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相模原市水郷田名
相模川ふれあい科学館
Visited in August 2005
(本頁の内容には現況と異なる部分があります)
相模川ふれあい科学館
相模川の河畔、相模原市水郷田名(住所は2005年7月に「相模原市田名」から「相模原市水郷田名」に変更)の町に、「相模川ふれあい科学館」という施設がある。「ふれあい」という言葉が示すように、相模川により親しむことを目的に設立された相模原市立の施設だ。科学館のパンフレットには「相模川に<集い><学び><遊ぶ>ための拠点として」とある。科学館には約70種類の淡水魚が展示されているという。「科学館」というと少し堅苦しいが、いわば「淡水魚の水族館」として楽しむこともできるだろう。入館料は必要だが、子ども連れの家族であれば充分に楽しむことのできる施設だ。
【追記】
相模川ふれあい科学館は2014年(平成26年)3月26日にリニューアルオープンしている。「相模川に集い、親しみ、楽しく学ぶ交流拠点」として「人と川とのつながりや環境保護、人々の交流を促進するための機能」を付加したそうだ。リニューアルに伴い、「アクアリウムさがみはら」という愛称が加えられている。本頁の内容はリニューアル以前のものである。 
相模川ふれあい科学館「流れのアクアリウム」
科学館は決して規模の大きな施設ではないが、館内にはさまざまな展示物があって楽しい。滝やうずなどのいろいろな流れを組み合わせた装置で水力発電や水車などの川の技術を紹介する「流れのオブジェ」、地球上の水の循環や利用のされ方をスライドや模型を用いて小劇場形式で紹介する「水のシアター」、相模川の様子などを紹介する「ビデオシアター」などがあるが、中でも興味を引くのは「流れのアクアリウム」だろう。「流れのアクアリウム」は相模川の最上流域から最下流域までの流れをモデル化し、それぞれの流域の植物や魚類を展示した長さ40メートルの水槽だ。水槽は最上流部から河口部まで数区画に分けられ、それぞれの流域に棲息する植物や魚類、エビやカニなどの小動物を見学することができる。いわば相模川のシミュレーション・モデルである。館内には他にもオオサンショウウオの展示や、各種水槽での展示もあり、充分に楽しむことができる。

相模川ふれあい科学館「タッチング池」
休憩コーナー横には「タッチング池」と名付けられた水槽があり、水槽内のカメやザリガニなどの小動物に実際に触れることができる。今回訪れたときには水槽内には数匹のカメがおり、小さな子どもたちの人気を集めていた。中にはつかみ上げたカメを水槽の中に放り投げる子どももいて、カメの方にしてみればなかなか大変だ。入口横の「講習室」では季節毎に特別展が催されていることもあり、訪れる際には事前に確認しておくとよいだろう。また夏になると夏休みになった子どもたちのためにさまざまなイベントも開催されるようだ。子どもたちの夏休みの自由研究の題材探しにもよいかもしれない。
相模川ふれあい科学館「タッチング池」
科学館への入館は有料だが、敷地内は自由に利用できる。科学館の前庭部分は公園のように設えられ、木陰のベンチでくつろぐ家族連れの姿も少なくない。お昼時にはシートを広げてお弁当を食べる家族連れの姿もあり、ここだけを見ればのんびりとした公園の風景とそれほど違いがない。

相模川ふれあい科学館
前庭部分には水路や池が設けられ、初夏から夏にかけては水遊びする子どもたちで賑わう。前庭奧の一段高くなったところの、さらに奥まったところに水車があり、そこから流れ出る水が円形の池に注ぐ。池は浅いすり鉢状で、中心部が少し深くなっている。深いといっても子どもの足の膝丈くらいだから心配は要らない。その池から科学館正面の方向へ向かって小さな滝が連なったように段々が設けられた水路が延び、小川を模した水路へと繋がっている。小川は弧を描いて科学館の前庭を流れており、この小川でも水遊びが可能だ。円形の池、段差のある流れ、小川を模した流れと、さまざまな表情の水路での水遊びは子どもたちにとっても楽しいものであるようだ。

四月末から五月初旬にかけての大型連休の時期、水郷田名の町は「泳げ鯉のぼり相模川」で賑わい、この「相模川ふれあい科学館」も訪れる人が多いが、すでにこの時期から水遊びは可能で、初夏の陽気に誘われて子どもたちが水飛沫の中で歓声を上げている。春から夏にかけて科学館を訪れる際、小さな子ども連れであれば着替えやタオルなどを準備しておいた方がよいだろう。
相模川ふれあい科学館
相模川ふれあい科学館「アルキメデスのポンプ」
あまり目立たないが敷地内の隅に「アルキメデスのポンプ」が設置されている。「アルキメデスのポンプ」は螺旋状の仕切を設けた筒を傾斜させて設置し、それを回転させることで揚水が可能なポンプのことで、古代ギリシャの数学者であるアルキメデス(Archimedes)が発明したことからこの名がある。古代エジプトでも同じ原理のポンプでナイルの水を汲み上げていたという。現代では子どもたちのための理科教材的な扱いでこうした「水」をテーマにした科学館などに設置されている例も多く、それらのポンプの多くは透明のチューブを筒の回りに螺旋上に巻き付けた構造で、水の動きがよく見えるように造られている。「相模川ふれあい科学館」に設置されている「アルキメデスのポンプ」もそうした構造のもので、手前に設置されたハンドルを回すことでポンプが回り、水が汲み上げられてゆく様子を見ることができる。「アルキメデスのポンプ」は、水は高いところから低いところへと流れる、ということを利用して、低いところから高いところへと水を汲み上げる。原理を理解してしまえば簡単なのだが、初めて見る子どもたちにとっては不思議なことかもしれない。「何故だ」と思う気持ちを大切にして欲しいと、思ったりする。
「相模川ふれあい科学館」は家族連れで訪れるのが楽しい。小さな子どもたちにとってもさまざまな魚の姿を間近に見ることができるのは楽しいに違いない。子どもが小学生くらいの年頃であれば、学校で習ったことと関連づけることができて、相模川の自然や河川の生き物についての興味もまた違ってくるだろう。科学館を見学した後は「水郷田名」の散策を楽しむのもお薦めだ。田名八幡宮も近く、さらに歩けば相模川河岸へも近い。のんびりと歩いてみるといい。科学館の駐車場が用意されているが、駐車スペースにはそれほど余裕はなく、行楽シーズンにはすぐに満車になってしまう。バスを利用する方がいいかもしれない。ドリンク類の自動販売機はあるが、レストランなどは併設されていない。家族連れならお弁当持参がお勧めだ。休館日、開館時間、入館料、イベントの開催予定、バス路線など、詳細については科学館の公式サイトを参照されたい。
相模川ふれあい科学館