くになると「関東太鼓合戦」と「千貫みこし」で賑わっている。八幡町の交差点を境に、東側では太鼓合戦、西側では千貫みこしだ。
太鼓はいくつかのグループが競演している形のようで、それぞれに見物の人だかりがある。見物の人々を最も多く集めていたのは有名な「陣馬太鼓」だったようだが、どのグループの太鼓もそれぞれに素晴らしく、勇壮な太鼓の響きが祭りを盛り上げてくれる。演奏者の中には女性の姿も少なくない。やはり男性に力では劣るのか、太鼓の響きが異なるのだが、その演奏自体は男性に劣るものではない。きりりとして勇ましい演奏は見ていても爽快で気分のよいものだ。
四車線の甲州街道をいっぱいに使っての「千貫みこし」の渡御は見事なものだ。見物の人々と氏子衆と警備の人とが見守る中、提灯を掲げ持った氏子衆の先導によって千貫神輿はやってくる。提灯を掲げ持つ先導の氏子衆の姿もとてもいい。提灯を高く掲げ、キッと前を見据えてゆっくりと歩を進めるその姿は厳粛ささえ感じさせて、この神輿の渡御が神事であることを思い起こさせてくれる。
三日間の日程で開催される八王子まつりは、その期間中にさまざまな場所でさまざまなイベントが行われている。そのすべてを見ることはなかなか難しいが、今年は昼の山車曳き廻しと千貫神輿を、来年は花火大会を、その次には夜の山車曳き廻しを、といったふうに、ある程度対象を絞って楽しむとよいかもしれない。