神奈川県藤沢市の引地川親水公園は引地川の河畔に設けられた開放感溢れる公園だ。園内には紫陽花も植栽され、六月の公園に彩りを添える。梅雨の晴れ間の六月初旬、引地川親水公園を訪ねた。
紫陽花の咲く引地川親水公園
六月初旬、梅雨入りしたものの天候に恵まれ、引地川親水公園はそろそろ夏の気配だ。子どもたちは川遊びで一足早い夏を楽しんでいる。
紫陽花の咲く引地川親水公園
紫陽花の咲く引地川親水公園
公園のメインエントランスが設けられた天神橋の袂から引地川右岸を上流側へと辿ってゆくと、園路沿いの随所に紫陽花が植えられていることに気付く。数はそれほど多くはないが、ところどころで花を咲かせる紫陽花が緑濃い公園に色彩を加えてくれている。一般的な西洋アジサイに加え、ガクアジサイの姿もある。六月初旬ではまだ咲き揃っていない印象だが、もっと花数が多くなればさらに美しい景観を見せてくれることだろう。端正に整備された公園の中、“紫陽花の咲く風景”の美しさを充分に楽しむことができる。紫陽花の花を探しつつ、滴るような緑を楽しみながらの散策がお勧めだ。
紫陽花の咲く引地川親水公園
紫陽花の咲く引地川親水公園
天神橋下流側、左岸部に設けられた広場には、東側外縁部に沿って紫陽花が植えられている。こちらは満開に近く、広場の縁に美しい紫陽花の帯を現出させている。遠目に見る景観も悪くはないが、紫陽花のすぐ横に立って視線の先へと連なる紫陽花を見る景観が見事だ。濃淡の赤紫に染まる紫陽花が緑の広場に鮮やかな縁取りを加えている。紫陽花の帯に沿うように辿ってゆけば場所によって景観の表情も変わり、それぞれに興趣ある風景を見せてくれる。視界の奥へと延びる紫陽花の帯の横には、公園でのひとときを楽しむ人たちの姿がある。その光景も素敵だ。
紫陽花の咲く引地川親水公園
天神橋横の広場の縁に植えられているのはすべて西洋アジサイだが、さらに下流側へも“紫陽花の帯”は続き、ガクアジサイの姿も混じるようになる。残念ながら下流側ではあまり咲いていなかったが、これらも咲き揃えば美しい“紫陽花の回廊”のようになることだろう。
紫陽花の咲く引地川親水公園
天神橋下流側、左岸部の広場の紫陽花は見事だが、“紫陽花の名所”としてお勧めできるほどの規模とは言い難いだろう。しかし緑濃く開放感溢れる公園で、“紫陽花の咲く風景”を充分に楽しむことができる。公園の性格から考えれば梅雨の晴れ間の晴天の日に訪れるのがお勧めだが、曇天模様や小雨の降る日には紫陽花がさらに良い風情を感じさせてくれることだろう。
田植えの終わった水田
六月初旬、引地川河畔の水田は田植えが終わっているようだった。植えられたばかりの苗はどこか頼りなく、風に揺れながら立つ様子が健気だ。水を張った田圃は周囲の風景を映し、この時期ならではの田園風景を見せてくれる。六月に引地川親水公園を訪れたなら、こうした田園風景も併せて楽しんでおきたい。
田植えの終わった水田
参考情報
本欄の内容は引地川親水公園関連ページ共通です
交通
引地川親水公園の最寄り駅は小田急江ノ島線善行駅だが、公園まで2kmほど歩かなくてはならない。藤沢駅や辻堂駅、小田急江ノ島線湘南台駅などからのバス路線を利用するのが得策だろう。最寄りのバス停は「天神社前」、バス路線の詳細などは藤沢市サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)などを参照されたい。

車で訪れる場合は藤沢バイパス(国道1号)の「城南」交差点から県道43号を北上するのがわかりやすい。城南交差点から1.5kmほど北上し、丁字路の交差点を東へ折れれば公園駐車場がある。綾瀬市方面から来る場合も県道42号から県道43号へと辿るのがわかりやすいだろう。

公園には天神橋横と大庭遊水地の広場北側の二ヶ所に駐車場があり、合わせて100台分を超える駐車スペースがあるが、行楽シーズンの休日には足りないようだ。特に3月末から4月上旬のお花見シーズンのお昼頃には平日でも駐車場の空き待ちの列が並ぶ。余裕を持って出かけよう。

飲食
公園内にはレストランや売店などはない。河畔の立地の開放感溢れる公園だからお弁当持参でのピクニック感覚での来園がお勧めだ。

公園周辺には店舗などは少ないが、県道43号沿いにファミリーレストランがある。県道43号の西へ移動すれば「湘南ライフタウン」、主要道沿いに飲食店が点在している。

周辺
引地川に沿って、その河畔には水田の広がる田園風景が残っている。散策の足を延ばしてみるのも楽しい。

県道43号を挟んで西側には大庭城趾公園がある。木々に覆われた丘の上には芝生の広場などがある。大庭城趾公園の北西側には裏門公園や二番構公園など、城跡を偲ばせる名の公園が点在している。巡ってみるのも一興だろう。
紫陽花散歩
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