横浜線沿線散歩公園探訪
町田市本町田〜高ヶ坂
芹ヶ谷公園
August 1999
芹ヶ谷公園
町田の芹ヶ谷公園は原町田と高ヶ坂の境に、ほぼ南北に細長く位置しており、北側は一部南大谷も含まれている。周囲に比べて窪地となっていて、両脇を雑木林に挟まれ、湧き水などもあるところを見ると、かつては里山に入り込む谷戸であったのだろう。その地形のためか、町田市の市街に近く町田街道にも近い場所でありながら、街中の喧騒からは遠く、静かで落ち着いた空間を成している。
公園の南の端には国際版画美術館が併設されている。版画専門の美術館としては国内初なのだそうだ。版画美術館の西側、版画美術館側から入ってくると美術館の裏手のような印象の一角は「日本庭園」と名付けられ、池を取り囲む林の中に散策路が設けられている。この「日本庭園」の東側の上方に公園のメインエントランスが設けられており、園内に至る舗道沿いには花壇なども整備されている。

芹ヶ谷公園
版画美術館のある一角の北側には「虹と水の広場」という名の広場がある。中央部に巨大なオブジェを思わせる噴水のある池がある。この噴水のオブジェは、塔の先端部分から水が出る仕組みのようだが、自在に向きを変える二本の金属のバーが翼を思わせるように取り付けられている。見ていると動きはランダムで、何かの動力によって動かされているのではなく、落ちる水と風とによって形を変えているように思える。

中央部の円柱も両翼部分のバーも表面の金属光沢が周囲の景色や空の色を映し、形を変えればまた映り込む景色も変わって、見ていて飽きない。園内の案内板にはただ「噴水」としか記されてはいないが、なかなか見応えのあるオブジェだという気がする。この噴水と池は、夏には子どもたちの水遊びの場所となるところでもある。

「虹と水の広場」の北側には「多目的広場」と名付けられた広場がある。ここはむき出しの地面の何もない広場だが、この広場の東側に桜が植えられており、春の景観は素晴らしい。「多目的広場」の北側に公園を分断するように道路が横切っている。原町田五丁目と高ヶ坂、南大谷方面とを繋ぐ道路だが、公園はこの道路をトンネルで抜けてさらに北側に繋いでいる。
「多目的広場」から道路で隔てられた公園の北側は南側部分とは印象が異なり、林と池と水路とで構成された緑溢れる空間だ。トンネルの「連絡通路」を北に抜けてすぐ左手の部分は「冒険広場」と名付けられた子どもたちの遊び場で、フィールドアスレチック風の遊具などが設置されており、近所の若いお母さんたちが子どもたちを遊ばせている姿を見ることが多い。

芹ヶ谷公園
そこから北に向けて、池と水路と木立の中を縫うように散策路が伸びている。ところどころにはベンチや東屋が置かれていて、のんびりと散策するには絶好の一角と言って良い。池の中には鯉の泳ぐ姿もあり、両脇の雑木林からは湧き水などもあったりする。散策を楽しむ人の姿も少なくなく、時にはスケッチを楽しむ人を見ることもある。春の桜秋の紅葉も美しい一角だが、地形のために日当たりが良くないせいか、紅葉はかなりの好条件の年でなければ美しい色には染まらないようだ。

最も北側の奥まった部分には狭いながらも芝生の広場や花木園などがあり、のんびりとしたひとときを過ごすことができる。梅の木も植えられているが、一般的な梅林というほどの数はなく、早春の散策の目を少しだけ楽しませてくれるといったところだろう。この一角にトイレが設置してあるのだが、このトイレの男女の区別を示す方法が面白い。男性側には「ひょっとこ」、女性側には「おかめ」の顔を描いたプレートが、それぞれ取り付けられているのだ。誰の発案なのかはわからないが、なかなか洒落ているではないか。
芹ヶ谷公園芹ヶ谷公園
春の桜の他は特に花の名所というわけでもなく、また特筆するほどの特徴のある公園ではないが、町田の市街地から至近距離にあって緑に包まれた静かな佇まいというのはなかなか素晴らしいものだと言ってよいだろう。国際版画美術館では常設展の他に特別展も随時開催しており、これらを鑑賞して、園内を散策して過ごすというのはなかなか素敵な休日の過ごし方だろう。また版画美術館からは原町田市民の森へも近く、散策の足を伸ばしてみるのも良いものだろうと思う。開園時間は朝6時から夕方6時まで、7月〜9月は夕方7時までとなっている。駐車場は国際版画美術館利用者用のものが二ヶ所ほど用意されている。
芹ヶ谷公園