埼玉県越生町、町役場の西側に「さくらの山公園」という桜の名所がある。山の斜面に約三百本の桜が植栽され、春には見事な景観となる。桜が満開の四月上旬、さくらの山公園を訪ねた。
埼玉県越生町、越生町役場の裏手(西側)に「さくらの山公園」という公園が設けられている。その名が示しているように大観山の裾野部分の東斜面を整備して桜の植栽し、散策路を設けて公園として整備したものだ。さくらの山公園は面積1.7haほど、1973年(昭和48年)頃から桜の植栽を始め、1991年度(平成3年度)に公園として整備したものという。そのほぼ全てが丘陵地の斜面で、“公園”とは言っても一般的な都市公園とは違い、芝生の広場や子どもたちのための遊具などは設けられていない。
さくらの山公園の入口は越生町役場のすぐ裏手、越生町保健センター横の広場の奥だ。保健センター横の広場は「さくら祭り」のメイン会場になっており、露店なども並んで賑わっている。広場の奥には桜が咲き、「さくら祭り」を盛り上げている印象だ。その向こうに、桜に覆われた丘が見えている。
「入口」から散策路へ歩を進めて行くと、すぐに桜に包まれる。桜の木はそれほどの大木というわけではないが、充分に育って枝を広げ、見事な“桜の天蓋”を成している。散策路脇にはユキヤナギも咲き、桜と共に春の景観を演出する。散策路はつづら折りで、幾度も曲がりながら斜面を上がって行く。散策路の随所にベンチが設けられているのも嬉しい。当然のことながら上がって行くごとに視点が高くなり、周囲の景観の印象も変わる。その表情の変化が楽しい。上がるにつれて視界を覆う桜はますます密度を増し、“桜に包まれた”感も強くなる。
さらに散策路を辿って登ってゆけば、斜面の傾斜が少しきつくなり、さらに高みに上ってゆく。やがて東に視界が開け、桜の向こうに越生町中心部の街並みや越辺川河畔に広がる田園風景を一望できるようになる。やや南寄り、遠く霞んで高層ビル群のシルエットも見えたが、あれはさいたま市中心街のビル群だろうか。高所からの眺望は開放感に富み、頭上に広がる春の青空の印象と相俟って爽快な気分が味わえる。眼下に広がる桜の林越しに遠くの眺望を楽しめるのは、さくらの山公園の特筆すべき特徴と言っていいのではないか。
散策路はさらに上へと続いている。斜面の傾斜はさらに強くなり、つづら折りの散策路はすでに“山道”と言っていい小径だ。脇の方には階段状に整備した散策路も整備されており、訪れる人の便宜が図られている。登ってゆけば、そこからの眺望はさらに広がる。桜の季節でなくても、この眺望だけでも充分に楽しめるだろう。
さらに散策路を辿って登ってゆけば、斜面の傾斜が少しきつくなり、さらに高みに上ってゆく。やがて東に視界が開け、桜の向こうに越生町中心部の街並みや越辺川河畔に広がる田園風景を一望できるようになる。やや南寄り、遠く霞んで高層ビル群のシルエットも見えたが、あれはさいたま市中心街のビル群だろうか。高所からの眺望は開放感に富み、頭上に広がる春の青空の印象と相俟って爽快な気分が味わえる。眼下に広がる桜の林越しに遠くの眺望を楽しめるのは、さくらの山公園の特筆すべき特徴と言っていいのではないか。
散策路はさらに上へと続いている。斜面の傾斜はさらに強くなり、つづら折りの散策路はすでに“山道”と言っていい小径だ。脇の方には階段状に整備した散策路も整備されており、訪れる人の便宜が図られている。登ってゆけば、そこからの眺望はさらに広がる。桜の季節でなくても、この眺望だけでも充分に楽しめるだろう。
さくらの山公園の散策路を上りきると、ふいに平坦な場所に出る。大観山頂上に設けられた「世界無名戦士之墓」の駐車場だ。この駐車場も大きな桜に囲まれ、美しい景観を見せている。ここまで登ってきたなら「世界無名戦士之墓」にもお参りし、そこからの眺望を楽しんでおきたい。
山の斜面が桜に覆われた「さくらの山公園」はまさに“桜の名所”と言っていい。斜面を辿る散策路を歩けば辺り一面の桜に包まれ、高所に登れば眼下の桜越しに開放感溢れる眺望が楽しめる。花見のために訪れても、花見を兼ねた春のピクニックに訪れても楽しめる。桜はほとんどがソメイヨシノのようだが、ベニシダレを植栽したところもあり、鮮やかな色彩で景観にアクセントを添えている。
桜の林の中では訪れた人たちが思い思いの場所にシートを広げ、花見の宴を催している。家族連れやグループで訪れ、花見を兼ねたアウトドアランチを楽しむ人たちの姿も少なくない。今回訪れたのは「さくら祭り」開催中の土曜日、そのために特に賑わっていたのだろう。開花期間中はライトアップもなされるという。夜桜の幻想的な光景を楽しむのもよいものだろう。
大観山頂上の「世界無名戦士之墓」は1955年(昭和30年)に完成した施設で、第二次世界大戦で戦死した264人の無名戦士の遺骨を納めるほか、世界60ヶ国余りの251万の戦死者の英霊を安置しているそうだ。毎年5月に慰霊式典が行われるという。春の日差しの下、山頂に建つ白亜の霊廟は厳かでありつつ、どこか晴れやかな印象も伴っている。
大観山頂上からは東に広く視界が開け、開放感溢れる眺望が広がる。霊廟の建物の一部は展望台も兼ねているようで、半円形の展望所に上がればさらに視界が広がる。眼下に越生の町並みを見下ろし、毛呂山町から川越市、鶴ヶ島市の辺りも視界に収まる。その向こうにはさいたま市中心市街のビル郡が見え、さらに遠くには新宿の高層ビル群や東京スカイツリーのシルエットも見ることができる。さくらの山公園に訪れたときには、ここからの眺望も併せて楽しむのがお勧めだ。
本欄の内容はさくらの山公園関連ページ共通です
さくらの山公園は入場料は必要ないが、桜の時期には散策路入口に寄付金を受け付ける募金箱が置かれている。寄付金は公園の維持管理に使われるとのことだ。
トイレは越生町中央公民館などの施設が解放されている他、公園上部の「世界無名戦士之墓」の駐車場にも設けられている。
さくらの山公園へはJR八高線・東武越生線の越生駅が近い。さくらの山公園は越生町役場のすぐ裏手(西側)に位置しており、越生駅から歩いても1km足らず、ゆっくり歩いても15分ほどか。
車で来訪する場合は越生町役場を目指せばよい。越生町役場周辺の公共駐車場が無料で利用できる。
ただし「さくら祭り」の開催される週末には訪れる人も多く、近くの駐車場は満車になることがあるようだ。少し離れた五大尊つつじ公園横の駐車場も臨時駐車場として開放されるらしく、2014年春に訪れたときには町の職員が交差点脇に立って駐車場への案内を行っていた。
遠方から車で訪れる人は関越自動車道の鶴ヶ島ICや圏央道の圏央鶴ヶ島ICを利用し、国道417号から県道114号へと辿って西進するのがわかりやすいだろう。
公園内にはレストランやカフェは無い。公園の近辺にもほとんど飲食店は無い。さくら祭り開催中は公園下の祭り会場内に露店が出て焼き鳥や菓子、飲み物などを販売しているが、本格的な食事はできない。県道30号沿いには駅周辺にいくつか飲食店があるから、お店を探すなら町の中心部へ移動するのが賢明だ。
お弁当持参で訪れて、園内に場所を見つけて“青空ランチ”を楽しむのもお勧めだ。レジャーシートを持っていこう。お花見の季節は少し混み合うが、場所が見つからないほどではない。
越生駅の東には「
山吹の里歴史公園
」がある。小さな公園だが、ヤマブキが美しい公園だ。桜が終わった新緑の頃が見頃だ。その時期に訪ねるのがお勧めだ。
県道30号(旧道)を1kmほど北へ辿り、三叉路を西へ逸れ、越辺川をさかのぼるように進むと有名な
越生梅林
がある。周辺は里山風景の美しいところで、梅の季節以外でも楽しめる。役場前から歩くと2km以上あるが、余裕があれば散策の足を延ばしてみるのも悪くない。
県道30号(越生・毛呂山バイパス)の「越生高校(北)」交差点から東へ折れて進めば越生町北東部の大谷地区、「
大谷ヶ原萬葉公園
」を中心に散策を楽しむのもお勧めだ。さらに東は鳩山町。「
高野倉ふれあい自然公園
」周辺の田園風景が美しい。
越生観光ナビ
紫陽花の咲くさくらの山公園
越生梅林
山吹の里歴史公園
桜咲く山吹の里歴史公園
晩秋の山吹の里歴史公園
大谷ヶ原萬葉公園
高野倉ふれあい自然公園