町田市小野路町
早春の小野路
Visited in February 2003
よく晴れた二月の末、早春の表情を求めて町田市小野路町を歩いた。小野路町は昔ながらの里山が残って四季折々の散策が楽しいところだ。冷たい北風の強い日だったが、日溜まりは暖かく、歩いていると汗ばんでくるほどだった。
小野路町の散策であれば小野神社付近から入り込んでゆくのが一般的かとも思うが、今回は敢えて多摩ニュータウン側から降りてゆくことにする。出発点は尾根幹線と鎌倉街道との交差点近くだ。京王の車庫の裏手の道路から小野路側へと上る斜路があり、その道路はすぐに細い尾根道となって南へと辿っている。斜路を上がりきると、多摩ニュータウンの風景から一転して里山の尾根道の風景になる。道は舗装されてはいるが、軽自動車なら何とか通れるだろうかというほどの幅だ。
その道を進み、通信会社設備の鉄塔の横を抜けると、前方に梅林が見えてくる。すぐに視界が開けてくる。左手眼下にはすぐ近くを鎌倉街道が抜けているために車の騒音などが届いて興をそがれるが、右手にはのどかな里山の風景が広がる。丘の下に広がる畑地は近くにある恵泉女学園の教育農地だ。今は人の姿もないが、やがて四月になると新入生を迎えて、この農地も賑やかになることだろう。
左右に視界の開けた尾根道の前方に梅林がある。もちろん営農用の梅林で立ち入りはできないが、日差しを受けた梅の花が輝いている。ほとんどが白梅だが、ところどころに紅梅が混じり、色彩のアクセントになって美しい。左手眼下の畑地の中にも梅が咲いており、見下ろすような視点でとらえる梅の表情がいい。
曲がってゆく道を辿って梅林を左に回り込むと、何軒かの民家の建つ一角を抜ける。昔からこの丘の上に暮らしているのだろう。その一角を道は大きくUの字の形を描いて降りてゆく。道脇には墓所もあり、その傍らには大きな樹木がそびえていて、その堂々とした姿が目を引く。家々の傍らを抜けて坂道を降りると、右手の谷戸から延びてきた道と合流する。その道は多摩市南野の妙櫻寺の傍らから恵泉女学園の畑地の中を抜けて延びてきた道だ。
その道を進み、通信会社設備の鉄塔の横を抜けると、前方に梅林が見えてくる。すぐに視界が開けてくる。左手眼下にはすぐ近くを鎌倉街道が抜けているために車の騒音などが届いて興をそがれるが、右手にはのどかな里山の風景が広がる。丘の下に広がる畑地は近くにある恵泉女学園の教育農地だ。今は人の姿もないが、やがて四月になると新入生を迎えて、この農地も賑やかになることだろう。
左右に視界の開けた尾根道の前方に梅林がある。もちろん営農用の梅林で立ち入りはできないが、日差しを受けた梅の花が輝いている。ほとんどが白梅だが、ところどころに紅梅が混じり、色彩のアクセントになって美しい。左手眼下の畑地の中にも梅が咲いており、見下ろすような視点でとらえる梅の表情がいい。
曲がってゆく道を辿って梅林を左に回り込むと、何軒かの民家の建つ一角を抜ける。昔からこの丘の上に暮らしているのだろう。その一角を道は大きくUの字の形を描いて降りてゆく。道脇には墓所もあり、その傍らには大きな樹木がそびえていて、その堂々とした姿が目を引く。家々の傍らを抜けて坂道を降りると、右手の谷戸から延びてきた道と合流する。その道は多摩市南野の妙櫻寺の傍らから恵泉女学園の畑地の中を抜けて延びてきた道だ。
そのまま道を南へと辿る。左手は丘だが、右手には広々と畑地が広がり、その向こうに雑木林が見える。新緑の季節を迎えるととても美しい風景が楽しめる場所だが、今はまだ林も冬枯れの風景で少々殺風景だ。畑地に育つ野菜の瑞々しい緑色がその景色の中に映える。道を辿るとやがて住宅が多くなってくるが、そのあたりで道脇に小規模ながら梅林があって、見事な白梅の花が風景を彩っている。
さらに進むと、左手眼下に谷戸田の風景が見えてくる。谷戸田も今はまだ殺風景だが、その閑寂とした様子もなかなか興趣のあるものではある。道は谷戸を突っ切って西へ延びる道と合流する。その道へと歩を進める。少しばかり寒々しい印象の谷戸田の中を抜け、道の傍らの馬頭観音などを眺めながら林の横の道を進み、グラウンドの横を過ぎると、道は切り通しを抜ける。
さらに進むと、左手眼下に谷戸田の風景が見えてくる。谷戸田も今はまだ殺風景だが、その閑寂とした様子もなかなか興趣のあるものではある。道は谷戸を突っ切って西へ延びる道と合流する。その道へと歩を進める。少しばかり寒々しい印象の谷戸田の中を抜け、道の傍らの馬頭観音などを眺めながら林の横の道を進み、グラウンドの横を過ぎると、道は切り通しを抜ける。
切り通しを抜けると、旧街道の面影の残る小野路のバス通りから上ってきた道に出る。眼前には美しい里山の風景が広がっている。道を左手に辿ると、里山散策趣味に人たちにはすっかりお馴染みになったお地蔵様のある分岐点がある。分岐点を右手に辿ると、やがて道は市有地に至るのだが、その手前で左に逸れる細道があり、未舗装の山道のようなその細道を辿ってゆくと、やがて多摩市南野の一本杉公園の裏手へと抜け出る。一本杉公園もこの季節には古民家周辺の梅が美しい。時間と体力が許せば、小野路散策のついでに立ち寄るのも悪くない。
お地蔵様の分岐点を左に辿ると、道はすぐに細くなり、やがて畑地の中に延びて消える。畑地は切り通しを抜けたところで眼前に見える畑地で、丘に囲まれて箱庭のような風情で横たわる様子が何とも言えず良い趣がある。畑地へと降りる小径の横に梅の木がぽつり一本、花を咲かせていて、これがまたとても良い風情だ。規模の大きな絢爛な梅林も良いものだが、春を待つ里山の中の素朴な梅の花の風情にもとても良い味わいがあり、そうした風景に出会うのがこの季節の里山散策の醍醐味と言っても良いかも知れない。
お地蔵様の分岐点を左に辿ると、道はすぐに細くなり、やがて畑地の中に延びて消える。畑地は切り通しを抜けたところで眼前に見える畑地で、丘に囲まれて箱庭のような風情で横たわる様子が何とも言えず良い趣がある。畑地へと降りる小径の横に梅の木がぽつり一本、花を咲かせていて、これがまたとても良い風情だ。規模の大きな絢爛な梅林も良いものだが、春を待つ里山の中の素朴な梅の花の風情にもとても良い味わいがあり、そうした風景に出会うのがこの季節の里山散策の醍醐味と言っても良いかも知れない。
畑地を後にして道をバス通り方面へと進む。道脇には小さな稲荷社などもあって散策の目を楽しませてくれる。やがて道脇には住宅が多く建ち並び、バス通りへと抜け出る。バス通りは昔からの道ということもあって道幅は狭く、車両のすれ違いもままならないのだが、交通量は多い。歩道も設けられていないから道脇を歩くにも、車の動きを見ながらの慎重さが必要だ。バス通りを進むと、やがて角に野菜の無人販売所の設けられた十字路に出る。十字路から右(東)へ上ると一本杉公園の裏手へと辿ることができる。
その十字路を左(西)へ入り込むと、丘へ登る坂道が続き、やがて丘の上の畑地へと着く。丘の一角には牧場もあって、のんびりとした牛の姿も見ることができる。丘の上だからか、北風が強く吹きすぎ、とても寒い。牛は寒くないのか、まるで気にするふうではない。
牧場の傍らを過ぎて万松寺谷戸方面へと道を降りてゆくと、道脇に美しい梅林があった。強い風のためか、空には雲もなく、青く澄んだ空を背景に見る梅林はとても美しい。特に立ち入りを禁ずる旨の但し書きや柵などは無いが、営農地であることは明白であるから、道から眺めるだけにしておく。梅林の一角では、農家の人が枝を落とす作業をしておられた。そうやって適度に枝を落としてやることによって、梅の実りがよくなるのだろう。梅林を後にして坂道を降りてゆく途中、三脚を取り付けたカメラを抱えて坂道を登る人とすれ違った。きっと梅林の写真を撮りに行かれるのだろう。
坂道を降りきると、左手眼下に万松寺谷戸の端部分の風景が見えてくる。道脇に並ぶ家々の庭先などでも梅が花を咲かせている。それに誘われて万松寺付近まで歩いてみたが、今回は谷戸の奧へは進まなかった。谷戸もようやく浅い春を迎えようとしている頃だろう。そこから引き返し、小野神社の傍らへと出た。道路は車の通行も多く、のどかな里山の風景から一気に日常へと引き戻される感じがする。今回の散策はこの辺りで帰路を辿ることにしたい。
その十字路を左(西)へ入り込むと、丘へ登る坂道が続き、やがて丘の上の畑地へと着く。丘の一角には牧場もあって、のんびりとした牛の姿も見ることができる。丘の上だからか、北風が強く吹きすぎ、とても寒い。牛は寒くないのか、まるで気にするふうではない。
牧場の傍らを過ぎて万松寺谷戸方面へと道を降りてゆくと、道脇に美しい梅林があった。強い風のためか、空には雲もなく、青く澄んだ空を背景に見る梅林はとても美しい。特に立ち入りを禁ずる旨の但し書きや柵などは無いが、営農地であることは明白であるから、道から眺めるだけにしておく。梅林の一角では、農家の人が枝を落とす作業をしておられた。そうやって適度に枝を落としてやることによって、梅の実りがよくなるのだろう。梅林を後にして坂道を降りてゆく途中、三脚を取り付けたカメラを抱えて坂道を登る人とすれ違った。きっと梅林の写真を撮りに行かれるのだろう。
坂道を降りきると、左手眼下に万松寺谷戸の端部分の風景が見えてくる。道脇に並ぶ家々の庭先などでも梅が花を咲かせている。それに誘われて万松寺付近まで歩いてみたが、今回は谷戸の奧へは進まなかった。谷戸もようやく浅い春を迎えようとしている頃だろう。そこから引き返し、小野神社の傍らへと出た。道路は車の通行も多く、のどかな里山の風景から一気に日常へと引き戻される感じがする。今回の散策はこの辺りで帰路を辿ることにしたい。
早春の里山はまだ冬枯れの風景だが、それもそれなりに緑濃い季節とはまた違った興趣があって散策は楽しい。ところどころで見事な梅林に出会うのも嬉しいし、畑地の傍らにぽつりと咲く梅などに春の兆しを感じるのも楽しい。