横浜市都筑区牛久保東〜南山田〜北山田〜東山田
ふじやとのみち
Visited in June 2017
横浜市都筑区の北東部、美しい住宅街の中を辿って「ふじやとのみち」という緑道が延びている。牛久保東の「牛久保東なつみかん公園」から南山田の「のちめ不動」バス停付近まで、徳生公園や神無公園、山田富士公園といった公園を繋いで大きな弧を描き、南山田の町と北山田の町の南側をその弧の中に抱え込む。徳生公園からは「くさぶえのみち」と名付けられた緑道が西へ、横浜市営地下鉄ブルーライン中川駅まで延びている。「ふじやとのみち」と「くさぶえのみち」とを併せて一本の大きな緑道として機能していると言っていい。
「牛久保東なつみかん公園」から百数十メートルのところで、別の緑道が分岐する。北寄りに折れる「ふじやとのみち」から分かれて西へ延びる、その緑道は「牛久保ひめりんご公園」を経て「大塚・歳勝土遺跡公園」へと至っている。緑道の分岐点には「センター北駅」を指し示して「940m」の案内標識が設けられている。「ふじやとのみち」の方は徳生公園まで「160m」との案内がある。
徳生公園は比較的規模の大きな公園で、中央部に池を抱えている。水辺の風情が素敵な公園だ。徳生公園から西へ延びる緑道は「くさぶえのみち」だ。「くさぶえのみち」は徳生公園から牛久保公園や牛久保西公園などを経て、横浜市営地下鉄ブルーライン中川駅まで続いている。
神無公園の「神無」は「しんなし」と読む。神無公園はグラウンドを設けた公園だ。グラウンドは少年野球の試合などに使われるようだ。
県道をくぐった先、「ふじやとのみち」の北西側には山田富士公園が横たわっている。さらに山田富士公園の東側にはウォーターアリーナ(横浜国際プール)がある。北山田駅と山田富士公園、北山田駅とウォーターアリーナとを繋いで二本の人道橋が「ふじやとのみち」を跨いでいるが、この辺りでは公園と緑道とが一体化し、ウォーターアリーナを含めた全域がひとつの大きな公園のように機能している。
「城山歩道橋」から県道に降りた辺りには「城山」バス停がある。ニュータウンとして整備される以前、この辺りには城山があった。「のちめ不動」も建立された当時は、この城山にあったという。
「ふじやとのみち」終点部分から県道へ出ると、近くに「のちめ不動」バス停があり、そのすぐ南側には「のちめ不動前」交差点がある。交差点では県道102号と中原街道の旧道とが交差する。交差点から150mほど中原街道旧道を東へ辿ったところに「のちめ不動」が祀られている。
「牛久保東なつみかん公園」から「のちめ不動」バス停へ向かって、「ね」、「うし」、「とら」と並び、「のちめ不動前」バス停近くの「いのしし」まで、それらは緑道脇にひっそりと置かれている。オブジェは特にそれぞれの干支の動物を象っているわけではなく、丸みを帯びた塊の形状で、その表面に「うし」や「ひつじ」などと名が彫られている。それらのすべてを探しながら「ふじやとのみち」の散策を楽しむのも一興かもしれない。
「中川駅横前入口」を「START」とし、「のちめ不動バス停」が「GOAL」で、約4.1kmの距離があるそうだ。徳生公園には「順路」を指し示す標識があって利用者をルートに導いている。北山田駅付近でちょうど中川駅前から3kmほど、緑道を辿って中川駅と北山田駅間の散策を楽しむにもほど良い距離だろう。
「ふじやとのみち」は都筑区北東部に設けられた緑道として、山田富士公園や徳生公園などの公園を有機的に繋ぎ、その全体をひとつの大きな公園として機能させている。北山田駅から徳生公園まで散策を楽しんだり、そのまま「くさぶえのみち」へと歩を進めて中川駅まで歩いたり、あるいは北山田駅から西へ辿って「のちめ不動」を訪ねたり、さまざまな楽しみ方ができる。初夏の新緑の頃が美しいが、秋の紅葉も素晴らしいに違いない。落葉樹の葉が落ちた冬なら野鳥観察に好適だ。四季折々に訪ねてみたい緑道だ。