八王子市片倉町
−片倉城跡公園−
晩秋の片倉城跡公園
Visited in November 2023

晩秋の片倉城跡公園は「彫刻広場」や「本丸広場」脇のモミジ、住吉神社のイチョウ、そして雑木林を形成するクヌギやコナラなどの紅葉に彩られる。公園全体が紅葉に染まるような規模のものではないが、しっとりと落ち着いた佇まいがなかなか魅力的だ。

真っ赤に染まったモミジが日差しを浴びて輝く姿はたいへんに美しく、この季節の片倉城跡公園を象徴する景観と言っていい。見る場所を変えれば景観の表情も変わる。さまざまな表情を楽しみたい景観だ。モミジの下のベンチに腰を下ろし、展示された彫刻作品を眺めながらひとときを過ごすのも一興だ。

鳥居周辺の景観もまた見る場所によってさまざまに表情を変え、鳥居と紅葉とが見せる景色を飽きることなく楽しむことができる。その景色の中に彫刻作品が入り込むのも、この公園らしいところだ。

落ち葉を敷き詰めたような林の中の園路を辿り、ときどき上を見上げれば木の高みで陽光を弾いて輝く落葉樹の黄葉が美しく、木漏れ日まで黄金色に染まったように感じられる。

なかなか立派なモミジなのだが、広場の北側に立っているため、広場の中から見ると順光になり、紅葉の美しさがあまり楽しめないのが残念なところか。モミジの木の下に立って南側を眺めれば、逆光に輝くモミジの向こうに本丸広場を眺める景観が楽しめる。

メタセコイアはかなりの高木で、その姿を楽しむためには上を見上げなくてはならないが、澄んだ秋空を背景にした景観はなかなか美しい。日差しの向きによって表情も変わるので、場所を変えながら眺めてみるのがお勧めだ。

片倉城跡公園にはモミジはそれほど多くはなく、紅葉を楽しむには少しばかり物足りなさもある。しかし、「彫刻広場」脇のモミジはとても美しく、このモミジと雑木林の黄葉との双方を楽しめれば充分に満足できるだろう。のんびりと園内を巡って晩秋の風情を楽しむのがお勧めだ。




