八王子市片倉町
−片倉城跡公園−
新緑の片倉城跡公園
Visited in April 2011


ヤマブキソウは花の姿がヤマブキに似ていることからその名で呼ばれるが、ヤマブキとはまったく異なる植物だ。ヤマブキソウはカタクリと同様に樹林の中の比較的明るい場所を好む植物で、この片倉城跡公園でもほぼ同じ場所に群生しているようだ。


片倉城駅公園の北側部分は雑木林の斜面となっており、そこを散策路が辿っている。その散策路脇に、ヤマブキソウと花期をほぼ同じくするニリンソウやイチリンソウなどの姿を見つけることもできる。そうした花々の好きな人は目を凝らして歩きたいところだ。また北側の湿地部分を辿る小径を歩けば、印象的な姿を見せるハナミズキやセイヨウシャクナゲの花を見つけることもできる。それらの花は片倉城跡公園の“主役”ではないが、緑溢れる風景の中に鮮やかなアクセントを添えてくれている。



二の丸広場に上がれば、広場脇の藤棚が花期を迎えている。特筆するほど大きな藤棚ではないが、やはりこの季節の花としてフジの花は欠かせない。藤棚の下にはテーブルとベンチが設置されている。咲き誇るフジの花を眺めながらランチタイムを楽しむのもよいかもしれない。

この季節の片倉城跡公園のいちばんの魅力は、やはり瑞々しい新緑だろう。さまざまな色調の緑の競演のような林の中を歩けば何とも清々しい気分になる。そこへヤマブキソウやフジの花といった季節の花々が美しい色彩を添えてくれる。春から初夏へと移ってゆく季節の息吹を感じながらの散策が楽しい。
