さくら堤公園は、広場や遊具などを設けた都市公園とは性格が異なり、基本的に一本の堤のみによって構成されている。約1.8kmの長さで延びる堤は、「さくら堤」の名が示すようにその全域が桜並木だ。堤体上には舗装された遊歩道が整備され、春には多くの花見客を迎え、桜の花が終われば緑陰の中を散策の人々が行き交う。この堤体上の遊歩道は、さいたま市の秋ヶ瀬公園と滑川町の武蔵丘陵森林公園とを繋ぐ総延長46kmという長大なサイクリングコースの一部を担ってもいる。吉見浄水場南側を通る道路が堤を横切って東西に抜けているために、その道路によって堤は南北に分断されているが、堤体上の遊歩道は道路上を橋で繋がれ、一般路を横断することなく歩き通すことができる。
さくら堤公園の西側には文覚川という小さな川が沿っている。文覚川は大里町に発し、荒川右岸に沿って流れ、さくら堤公園の南端部のやや南、町境を越えた川島町で市野川に注ぐ、約9kmほどの長さの河川だそうだ。