神奈川県藤沢市の大庭城址公園は中世の山城跡を公園として整備したものという。桜や藤の美しい公園だが、バラや紫陽花の花を楽しむこともできる。紫陽花の季節を迎えた六月初旬、大庭城址公園を訪ねた。
紫陽花の咲く大庭城趾公園
六月初旬、大庭城址公園は滴るような緑に覆われている。桜の新緑もすでにすっかり緑濃く、梅雨の晴れ間に緑陰を落としている。見事な景観を見せてくれていた藤棚もとっくに花の時期を終え、今は緑に葉を茂らせている。花木園ではそろそろバラが見頃の時期を過ぎ、紫陽花が花を咲かせ始めている。
紫陽花の咲く大庭城趾公園
大庭城址公園の紫陽花は花木園とその周辺の園路脇に植えられ、緑一色の園内に彩りを添える。六月初旬ではまだ最盛期ではなかったこともあってか、辺り一面を覆い尽くすような紫陽花の景観が楽しめるわけではないが、園路脇に並ぶ紫陽花は興趣に富んで美しい。紫陽花の根方にホタルブクロの姿を見つけられるのも嬉しい。
紫陽花の咲く大庭城趾公園
植えられている紫陽花は西洋アジサイが多いが、ガクアジサイも見ることができる。特に珍しい品種の紫陽花があるわけではないようで、一般的に見ることのできる紫陽花だが、紫陽花の花の持つ情趣が緑濃い公園の雰囲気によく似合っている。
紫陽花の咲く大庭城趾公園
紫陽花の咲く大庭城址公園はしっとりと落ち着いた佇まいが魅力だが、“紫陽花の名所”と呼ぶほどの規模ではなく、そのためもあってか、紫陽花を目当てに大庭城址公園を訪ねる人は少ないようだ。しかしそのお陰で静けさに満ちた園内でゆっくりと散策を楽しむことができる。梅雨空が続いて鬱陶しい季節だが、緑滴る園内を紫陽花を探しながらのんびりと散策するのは楽しいひとときだ。
紫陽花の咲く大庭城趾公園
参考情報
本欄の内容は大庭城趾公園関連ページ共通です
交通
大庭城趾公園の最寄り駅は小田急江ノ島線善行駅だが、公園まで2km以上の距離がある。藤沢駅や辻堂駅、小田急江ノ島線湘南台駅などからのバス路線を利用するのが賢明だろう。バス路線の詳細などは藤沢市サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)などを参照されたい。

車で訪れる場合は藤沢バイパス(国道1号)の「城南」交差点から県道43号を北上するのがわかりやすい。城南交差点から1.5kmほど北上し、舟地蔵交差点を過ぎると左手に公園がある。綾瀬市方面から来る場合も県道42号から県道43号へと辿るのがわかりやすいだろう。県道43号を南下し、藤沢変電所を過ぎた辺りで右手に公園の丘が見えてくる。

公園駐車場は公園西側に設けられているが、初めての人には場所がわかりにくいので注意されたい。駐車場は40台分近い駐車スペースがあるが、充分ではなく、行楽シーズンの休日には満車状態が続くようだ。余裕を持って出かけた方がいい。

桜の花期、お花見シーズンには公園駐車場は駐輪場と身障者用駐車場として利用され、一般の駐車はできない。臨時駐車場も用意されていないので、車での来園は避けた方がいい。

飲食
公園内にはレストランや売店などはない。近辺にも飲食店はほとんど無いので、お弁当持参での来園をお勧めする。コンビニエンスストアは公園南側、小糸川を渡った南側に2店ほどある。

公園周辺から少し離れれば、県道43号沿いや公園西側の「湘南ライフタウン」内に飲食店が点在している。

周辺
大庭城趾公園から県道43号を挟んだ東側、引地川の河畔に引地川親水公園がある。さらに引地川に沿って、河畔には水田の広がる田園風景も残っている。引地川河岸の散策に足を延ばしてみるのも楽しい。

大庭城趾公園の北西側、「湘南ライフタウン」内には裏門公園や二番構公園など、城跡を偲ばせる名の公園が点在している。それぞれ小さな公園だが、公園巡りを愉しむのも悪くない。
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