花の好きな人、花の写真を趣味とする人にとって、この季節のいちばんの“お目当て”はやはり節分草だろうか。節分草は昭和記念公園の北端部に位置する「こもれびの里」のさらに北端部、古民家北側の小高い丘の上で見ることができる。松の林となった丘の地表、枯れた松葉や松ぼっくりの間から顔を覗かせるように白く小さな花を咲かせている。冬晴れの空の下、日差しを浴びて咲く節分草の可憐な姿は愛らしく美しい。この節分草はもちろん自生しているものではなく、人の手によって植えられ、育てられているものだ。乱獲や環境の悪化によって自生のものは少なくなっているという。それだけにこうして数多くの節分草を見ることのできる場所は人気があるのだろう。この日も多くの人が訪れ、カメラのレンズを向けていた。